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公開番号2025111106
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-30
出願番号2024005291
出願日2024-01-17
発明の名称がんモデル動物の作製方法
出願人東ソー株式会社,国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類A01K 67/0275 20240101AFI20250723BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】 本発明は、がんモデル動物およびその作製方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 対象から血中循環がん細胞(CTC)を採取する工程Aと、前記CTCを培養してスフェロイドを作製する工程Bと、前記スフェロイドをヒト以外の動物に移植する工程Cと、を含み、前記工程Aよりも後、かつ、工程Cよりも前に、前記CTCの一部を用いてゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数を測定する工程Pを実施することを特徴とする、がんモデル動物の作製方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
がんモデル動物の作製方法であって、
対象から血中循環がん細胞(CTC)を採取する工程Aと、
前記CTCを培養してスフェロイドを作製する工程Bと、
前記スフェロイドをヒト以外の動物に移植する工程Cと、を含み、
前記工程Aよりも後、かつ、工程Cよりも前に、前記CTCの一部を用いてゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数を測定する工程Pを実施することを特徴とする、方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記がんモデル動物、および、前記ヒト以外の動物は、マウスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象がヒトがん患者である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数が、前記対象から採取された正常細胞のゲノムDNAを基準とした場合の、前記CTCのゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記正常細胞が、白血球である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異のうち、任意の遺伝子座上に存在するヌクレオチド変異の数を測定する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異のうち、任意の遺伝子座上に存在し、かつ、当該変異の存在する遺伝子座によってコードされるアミノ酸配列に、1残基以上のアミノ酸変異を生じる、ヌクレオチド変異の数を測定する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異のうち、任意の遺伝子座上に存在し、かつ、当該変異の存在する遺伝子座によってコードされるアミノ酸配列に、当該アミノ酸配列を有するタンパク質の機能を変化させるアミノ酸変異を1残基以上生じる、ヌクレオチド変異の数を測定する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記遺伝子座が、下記(i)から選ばれる1以上の遺伝子座である、請求項6に記載の方法;
(i) CDK6、FOXP1、FANCA、SF3B1、ARID2、ZMYM3、ATR、FANCD2、BRCA2、PIK3CB、MDM2、AKT2、AKT1、AKT3、PALB2、CTNNB1、FANCC、MET、USP7、FANCG、CCND1、FANCD2OS、NBN、BRIP1、MRE11、RYBP、およびPIK3CA。
【請求項10】
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数の代わりに、任意のヌクレオチド変異が1つ以上存在する遺伝子座の数を測定する、請求項1または2に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はがんモデル動物、特に患者由来の血中循環がん細胞を用いたがんモデル動物の作製方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
一般的ながん細胞株を用いたがん細胞の動態解析や薬効評価は、患者の個人差を反映しない。そこで、患者特異的ながん組織の動態解析や薬効評価を行うニーズが存在する。
これまでに、患者から採取したがん組織をマウスに移植した患者腫瘍組織移植(PDX)モデルによる、がん細胞の動態解析や治療方法の有効性の評価が報告された(非特許文献1および非特許文献2)。しかし、患者から直接がん組織を採取することは、侵襲性が高く、患者の負担やがん組織の転移の恐れなどの課題が存在する。
【0003】
特許文献1では、患者血液から遊離したがん細胞である血中循環がん細胞(CTC)をスフェロイド状に拡大培養した後、マウスに移植することでCTC由来の組織を移植されたモデルの作製が報告された。このようなモデルは、患者から直接がん組織を採取しないために侵襲性が低いが、作製成功率が著しく低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2017079632号
【非特許文献】
【0005】
Patient-derived tumour xenografts as models for oncology drug development. Nature Reviews Clinical Oncology,Vol.9,2012,p.p.338-350
The future of patient-derived xenografts in prostate cancer research. NatureReviews Urology volume,Vol.20,2023,p.p.371-384
