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公開番号2025123181
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2025010019
出願日2025-01-23
発明の名称多環芳香族化合物
出願人国立大学法人京都大学,エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07F 5/02 20060101AFI20250815BHJP(有機化学)
要約【課題】有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025123181000172.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">48</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環、Zは=C(-H)等、X1およびX2は>N-RNX(RNXはアリール)、>O、または>Sであり、X1中のRNXはC環またはd環と、X2中のRNXはh環またはI環と、連結基または単結合により結合していてもよく、A環とB環、B環とC環、E環とG環、I環とJ環、およびJ環とK環はそれぞれ単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、式(1)の各元素は、重い安定同位体に置き換えられていてもよい。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2025123181000168.tif
48
170
式(1)中、
A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
A環とB環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
B環とC環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
E環とG環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
I環とJ環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
J環とK環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
Zはそれぞれ独立して、=C(R

)-または=N-であり、R

は水素または置換基であり、


およびX

は、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX


、>Si(-R
IX


、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、X

中のR
NX
、R
CX
およびR
IX
はC環およびd環の少なくとも1つと連結基または単結合により結合していてもよく、X

中のR
NX
、R
CX
およびR
IX
はh環およびI環の少なくとも1つと連結基または単結合により結合していてもよく、
式(1)におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH

-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1)における少なくとも1つの水素は、重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)、少なくとも1つの酸素は、酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)、少なくとも1つの炭素は、炭素-13(
13
C)、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられてもよい。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のベンゾフラン環、または置換もしくは無置換のベンゾチオフェン環であって、前記ベンゾフラン環および前記ベンゾチオフェン環はそれぞれ5員環の環構成原子でホウ素に結合している、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】
A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のベンゼン環である、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】


およびX

が、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、または>Sである、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】
(B-1)~(B-7)の少なくとも1つを満たす、請求項1に記載の多環芳香族化合物:
(B-1)X

が>N-R
NX
であり、X

におけるR
NX
が、単結合または連結基を介してC環またはd環に結合している;
(B-2)X

が>N-R
NX
であり、X

におけるR
NX
が、単結合または連結基を介してI環またはh環に結合している;
(B-3)A環とB環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-4)B環とC環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-5)E環とG環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-6)I環とJ環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-7)J環とK環とが単結合または連結基を介して互いに結合している。
【請求項6】
式(1L)で表される基を部分構造として含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2025123181000169.tif
27
170
式(1L)において、
*は、結合位置を表し、
L環は、置換もしくは無置換のアリール環、または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、

L
は、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアリールチオ、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ、置換もしくは無置換のアリールオキシ、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ、置換のアルキル、炭素数3~24の無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルである。
【請求項7】
下記いずれかの式で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物。
TIFF
2025123181000170.tif
160
170
TIFF
2025123181000171.tif
132
170
【請求項8】
陽極および陰極からなる一対の電極と該一対の電極間に配置される有機層とを有し、前記有機層が請求項1~7のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物を含有する、有機電界発光素子。
【請求項9】
前記有機層が発光層である、請求項8に記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
前記発光層が、ホスト材料と、アシスティングドーパントとしての熱活性型遅延蛍光体またはりん光材料と、エミッティングドーパントとしての前記多環芳香族化合物とを含む、請求項9に記載の有機電界発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色や緑色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1~3では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。この多環芳香族化合物を含有する有機電界発光素子は、良好な外部量子効率を有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2018/212169号
国際公開第2022/034916号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1~3に記載の化合物と同様にホウ素を含む構造を有する化合物として高効率で長寿命の有機EL素子の製造を可能とする新たな多環芳香族化合物を見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1> 式(1)で表される多環芳香族化合物;
TIFF
2025123181000001.tif
48
170
式(1)中、
A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
A環とB環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
B環とC環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
E環とG環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
I環とJ環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
J環とK環とは単結合または連結基を介して互いに結合していてもよく、
Zはそれぞれ独立して、=C(R

)-または=N-であり、R

は水素または置換基であり、


およびX

は、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX


、>Si(-R
IX


、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、X

中のR
NX
、R
CX
およびR
IX
はC環およびd環の少なくとも1つと連結基または単結合により結合していてもよく、X

中のR
NX
、R
CX
およびR
IX
はh環およびI環の少なくとも1つと連結基または単結合により結合していてもよく、
式(1)におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH

-は-O-で置き換えられていてもよく、
式(1)における少なくとも1つの水素は、重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)、少なくとも1つの酸素は、酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)、少なくとも1つの炭素は、炭素-13(
13
C)、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられてもよい。
【0009】
<2> A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環、置換もしくは無置換のベンゾフラン環、または置換もしくは無置換のベンゾチオフェン環であって、前記ベンゾフラン環および前記ベンゾチオフェン環はそれぞれ5員環の環構成原子でホウ素に結合している、<1>に記載の多環芳香族化合物。
<3> A環、B環、C環、E環、G環、I環、J環、およびK環がそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のベンゼン環である、<1>または<2>に記載の多環芳香族化合物。
<4> X

およびX

が、それぞれ独立して>N-R
NX
、>O、または>Sである、<1>~<3>のいずれかに記載の多環芳香族化合物。
【0010】
<5> (B-1)~(B-7)の少なくとも1つを満たす、<1>~<4>のいずれかに記載の多環芳香族化合物:
(B-1)X

が>N-R
NX
であり、X

におけるR
NX
が、単結合または連結基を介してC環またはd環に結合している;
(B-2)X

が>N-R
NX
であり、X

におけるR
NX
が、単結合または連結基を介してI環またはh環に結合している;
(B-3)A環とB環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;、
(B-4)B環とC環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-5)E環とG環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-6)I環とJ環とが単結合または連結基を介して互いに結合している;
(B-7)J環とK環とが単結合または連結基を介して互いに結合している。
<6> 式(1L)で表される基を部分構造として含む、<1>~<5>のいずれかに記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2025123181000002.tif
27
170
式(1L)において、
*は、結合位置を表し、
L環は、置換もしくは無置換のアリール環、または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、

L
は、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアリールチオ、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ、置換もしくは無置換のアリールオキシ、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ、置換のアルキル、炭素数3~24の無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルである。
(【0011】以降は省略されています)

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