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公開番号
2025162451
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-27
出願番号
2024065760
出願日
2024-04-15
発明の名称
タンパク質集積構造体
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
C07K
19/00 20060101AFI20251020BHJP(有機化学)
要約
【課題】一態様において、2種類以上のモジュールが連結して形成されたタンパク質集積構造体を提供する。
【解決手段】本開示は、一態様において、2種類以上のモジュールが連結して形成されたタンパク質集積構造体であって、前記モジュールは、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体であり、前記結合部位となるペプチドは、可逆的にヘテロ二量体を形成することが可能であり、前記ペプチドがヘテロ二量体を形成することによって、異なるモジュールが連結されている、タンパク質集積構造体に関する。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
2種類以上のモジュールが連結して形成されたタンパク質集積構造体であって、
前記モジュールは、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体であり、
前記結合部位となるペプチドは、可逆的にヘテロ二量体を形成することが可能であり、
前記ペプチドがヘテロ二量体を形成することによって、異なるモジュールが連結されている、タンパク質集積構造体。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記ホモ多量体は、回転対称性を有する、請求項1記載の構造体。
【請求項3】
前記異なるモジュール間の連結は、可逆的である、請求項1記載の構造体。
【請求項4】
前記モジュールは、第1のモジュールと第2のモジュールとを含み、
前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとが交互に連結されている、請求項1記載の構造体。
【請求項5】
前記第1のモジュールの結合部位は、配列番号1、3、4又は5で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドであり、
前記第2のモジュールの結合部位は、配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドであり、
前記第1のモジュールの結合部位と前記第2のモジュールの結合部位とは、可逆的なヘテロ二量体を形成可能である、請求項4記載の構造体。
【請求項6】
前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールにおけるホモ多量体を形成可能なタンパク質は、同一又は異なるタンパク質である、請求項4記載の構造体。
【請求項7】
前記モジュール間の結合部位となるペプチドは、前記ホモ多量体を形成可能なタンパク質の末端で融合している、請求項1記載の構造体。
【請求項8】
ケージ状、ワイヤー状、シート状、チューブ状、及び結晶構造からなる群から選択される少なくとも一つの形態を有する、請求項1記載の構造体。
【請求項9】
2種類以上のモジュールが連結して形成されたタンパク質集積構造体を製造する方法であって、
2種類以上のモジュールを準備すること、
ここで、前記モジュールは、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体であり、前記結合部位となるペプチドは、可逆的にヘテロ二量体を形成することが可能であり、及び
前記準備したモジュールを混合し、異なるモジュールの結合部位間の相互作用による自発的なアセンブリを駆動させることを含む、
方法。
【請求項10】
前記2種類以上のモジュールは、第1のモジュール及び第2のモジュールを含み、
前記タンパク質集積構造体は、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとが交互に連結したタンパク質集積構造体であり、
前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールを混合し、前記第1のモジュールの結合部位と前記第2のモジュールの結合部位との間の相互作用により自発的なアセンブリを駆動させることを含む、請求項9記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘテロ二量体ペプチドによる連結から形成される2成分含有タンパク質集合体の形成技術に関し、より具体的には、2種類以上のホモ多量体が連結して形成されたタンパク質集積構造体、その製造方法、及びキットに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
生命現象は、複数のタンパク質が必要に応じてさまざまな高次集合体を動的に(可逆的に)形成・分解することにより成り立っている。当該集合体としては、例えば、細胞骨格のアクチンフィラメントや微小管、並びにウイルスを形作るキャプシドタンパク質等が挙げられる。天然に存在するこれらの構造物は、高度に調整された機能性と複雑さとを有している。近年、計算科学をはじめとする技術の進展により、自然界に匹敵するような人工的なタンパク質集合体の設計が可能となりつつある。しかし、これまでの設計の多くは1種類のタンパク質からなる集合体の形成に焦点を当てており、2種類のタンパク質からなるケージやシート、三次元結晶構造が提案されてはいるものの(例えば、非特許文献1~6)、その報告例は未だ少ない。さらに、自然界に存在するような高次集合体、例えば細胞骨格を思わせるチューブ構造のような柔軟性と可逆的な組立・分解との特徴を示すタンパク質集合体の設計は、より困難な課題である。
【0003】
本発明者らの一人は、タンパク質の対称性に着目し、四量体(C
4
対称)タンパク質の角にコネクターとしてシステイン又はヒスチジンを配置したタンパク質ユニットを作製し、そのタンパク質ユニットをジスルフィド結合又は金属への配位によって連結することによって二次元のタンパク質構造体を形成することに成功している(非特許文献7)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Fletcher, J. M. et al. Self-assembling cages from coiled-coil peptide modules. Science 340, 595-599, doi:10.1126/science.1233936 (2013).