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、がんモデル動物およびその作製方法を提供することを課題とする。本発明は、特に、患者由来の血中循環がん細胞(CTC)を用いたがんモデル動物およびその作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ある対象に由来するCTCのゲノムDNA上にヌクレオチド変異数が少ない場合、当該対象に由来するCTCからスフェロイドあるいはオルガノイドを培養し、動物に移植することでがんモデル動物を作製可能であること、またはがんモデル動物の作製効率が向上することを見出し、本発明を完成させた。本発明は以下の態様を含む。
【0008】
[1]
がんモデル動物の作製方法であって、
対象から血中循環がん細胞(CTC)を採取する工程Aと、
前記CTCを培養してスフェロイドを作製する工程Bと、
前記スフェロイドをヒト以外の動物に移植する工程Cと、を含み、
前記工程Aよりも後、かつ、工程Cよりも前に、前記CTCの一部を用いてゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数を測定する工程Pを実施することを特徴とする、方法。
[2]
前記がんモデル動物、および、前記ヒト以外の動物は、マウスである、[1]の方法。[3]
前記対象がヒトがん患者である、[1]または[2]の方法。
[4]
前記ゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数が、前記対象から採取された正常細胞のゲノムDNAを基準とした場合の、前記CTCのゲノムDNA中上のヌクレオチド変異の数である、[1]~[3]のいずれかの方法。
[5]
前記正常細胞が、白血球である、[4]の方法。
[6]
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異のうち、任意の遺伝子座上に存在するヌクレオチド変異の数を測定する、[1]~[5]のいずれかの方法。
[7]
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異のうち、任意の遺伝子座上に存在し、かつ、当該変異の存在する遺伝子座によってコードされるアミノ酸配列に、1残基以上のアミノ酸変異を生じる、ヌクレオチド変異の数を測定する、[1]~[6]のいずれかの方法。
[8]
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異のうち、任意の遺伝子座上に存在し、かつ、当該変異の存在する遺伝子座によってコードされるアミノ酸配列に、当該アミノ酸配列を有するタンパク質の機能を変化させるアミノ酸変異を1残基以上生じる、ヌクレオチド変異の数を測定する、[1]~[7]のいずれかの方法。
[9]
前記遺伝子座が、下記(i)から選ばれる1以上の遺伝子座である、[6]~[8]のいずれかの方法;
(i) CDK6、FOXP1、FANCA、SF3B1、ARID2、ZMYM3、ATR、FANCD2、BRCA2、PIK3CB、MDM2、AKT2、AKT1、AKT3、PALB2、CTNNB1、FANCC、MET、USP7、FANCG、CCND1、FANCD2OS、NBN、BRIP1、MRE11、RYBP、およびPIK3CA。
[10]
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数の代わりに、任意のヌクレオチド変異が1つ以上存在する遺伝子座の数を測定する、[1]~[5]のいずれかの方法。
[11]
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数の代わりに、前記遺伝子座に存在する前記ヌクレオチド変異が、当該ヌクレオチド変異が存在する遺伝子座によってコードされるアミノ酸配列に、1残基以上のアミノ酸変異を生じるヌクレオチド変異である、前記遺伝子座の数を測定する、[1]~[5]および[10]のいずれかの方法。[12]
前記工程Pにおいて、ゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数の代わりに、前記遺伝子座に存在する前記ヌクレオチド変異が、当該ヌクレオチド変異が存在する遺伝子座によってコードされるアミノ酸配列に、当該アミノ酸配列を有するタンパク質の機能を変化させるアミノ酸変異を1残基以上生じるヌクレオチド変異である、前記遺伝子座の数を測定する、[1]~[5]および[10]~[11]のいずれかの方法。
[13]
前記遺伝子座が、下記(i)から選ばれる1以上の遺伝子座である、[10]~[12]のいずれかの方法;
(i) CDK6、FOXP1、FANCA、SF3B1、ARID2、ZMYM3、ATR、FANCD2、BRCA2、PIK3CB、MDM2、AKT2、AKT1、AKT3、PALB2、CTNNB1、FANCC、MET、USP7、FANCG、CCND1、FANCD2OS、NBN、BRIP1、MRE11、RYBP、およびPIK3CA。
【図面の簡単な説明】
【0009】
細胞保持装置100を模式的に示した図。
細胞保持装置100を模式的に示した図。
マイクロマニピュレーター600による、CTCを1細胞ずつ回収する手法を模式的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の方法>
本発明の方法の一態様は、
対象から血中循環がん細胞(CTC)を採取する工程Aと、
前記対象から採取されたCTCを培養してスフェロイドを作製する工程Bと、
前記スフェロイドをヒト以外の動物に移植する工程Cと、を含み、
前記工程Aよりも後、かつ、工程Cよりも前に、前記CTCの一部を用いてゲノムDNA上のヌクレオチド変異の数を測定する工程Pを実施することを特徴とする、がんモデル動物の作製方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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