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公開番号
2025087204
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2023201703
出願日
2023-11-29
発明の名称
データ読み出し方法および装置
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
G11C
11/16 20060101AFI20250603BHJP(情報記憶)
要約
【課題】磁壁運動に基づく情報の伝達を行うタイプの磁気メモリ素子において、スピン状態で表されるデータを破壊することなく記憶層からデータを読み出す。
【解決手段】磁気メモリ素子からデータを読み出す方法は、スピン状態が切り替え可能な複数の記憶層1a~1dと、複数の記憶層1a~1d間に配置されて磁壁を構成する境界層2とを備える磁気メモリ素子10の層構造9にパルス電流を流す工程(S1)と、パルス電流を流した層構造9からの応答信号を読み取り(S2)、応答信号に基づいて、複数の記憶層1a~1dのそれぞれについてスピン状態を特定する工程(S3~S6)と、を含む。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
磁壁運動に基づく情報の伝達を行う磁気メモリ素子から、スピン状態で表されるデータを読み出す方法であって、
スピン状態が切り替え可能な複数の記憶層と、複数の前記記憶層間に配置されて磁壁を構成する境界層とを備える磁気メモリ素子の層構造にパルス電流を流す工程と、
前記パルス電流を流した前記層構造からの応答信号を読み取り、前記応答信号に基づいて、複数の前記記憶層のそれぞれについて前記スピン状態を特定する工程と、
を含む、磁気メモリ素子からデータを読み出す方法。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記スピン状態を特定する工程は、前記スピン状態の組合せと、複数の基準応答信号との対応関係に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スピン状態を特定する工程は、
読み取った前記応答信号と、前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間で、信号の類似度に関する指標を算出する工程と、
算出した前記指標に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する工程と、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スピン状態を特定する工程は、
読み取った前記応答信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する工程をさらに含み、
前記指標を算出する工程は、
周波数領域の前記応答信号と、周波数領域の前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間の類似度に関する第1の指標を算出する工程と、
時間領域の前記応答信号と、時間領域の前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間の類似度に関する第2の指標を算出する工程と、
を含み、
前記組合せを特定する工程は、算出した前記第1の指標および前記第2の指標に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の指標および前記第2の指標は相関係数である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の指標は相関係数であり、前記第2の指標は位相差である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
磁壁運動に基づく情報の伝達を行う磁気メモリ素子から、スピン状態で表されるデータを読み出す装置であり、
スピン状態が切り替え可能な複数の記憶層と、複数の前記記憶層間に配置されて磁壁を構成する境界層とを備える磁気メモリ素子の層構造にパルス電流を流す電流源と、
前記パルス電流を流した前記層構造からの応答信号を読み取るセンサと、
前記応答信号に基づいて、複数の前記記憶層のそれぞれについて前記スピン状態を特定するスピン状態特定部と、
を備える、磁気メモリ素子からデータを読み出す装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁壁運動に基づく情報の伝達を行う磁気メモリ素子からデータを読み出す方法および装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
情報量の飛躍的な増加に伴って、高密度で情報を記録することができるメモリ装置が必要とされている。そのようなメモリ装置として、現在はフラッシュメモリが広く用いられている。しかし、フラッシュメモリは、その動作原理上、酸化膜の劣化により書き込み可能回数が限られるという欠点や、情報の書き込みを繰り返す間に書き込み速度が遅くなるという欠点を有している。このことから、近年では、既存のフラッシュメモリの代わりとなる種々の磁気メモリが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、三次元の磁気メモリであるレーストラックメモリが開示されている。特許文献1のレーストラックメモリでは、強磁性体が磁区で区切られて、スタック状にまたは線状に配置されている。ビットは磁区毎に定義されており、データは磁区における磁化の向きにより記憶されている。強磁性体の細線(磁気ナノワイヤ)に電流を流すことにより磁壁を移動させる。これにより磁区における磁化が一斉に一方向に移動しデータが伝達される。
【0004】
特許文献1に例示するような磁壁運動(domain wall motion)に基づくタイプの情報伝達方式には、磁壁移動の駆動電流が高いという問題や、磁壁移動の制御性が悪いという問題が依然として存在している。これに対し本発明者は、特許文献1と同様の磁壁運動に基づくタイプの情報伝達を行う磁気メモリ素子として、特許文献2および3に開示するような磁気メモリ素子を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第6834005号明細書
