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公開番号2025060001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170462
出願日2023-09-29
発明の名称剪断流を発生させる器具
出願人国立大学法人京都大学,エアープロ株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G01N 24/00 20060101AFI20250403BHJP(測定;試験)
要約【課題】試料に剪断流を発生させる器具であって、試料管と撹拌棒とが正確に位置合わせされた器具を提供する。
【解決手段】剪断流発生器具10は、磁気共鳴装置90の試料導入孔91内に挿入された状態で試料Sに剪断流を発生させる器具であって、試料Sを溜める試料管1と、先端2aが試料管1内に挿入され、長軸周りに回転することにより試料Sに剪断力を加える撹拌棒2と、試料管1および撹拌棒2を共に保持する保持部3と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁気共鳴装置の試料導入孔内に挿入された状態で試料に剪断流を発生させる器具であって、
試料を溜める試料管と、
先端が前記試料管内に挿入され、長軸周りに回転することにより前記試料に剪断力を加える撹拌棒と、
前記試料管および前記撹拌棒を共に保持する保持部と、
を備える器具。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記保持部は、前記試料管および前記撹拌棒を同軸に保持する、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記保持部は、
前記撹拌棒の後端側を保持する筒状の撹拌棒保持体と、
前記試料管を保持する筒状の試料管保持体と、
前記撹拌棒保持体と前記試料管保持体とを保持する筒状の筐体と、
を備える、請求項1に記載の器具。
【請求項4】
前記筐体は、第1の空洞と、前記第1の空洞に連通する第2の空洞とを長軸方向に沿って有し、
前記撹拌棒保持体は、前記筐体内の前記第2の空洞に嵌合し、
前記試料管保持体は、後端が前記筐体内の前記第1の空洞に嵌合する、請求項3に記載の器具。
【請求項5】
前記撹拌棒保持体は、前記撹拌棒の後端側を内部に挿通した状態で回転可能に保持し、
前記試料管保持体は、前記試料管を内部に挿通した状態で保持する、請求項3に記載の器具。
【請求項6】
前記撹拌棒保持体は、前記試料管の後端側を収容する第3の空洞を先端側に有し、前記撹拌棒を回転可能に保持するベアリングを収容する第4の空洞を後端側に有している、請求項3に記載の器具。
【請求項7】
前記撹拌棒に接続されて、長軸周りの回転動力を前記撹拌棒に伝達する主軸と、
前記主軸を収容する筒状の主軸収容部と、
をさらに備え、
前記主軸収容部には、周状の溝が側面に設けられており、前記溝には、溝から突出し弾性変形することにより前記試料導入孔の開口端に適合する外径を有する環状の弾性部材が配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
前記主軸収容部には、長軸方向に沿って延伸する穴が側面に設けられている、請求項7に記載の器具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴装置内に配置された試料管内の試料に剪断流を発生させる器具に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
Rheo-NMR(以下、レオNMRと記載する)は、測定対象を含む試料に剪断流を発生させながら核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)を行う測定手法である。
【0003】
レオNMR測定によると、剪断流下にある試料の調査が可能となり、例えば、試料のずり速度(shear rate)やずり粘度(shear viscosity)、ずり流動化(shear-thinning)等といった、動的現象の特定および分析が可能となる。従来の多くのレオNMR測定では、例えばポリマーや食品を測定対象の試料としていた。近年では、例えば生体の機能や形状を、変形や流動性といった力学的側面から研究する学問分野であるバイオレオロジーの分野において、レオNMR測定により、例えば血管内の血液の流動性に関する分析がなされている。
【0004】
下記特許文献1には、レオNMR測定にて用いられるレオロジーユニットが記載されている。下記非特許文献1および非特許文献2には、レオNMR測定にて用いられるレオメータまたはクエットセル(Couette cell)が記載されている。
【0005】
また、非特許文献3に示されているように、レオNMR測定は既存のNMR装置を用いて行うことができる。測定対象の試料は、NMRチューブと呼ばれる試料管内に入れられる。試料管は、スピナーと呼ばれる回転部材に取り付けられ、NMR装置の所定の測定位置に配置される。NMR装置内に鉛直方向に設けられている試料導入孔の上部の開口端から、試料管より細い撹拌棒を試料導入孔内に挿入し、撹拌棒の先端を試料管内の試料に挿入する。多くの既存のNMR装置には、スピナーとスピナーを回転させる機構である駆動機構とが設けられている。NMR装置側に設けられたこの駆動機構を用いて、スピナーおよび試料管を撹拌棒に対して回転させることにより、試料に剪断流が発生する。このような環境下においてNMR測定を行うことにより、試料に対するレオNMR測定が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2016-529517号公報
【非特許文献】
【0007】
Paul T. Callaghan and Elmar Fischer, “Rheo-NMR: a New Application for NMR Microscopy and NMR Spectroscopy”, [online], 2001年, Bruker Corporation, [2019 年3 月29 日検索],インターネット<URL:https://www.bruker.com/fileadmin/user_upload/8-PDF-Docs/MagneticResonance/NMR/Rheo-NMR_Report2001.pdf>
Patrick J. B. Edwards, Motoko Kakubayashi, Robin Dykstra, Steven M. Pascal, and Martin A. K. Williams, “Rheo-NMR Studies of an Enzymatic Reaction: Evidence of a Shear-Stable Macromolecular System”, Biophysical Journal, Volume 98, Issue 9, 5 May 2010, Pages 1986-1994.
Daichi Morimoto, Erik Walinda, Naoto Iwakawa, Mayu Nishizawa, Yasushi Kawata, Akihiko Yamamoto, Masahiro Shirakawa, Ulrich Scheler, and Kenji Sugase, “High-Sensitivity Rheo-NMR Spectroscopy for Protein Studies”, Analytical Chemistry, Volume 89, Issue 14, June 30, 2017, Pages 7286-7290.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
試料分析用の高分解NMR装置には、測定感度を向上させるために超伝導磁石が用いられている。数10テスラ以上の高磁場を発生させるために、超伝導磁石の周囲には液体ヘリウムや液体窒素等の冷媒が配設されている。その結果、超伝導磁石を用いるNMR装置は、全高が2メートルを超える大型の装置となっている。試料管の位置もNMR装置の外部からは見ることはできない。
【0009】
一方、試料が入れられてスピナーと共に回転される試料管は、外径が約5mm程度の筒状であり、撹拌棒の先端が挿入される内径も約4mm程度である。撹拌棒は、試料管よりもさらに細く、外径は約3mm程度である。
【0010】
このように、試料管の内径と撹拌棒の外径との隙間は約0.5mm程度と非常に狭い。試料管が配置されるNMR装置内の鉛直方向の位置と、鉛直方向に延伸する試料導入孔の開口端との間も数メートル程度離れている。数メートル離れた位置から約0.5mm以内の誤差で、NMR装置内の測定位置に配置された試料管内に、NMR装置の外部から試料導入孔の開口端を介して撹拌棒の先端を挿入することは困難であった。この際、撹拌棒の先端を試料管内に挿入するだけではなく、試料管の径の中心と撹拌棒の径の中心とを正確に合わせる必要があり、難易度はさらに増大する。レオNMR測定において、試料管と撹拌棒との正確な位置合わせを確実に行うことが求められている。
(【0011】以降は省略されています)

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