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公開番号2025087160
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201611
出願日2023-11-29
発明の名称β-グルコシル配糖体の製造方法及び形質転換体
出願人国立大学法人京都大学,独立行政法人国立高等専門学校機構,株式会社トクヤマ
代理人個人,個人,個人
主分類C12P 19/18 20060101AFI20250603BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】新規なβ-グルコシル配糖体の製造方法、及びβ-グルコシル配糖体を製造する際に好適に用いられる新規な形質転換体を提供する。
【解決手段】本発明に係るβ-グルコシル配糖体の製造方法は、水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)等の微生物又は該微生物に由来するβ-配糖化酵素を作用させ、基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、下記(1)~(24)のいずれかの微生物又は該微生物に由来するβ-配糖化酵素を作用させ、前記基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む、β-グルコシル配糖体の製造方法。
(1)エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)
(2)シネラ・ヤンバルエンシス(Shinella yambaruensis)
(3)シネラ・グラヌリ(Shinella granuli)
(4)シネラ・ズーグロエオイデス(Shinella zoogloeoides)
(5)アスペルギルス・リューチューエンシス(Aspergillus luchuensis)
(6)アスペルギルス・テュービンゲンシス(Aspergillus tubingensis)
(7)タラロマイセス・アルボビバーティシリウス(Talaromyces albobiverticillius)
(8)ペニシリウム・ジャンシネルム(Penicillium janthinellum)
(9)ペニシリウム・アダメトジイ(Penicillium adametzii)
(10)フェオスフェリア・オリゼ(Phaeosphaeria oryzae)
(11)ピレノフォラ・ジクチオイデス(Pyrenophora dictyoides)
(12)マラスミエルス・メソスポラス(Marasmiellus mesosporus)
(13)オムファロータス・グエピニフォルミス(Omphalotus guepiniiformis)
(14)アグロサイブ・シリンドラセア(Agrocybe cylindracea)
(15)トルラ・デマチア(Torula dematia)
(16)グリフォラ・フロンドサ(Grifola frondosa)
(17)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)
(18)ピチア・ファリノサ(Pichia farinosa)
(19)シバーリンドネラ・サトゥルヌス(Cyberlindnera saturnus)
(20)パピリオトレマ・アウレア(Papiliotrema aurea)
(21)ダエダレア・ディキンシー(Daedalea dickinsii)
(22)ダエダレア・セリアリス(Daedalea serialis)
(23)レンチヌラ・エドデス(Lentinula edodes)
(24)コプリノプシス・シネレア(Coprinopsis cinerea)
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、下記(1)~(28)のいずれかの微生物に由来するβ-配糖化酵素をコードする遺伝子が導入された形質転換体を作用させ、前記基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む、β-グルコシル配糖体の製造方法。
(1)エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)
(2)シネラ・ヤンバルエンシス(Shinella yambaruensis)
(3)シネラ・グラヌリ(Shinella granuli)
(4)シネラ・ズーグロエオイデス(Shinella zoogloeoides)
(5)アスペルギルス・リューチューエンシス(Aspergillus luchuensis)
(6)アスペルギルス・テュービンゲンシス(Aspergillus tubingensis)
(7)タラロマイセス・アルボビバーティシリウス(Talaromyces albobiverticillius)
(8)ペニシリウム・ジャンシネルム(Penicillium janthinellum)
(9)ペニシリウム・アダメトジイ(Penicillium adametzii)
(10)フェオスフェリア・オリゼ(Phaeosphaeria oryzae)
(11)ピレノフォラ・ジクチオイデス(Pyrenophora dictyoides)
(12)マラスミエルス・メソスポラス(Marasmiellus mesosporus)
(13)オムファロータス・グエピニフォルミス(Omphalotus guepiniiformis)
(14)アグロサイブ・シリンドラセア(Agrocybe cylindracea)
(15)トルラ・デマチア(Torula dematia)
(16)グリフォラ・フロンドサ(Grifola frondosa)
(17)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)
(18)ピチア・ファリノサ(Pichia farinosa)
(19)シバーリンドネラ・サトゥルヌス(Cyberlindnera saturnus)
(20)パピリオトレマ・アウレア(Papiliotrema aurea)
(21)ダエダレア・ディキンシー(Daedalea dickinsii)
(22)ダエダレア・セリアリス(Daedalea serialis)
(23)レンチヌラ・エドデス(Lentinula edodes)
(24)コプリノプシス・シネレア(Coprinopsis cinerea)
(25)リゾビウム・ラヂオバクター(Rhizobium radiobacter)
(26)リゾビウム・ピューセンス(Rhizobium pusense)
(27)リゾビウム・ダエジェオネンス(Rhizobium daejeonense)
(28)リゾビウム・パクナメンス(Rhizobium paknamense)
【請求項3】
水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、下記(a)~(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子が導入された形質転換体又は下記(a)~(c)のいずれかのタンパク質を作用させ、前記基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む、β-グルコシル配糖体の製造方法。
(a)配列番号1又は2のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
(c)前記(a)のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
【請求項4】
前記グルコース供与体がセロビオースである、請求項1~3のいずれか1項に記載のβ-グルコシル配糖体の製造方法。
【請求項5】
下記(a)~(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子が導入された形質転換体。
(a)配列番号1又は2のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
(c)前記(a)のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、β-グルコシル配糖体の製造方法及び形質転換体に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリフェノールやテルペンアルコール等の種々の化合物の物性(水溶性、安定性等)を改善するため、これらの化合物を配糖化する研究が盛んになされている。特に、天然に存在する配糖体の多くはβ-グルコシル配糖体等のβ-配糖体であり、β-配糖体の効率的な製造方法の開発が望まれている。
