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公開番号2025115073
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-06
出願番号2024009411
出願日2024-01-25
発明の名称領域変形装置
出願人株式会社構造計画研究所,国立大学法人京都大学
代理人個人,個人,個人
主分類E04F 10/02 20060101AFI20250730BHJP(建築物)
要約【課題】植物を駆動源として利用した領域変形装置を提供する。
【解決手段】領域変形装置1は、第一樹種の木材(例えばブナ)から構成される活性層11、及び第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材(例えばヒノキ)から構成される受動層13を備え、活性層11の一面11aに受動層13の一面13aが重ねて貼り合わせられた駆動部材10と、活性層の他面11b側と受動層の他面13b側の少なくとも一方に拡がる領域であって、該領域を通過しようとする対象(例えば太陽光)に対して特定の作用(例えば遮光する作用)を及ぼす作用領域21と、を備え、駆動部材10は、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じた活性層11及び受動層13の面外変形により、作用領域21の形状を変化させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第一樹種の木材から構成される活性層、及び前記第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材から構成される受動層を備え、前記活性層の一面に前記受動層の一面が重ねて貼り合わせられた駆動部材と、
前記活性層と前記受動層の少なくとも一方の他面側に拡がる領域であって、該領域を通過しようとする対象に対して特定の作用を及ぼすか又は前記対象から特定の作用を受ける作用領域と、を備え、
前記駆動部材は、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じた前記活性層及び前記受動層の面外変形により、前記作用領域の形状を変化させることを特徴とする領域変形装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記駆動部材は、前記活性層及び前記受動層の面外変形により、前記作用領域を拡大又は縮小させることを特徴とする請求項1に記載の領域変形装置。
【請求項3】
前記作用領域には、前記対象に対して前記特定の作用を及ぼすか又は前記対象から前記特定の作用を受ける作用部材が配置されており、
前記作用部材は前記駆動部材の面外変形に応じて展開し又は縮小することを特徴とする請求項2に記載の領域変形装置。
【請求項4】
前記環境パラメータは温度を含み、
前記駆動部材は、比較的低湿度且つ高温の時に前記作用領域を拡大させ、比較的高湿度且つ低温の時に前記作用領域を縮小させることを特徴とする請求項2又は3に記載の領域変形装置。
【請求項5】
第一樹種の木材から構成される活性層、及び前記第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材から構成される受動層を備え、前記活性層の一面に前記受動層の一面が重ねて貼り合わせられた駆動部材と、
一部位が前記駆動部材によって支持されると共に展開又は縮小可能、且つ対象に対して特定の作用を及ぼすか又は前記対象から特定の作用を受ける作用部材と、
前記作用部材の他部位を支持する固定的支持部材と、を備え、
前記駆動部材は、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じた前記活性層及び前記受動層の面外変形により、前記作用部材を展開し又は縮小させることを特徴とする領域変形装置。
【請求項6】
第一樹種の木材から構成される活性層、及び前記第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材から構成される受動層を備え、前記活性層の一面に前記受動層の一面が重ねて貼り合わせられた駆動部材と、
一部位が前記駆動部材によって支持されると共に展開又は縮小可能、且つ対象に対して特定の作用を及ぼすか又は前記対象から特定の作用を受ける作用部材と、
前記駆動部材を支持する固定的支持部材と、
前記固定的支持部材に対して前記駆動部材を可動に連結する可動連結手段と、を備え、
前記駆動部材は、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じた前記活性層及び前記受動層の面外変形により前記作用部材を展開し又は縮小させ、
前記可動連結手段は、前記駆動部材の面外変形に伴う回転運動に追従するヒンジ手段と、前記駆動部材の面外変形に伴う伸縮運動に追従するスライド手段と、を備えることを特徴とする領域変形装置。
【請求項7】
第一樹種の木材から構成される活性層、及び前記第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材から構成される受動層を備え、前記活性層の一面に前記受動層の一面が重ねて貼り合わせられた第一及び第二駆動部材と、
一部位が前記第一駆動部材によって支持され、他部位が前記第二駆動部材によって支持されると共に展開又は縮小可能、且つ対象に対して特定の作用を及ぼすか又は前記対象から特定の作用を受ける作用部材と、を備え、
前記第一及び第二駆動部材は、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じた前記活性層及び前記受動層の面外変形により、前記作用部材を展開し又は縮小させることを特徴とする領域変形装置。
【請求項8】