国際公開第2022/014529号明細書
特開2023-094193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2および3に開示する磁気メモリ素子の層構造によると、従来の磁気メモリ素子と比較して、磁壁移動に要する駆動電流や磁壁移動の制御性が改善される。一方で、特許文献2および3では、記憶層からデータを読み出す方法の一例として破壊読み出しを例示している。破壊読み出しの方法では、記憶層からデータを読み出すと記憶層のデータは破壊される。磁壁運動に基づく情報の伝達を行うタイプの磁気メモリ素子において、データを読み出す方法をより洗練することが求められている。
【0007】
本発明は、磁壁運動に基づく情報の伝達を行うタイプの磁気メモリ素子において、データを破壊することなく記憶層からデータを読み出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を進めていたところ、複数のメモリセルが表すビット列とそのビット列に対応する応答信号の波形との間に、図5および図6に示すような対応関係があることを見出した。そしてこの対応関係に基づいて、複数のメモリセルを含む層構造から読み取った応答信号に対応するビット列を特定することができることを見出した。この際、層構造から応答信号を読み取っても、層構造に含まれるメモリセルのビットは破壊されない。
【0009】
すなわち、上記目的を達成するための本発明は、例えば以下に示す態様を含む。
(項1)
磁壁運動に基づく情報の伝達を行う磁気メモリ素子から、スピン状態で表されるデータを読み出す方法であって、
スピン状態が切り替え可能な複数の記憶層と、複数の前記記憶層間に配置されて磁壁を構成する境界層とを備える磁気メモリ素子の層構造にパルス電流を流す工程と、
前記パルス電流を流した前記層構造からの応答信号を読み取り、前記応答信号に基づいて、複数の前記記憶層のそれぞれについて前記スピン状態を特定する工程と、
を含む、磁気メモリ素子からデータを読み出す方法。
(項2)
前記スピン状態を特定する工程は、前記スピン状態の組合せと、複数の基準応答信号との対応関係に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する、項1に記載の方法。
(項3)
前記スピン状態を特定する工程は、
読み取った前記応答信号と、前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間で、信号の類似度に関する指標を算出する工程と、
算出した前記指標に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する工程と、
を含む、項2に記載の方法。
(項4)
前記スピン状態を特定する工程は、
読み取った前記応答信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する工程をさらに含み、
前記指標を算出する工程は、
周波数領域の前記応答信号と、周波数領域の前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間の類似度に関する第1の指標を算出する工程と、
時間領域の前記応答信号と、時間領域の前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間の類似度に関する第2の指標を算出する工程と、
を含み、
前記組合せを特定する工程は、算出した前記第1の指標および前記第2の指標に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する、項3に記載の方法。
(項5)
前記第1の指標および前記第2の指標は相関係数である、項4に記載の方法。
(項6)
前記第1の指標は相関係数であり、前記第2の指標は位相差である、項4に記載の方法。
(項7)
磁壁運動に基づく情報の伝達を行う磁気メモリ素子から、スピン状態で表されるデータを読み出す装置であり、
スピン状態が切り替え可能な複数の記憶層と、複数の前記記憶層間に配置されて磁壁を構成する境界層とを備える磁気メモリ素子の層構造にパルス電流を流す電流源と、
前記パルス電流を流した前記層構造からの応答信号を読み取るセンサと、
前記応答信号に基づいて、複数の前記記憶層のそれぞれについて前記スピン状態を特定するスピン状態特定部と、
を備える、磁気メモリ素子からデータを読み出す装置。
(項8)
前記スピン状態特定部は、前記スピン状態の組合せと、複数の基準応答信号との対応関係に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する、項7に記載の装置。
(項9)
前記スピン状態特定部は、
読み取った前記応答信号と、前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間で、信号の類似度に関する指標を算出する指標算出部と、
算出した前記指標に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する組合せ特定部と、
を備える、項8に記載の装置。
(項10)
前記スピン状態特定部は、
読み取った前記応答信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する信号変換部をさらに備え、
前記指標算出部は、
周波数領域の前記応答信号と、周波数領域の前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間の類似度に関する第1の指標を算出する第1指標算出部と、
時間領域の前記応答信号と、時間領域の前記複数の基準応答信号のそれぞれとの間の類似度に関する第2の指標を算出する第2指標算出部と、
を備え、
前記組合せ特定部は、算出した前記第1の指標および前記第2の指標に基づいて、読み取った前記応答信号に対応する前記スピン状態の組合せを特定する、項9に記載の装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、磁壁運動に基づく情報の伝達を行うタイプの磁気メモリ素子において、データを破壊することなく記憶層からデータを読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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