King, N. P. et al. Accurate design of co-assembling multi-component protein nanomaterials. Nature 510, 103-108, doi:10.1038/nature13404 (2014).
Bale, J. B. et al. Accurate design of megadalton-scale two-component icosahedral protein complexes. Science 353, 389-394, doi:10.1126/science.aaf8818 (2016).
Marcandalli, J. et al. Induction of Potent Neutralizing Antibody Responses by a Designed Protein Nanoparticle Vaccine for Respiratory Syncytial Virus. Cell 176, 1420-1431 e1417, doi:10.1016/j.cell.2019.01.046 (2019).
Ben-Sasson, A. J. et al. Design of biologically active binary protein 2D materials. Nature 589, 468-473, doi:10.1038/s41586-020-03120-8 (2021).
Patrian, M. et al. Supercharged Fluorescent Protein-Apoferritin Cocrystals for Lighting Applications. ACS Nano 17, 21206-21215, doi:10.1021/acsnano.3c05284 (2023).
Suzuki, Y. et al. Self-assembly of coherently dynamic, auxetic, two-dimensional protein crystals. Nature 533, 369-373, doi:10.1038/nature17633 (2016).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数種のタンパク質ユニットを組み合わせた集合体の創出は依然として大きな課題である。自然界では複数種のタンパク質が秩序的に集合し、協働している例はありふれているにもかかわらず、自然界のものにより近しい柔軟性、そして形成と分解の可逆性とを有する集合体や、異種タンパク質ユニットを秩序的に組み合わせた高次集合体の設計は依然として大きな挑戦である。これらの集合体の中でも、特にチューブ状構造の構築は未だ実現されていない。
【0006】
本開示は、一態様において、タンパク質が秩序的に組み合わされたタンパク質の高次集合体、その製造方法、及びキットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、一態様において、2種類以上のモジュールが連結して形成されたタンパク質集積構造体であって、前記モジュールは、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体であり、前記結合部位となるペプチドは、可逆的にヘテロ二量体を形成することが可能であり、前記ペプチドがヘテロ二量体を形成することによって、異なるモジュールが連結されている、タンパク質集積構造体に関する。
【0008】
本開示は、その他の態様において、2種類以上のモジュールが連結して形成されたタンパク質集積構造体を製造する方法であって、2種類以上のモジュールを準備すること、ここで、前記モジュールは、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体であり、前記結合部位となるペプチドは、可逆的にヘテロ二量体を形成することが可能であり、及び、前記準備したモジュールを混合して、異なるモジュールの結合部位間の相互作用により自発的なアセンブリを駆動させることを含む方法に関する。
【0009】
本開示は、その他の態様において、タンパク質集積構造体を製造するためのキットであって、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体である、第1のモジュールと、対称性を有するホモ多量体を形成可能なタンパク質と、モジュール間の結合部位となるペプチドとの融合タンパク質によって形成されたホモ多量体である、第2のモジュールとを含み、前記第1のモジュールの結合部位と前記第2のモジュールの結合部位とは、可逆的なヘテロ二量体を形成することが可能であるキットに関する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、一態様において、タンパク質が秩序的に組み合わされたタンパク質の高次集合体、その製造方法、及びキットを提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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