【0003】
従来、β-配糖体の製造方法として、β-グルコシダーゼによる糖転移反応を利用した方法が知られている。例えば、非特許文献1では、基質化合物としてのゲラニオールと糖供与体としてのセロビオースとを含む系に、アーモンドやトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)に由来するβ-グルコシダーゼを作用させ、ゲラニオールのβ-グルコシル配糖体を得たことが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Z. Gunata et al., Enzyme and Microbial Technology, 16(12), 1055-1058 (1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、アーモンド由来β-グルコシダーゼ等の従来公知のβ-グルコシダーゼは、主として加水分解反応を進行させるものであり、β-グルコシル配糖体の収率は十分とは言い難いものであった。
【0006】
そこで、本発明は、新規なβ-グルコシル配糖体の製造方法、及びβ-グルコシル配糖体を製造する際に好適に用いられる新規な形質転換体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、下記(1)~(24)のいずれかの微生物又は該微生物に由来するβ-配糖化酵素を作用させ、前記基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む、β-グルコシル配糖体の製造方法。
(1)エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)
(2)シネラ・ヤンバルエンシス(Shinella yambaruensis)
(3)シネラ・グラヌリ(Shinella granuli)
(4)シネラ・ズーグロエオイデス(Shinella zoogloeoides)
(5)アスペルギルス・リューチューエンシス(Aspergillus luchuensis)
(6)アスペルギルス・テュービンゲンシス(Aspergillus tubingensis)
(7)タラロマイセス・アルボビバーティシリウス(Talaromyces albobiverticillius)
(8)ペニシリウム・ジャンシネルム(Penicillium janthinellum)
(9)ペニシリウム・アダメトジイ(Penicillium adametzii)
(10)フェオスフェリア・オリゼ(Phaeosphaeria oryzae)
(11)ピレノフォラ・ジクチオイデス(Pyrenophora dictyoides)
(12)マラスミエルス・メソスポラス(Marasmiellus mesosporus)
(13)オムファロータス・グエピニフォルミス(Omphalotus guepiniiformis)
(14)アグロサイブ・シリンドラセア(Agrocybe cylindracea)
(15)トルラ・デマチア(Torula dematia)
(16)グリフォラ・フロンドサ(Grifola frondosa)
(17)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)
(18)ピチア・ファリノサ(Pichia farinosa)
(19)シバーリンドネラ・サトゥルヌス(Cyberlindnera saturnus)
(20)パピリオトレマ・アウレア(Papiliotrema aurea)
(21)ダエダレア・ディキンシー(Daedalea dickinsii)
(22)ダエダレア・セリアリス(Daedalea serialis)
(23)レンチヌラ・エドデス(Lentinula edodes)
(24)コプリノプシス・シネレア(Coprinopsis cinerea)
【0008】
<2> 水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、下記(1)~(28)のいずれかの微生物に由来するβ-配糖化酵素をコードする遺伝子が導入された形質転換体を作用させ、前記基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む、β-グルコシル配糖体の製造方法。
(1)エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)
(2)シネラ・ヤンバルエンシス(Shinella yambaruensis)
(3)シネラ・グラヌリ(Shinella granuli)
(4)シネラ・ズーグロエオイデス(Shinella zoogloeoides)
(5)アスペルギルス・リューチューエンシス(Aspergillus luchuensis)
(6)アスペルギルス・テュービンゲンシス(Aspergillus tubingensis)
(7)タラロマイセス・アルボビバーティシリウス(Talaromyces albobiverticillius)
(8)ペニシリウム・ジャンシネルム(Penicillium janthinellum)
(9)ペニシリウム・アダメトジイ(Penicillium adametzii)
(10)フェオスフェリア・オリゼ(Phaeosphaeria oryzae)
(11)ピレノフォラ・ジクチオイデス(Pyrenophora dictyoides)
(12)マラスミエルス・メソスポラス(Marasmiellus mesosporus)
(13)オムファロータス・グエピニフォルミス(Omphalotus guepiniiformis)
(14)アグロサイブ・シリンドラセア(Agrocybe cylindracea)
(15)トルラ・デマチア(Torula dematia)
(16)グリフォラ・フロンドサ(Grifola frondosa)
(17)アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)
(18)ピチア・ファリノサ(Pichia farinosa)
(19)シバーリンドネラ・サトゥルヌス(Cyberlindnera saturnus)
(20)パピリオトレマ・アウレア(Papiliotrema aurea)
(21)ダエダレア・ディキンシー(Daedalea dickinsii)
(22)ダエダレア・セリアリス(Daedalea serialis)
(23)レンチヌラ・エドデス(Lentinula edodes)
(24)コプリノプシス・シネレア(Coprinopsis cinerea)
(25)リゾビウム・ラヂオバクター(Rhizobium radiobacter)
(26)リゾビウム・ピューセンス(Rhizobium pusense)
(27)リゾビウム・ダエジェオネンス(Rhizobium daejeonense)
(28)リゾビウム・パクナメンス(Rhizobium paknamense)
【0009】
<3> 水酸基を有する基質化合物と、β-グリコシド結合を有するグルコース供与体とを含む系に、下記(a)~(c)のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子が導入された形質転換体又は下記(a)~(c)のいずれかのタンパク質を作用させ、前記基質化合物のβ-グルコシル配糖体を回収することを含む、β-グルコシル配糖体の製造方法。
(a)配列番号1又は2のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)前記(a)のアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
(c)前記(a)のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
【0010】
<4> 前記グルコース供与体がセロビオースである、<1>~<3>のいずれか1項に記載のβ-グルコシル配糖体の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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