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公開番号2025133366
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031271
出願日2024-03-01
発明の名称NV中心作製方法およびダイヤモンド粒子の製造方法
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C30B 29/04 20060101AFI20250904BHJP(結晶成長)
要約【課題】ダイヤモンド粒子にNV中心を効率良く作製する。
【解決手段】ダイヤモンド粒子にNV中心を作製する方法は、ダイヤモンド粒子1の懸濁液9を撹拌しながら、パルスレーザー5のパルス光6を懸濁液9に照射するステップを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ダイヤモンド粒子の懸濁液を撹拌しながら、パルスレーザーのパルス光を前記懸濁液に照射するステップを含む、ダイヤモンド粒子にNV中心を作製する方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記懸濁液の分散媒は、前記パルス光の照射により前記ダイヤモンド粒子に発生する熱を吸収する物質である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ダイヤモンド粒子に前処理を施すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ダイヤモンド粒子はナノダイヤモンドの粒子であり、前記パルスレーザーのパルス幅はフェムト秒のオーダーである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パルスレーザーのエネルギーは0.5mJ以上であり、照射時間は1時間以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ダイヤモンド粒子を準備するステップと、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法により、前記ダイヤモンド粒子にNV中心を作製するステップと、
を含む、NV中心を有するダイヤモンド粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド粒子にNV中心を作製する方法、およびNV中心を有するダイヤモンド粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは、その優れた光学的、電気的、熱的特性から、光学素子やエレクトロニクスデバイス等への応用が期待されている。特に近年、ダイヤモンド内部に存在するNV中心(Nitrogen Vacancy center)と呼ばれている窒素-空孔中心が注目を集めている。NV中心は、ダイヤモンド内部の窒素不純物とそれに隣接する空孔欠陥との対からなり、空孔に電子が捕獲された状態において、電子スピンと呼ばれる磁気的な性質を示す。NV中心中の電子スピンは、室温下でも長いコヒーレンス時間を有し、そのスピン状態は室温下で制御および検出可能であることから、量子コンピューティングへの応用や、磁場、電場等の高感度量子センサー等としての応用が期待されている。
【0003】
ダイヤモンドにNV中心を作製するには様々な方法がある。例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)合成によりダイヤモンドを作製する間に窒素を添加する方法がある。また例えば、ダイヤモンドに窒素イオンを注入することにより作製する方法や、予め窒素が含まれているダイヤモンドに電子線やイオンビームを照射することにより作製する方法等がある。これらイオン注入による手法または電子線やイオンビームの照射による手法では、イオン注入の後または電子線やイオンビームを照射した後に、ダイヤモンドに高温アニール処理を行うことにより、ダイヤモンドにNV中心を作製する。
【0004】
近年では下記特許文献1に開示されるように、フェムト秒レーザーを用いてダイヤモンドにNV中心を作製する報告もなされている。フェムト秒レーザーを用いてダイヤモンドにNV中心を作製する方法は簡便であり、そのうえ、X線や放射線の放出という問題や高温アニール処理が不要であるという点において、電子線やイオンビームの照射による他の方法と比較して優れており、さらなる技術的な進歩が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2021-526498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、ダイヤモンド中のNV中心は、室温での安定性や優れたコヒーレンス特性を有しており、磁場以外にも電場、温度、pH等のマルチセンシングにも利用可能なことから注目されている。特にナノサイズのダイヤモンドであるナノダイヤモンド中のNV中心は、優れた空間分解能に加えて生体毒性の低さも兼ね備えているので、例えば細胞内における局所計測などといったライフサイエンス分野での活用が可能であり、生体計測への幅広い応用が期待されている。
【0007】
一方で、フェムト秒レーザーを用いてNV中心を作製する対象として、これまでに報告されているものはダイヤモンド基板に対してのみである。ナノダイヤモンド等のナノサイズのダイヤモンド粒子に対して、フェムト秒レーザーを用いてNV中心を作製することは依然としてなされていない。ダイヤモンドのNV中心による量子センシングの技術をライフサイエンス分野や生体計測へ応用するために、フェムト秒レーザーを用いてダイヤモンド粒子にNV中心を効率良く作製する手法が求められている。
【0008】
本発明は、ダイヤモンド粒子にNV中心を効率良く作製することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、例えば以下に示す態様を含む。
(項1)
ダイヤモンド粒子の懸濁液を撹拌しながら、パルスレーザーのパルス光を前記懸濁液に照射するステップを含む、ダイヤモンド粒子にNV中心を作製する方法。
(項2)
前記懸濁液の分散媒は、前記パルス光の照射により前記ダイヤモンド粒子に発生する熱を吸収する物質である、項1に記載の方法。
(項3)
前記ダイヤモンド粒子に前処理を施すステップをさらに含む、項1に記載の方法。
(項4)
前記ダイヤモンド粒子はナノダイヤモンドの粒子であり、前記パルスレーザーのパルス幅はフェムト秒のオーダーである、項1に記載の方法。
(項5)
前記パルスレーザーのエネルギーは0.5mJ以上であり、照射時間は1時間以上である、項1に記載の方法。
(項6)
ダイヤモンド粒子を準備するステップと、
項1から5のいずれか一項に記載の方法により、前記ダイヤモンド粒子にNV中心を作製するステップと、
を含む、NV中心を有するダイヤモンド粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、ダイヤモンド粒子にNV中心を効率良く作製することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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