第一樹種の木材から構成される活性層、及び前記第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材から構成される受動層を備えると共に、前記活性層の一面に前記受動層の一面が重ねて貼り合わせられた駆動部材を複数個含み、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じて前記各駆動部材が湾曲変形することにより、前記各駆動部材によって囲まれた作用領域を拡大又は縮小させる駆動部と、
前記各駆動部材によって支持されて前記作用領域に配置されると共に、前記作用領域の拡大又は縮小に伴って展開又は縮小可能、且つ対象に対して特定の作用を及ぼすか又は前記対象から特定の作用を受ける作用部材と、
前記駆動部を支持する固定的支持部材と、
前記駆動部を前記固定的支持部材に対して可動に連結する複数の可動連結手段と、を備え、
前記各可動連結手段は、前記各駆動部材の湾曲変形に伴う回転運動に追従するヒンジ手段と、前記各駆動部材の湾曲変形に伴う伸縮運動に追従するスライド手段と、を備えることを特徴とする領域変形装置。
【請求項9】
前記第一樹種の繊維方向と前記第二樹種の繊維方向とが交差することを特徴とする請求項1又は5乃至8の何れか一項に記載の領域変形装置。
【請求項10】
前記活性層は、前記受動層を構成する前記第二樹種の繊維方向に分割された複数の分割片を備えることを特徴とする請求項9に記載の領域変形装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象に対して特定の作用を及ぼすか又は対象から特定の作用を受ける作用領域を変形させる領域変形装置に係り、特に植物を駆動源として利用することにより、環境パラメータの変化に応じて作用領域を変形させる領域変形装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
植物は動物と異なり、自ら移動することはできない。そのため、植物は、光、相対湿度、重力などの外部刺激に対して特別な反応を示すことで、自身の置かれた環境に適応する。このような植物の環境応答性に着目し、植物を駆動源として利用した遮光装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、板面の傾斜角度が変化するように軸支部により回転可能に支持された遮光板と、遮光板の角度を変化させる駆動源とを備えた遮光装置が記載されている。
遮光板は、傾斜した(又は横臥した)姿勢を取るときに太陽光を遮断し、起立した姿勢を取る時に太陽光を通過させる。
【0004】
駆動源は、収縮特性と膨潤特性が異なる2枚の木材を貼り合わせた構成を有する。一方の木材は、相対湿度の変化に応じて長さが大きく変化する活性層であり、他方の木材は、相対湿度の変化に対して長さの変動が少ない受動層である。活性層と受動層は、互いの繊維が直交するように組み合わせられる。駆動源は、相対湿度が比較的低いときに湾曲した姿勢を取り、相対湿度が比較的高いときに湾曲していない姿勢を取る。
駆動源は、湾曲したときには遮光板を押圧して傾斜した姿勢に変位させ、湾曲していないときには遮光板を押圧せずに起立した姿勢に変位させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2018/033422A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、遮光板の駆動源に電気を用いないため環境負荷の低減に成功している。しかし、植物を駆動源として利用した装置としては、更なる改良の余地がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、植物を駆動源として利用した装置であって、対象に対して特定の作用を及ぼすか又は対象から特定の作用を受ける作用領域を変形させる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、第一樹種の木材から構成される活性層、及び前記第一樹種よりも膨潤率が低い第二樹種の木材から構成される受動層を備え、前記活性層の一面に前記受動層の一面が重ねて貼り合わせられた駆動部材と、前記活性層と前記受動層の少なくとも一方の他面側に拡がる領域であって、該領域を通過しようとする対象に対して特定の作用を及ぼすか又は前記対象から特定の作用を受ける作用領域と、を備え、前記駆動部材は、少なくとも相対湿度を含む環境パラメータの変化に応じた前記活性層及び前記受動層の面外変形により、前記作用領域の形状を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、植物を駆動源として利用した新規な領域変形装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(a)(b)は、領域変形装置の概略構成、及び領域変形装置が変形させる領域の概念を説明する模式図である。
駆動部材を示す図であり、(a)は分解斜視図であり、(b)は伸長した状態を示す斜視図であり、(c)は湾曲した状態を示す斜視図である。
(a)~(d)は、領域変形装置の構成例を示す平面図である。
(a)(b)は、遮光装置として機能する領域変形装置のモジュールの一例を示す平面図である。
複数のモジュールを組み合わせて構成された領域変形装置を示す平面図である。
(a)~(c)は、複数のモジュールを含んで構成された領域変形装置の例を示す斜視図である。
各樹種を、木材の密度と含水率1%あたりの膨潤率とに基づいてプロットしたグラフを示す図である。
バイレイヤーの曲率算出式を説明する図である。
予備試験における経過時間毎の試料の曲率変化を写真で示す図である。
予備試験の結果をグラフで示す図であり、(a)は経過時間と曲率との関係を示し、(b)は相対湿度と曲率との関係を示す図である。
試作品試験で再現した気象モデルを説明する図であり、(a)は気象モデル作成の基礎とした気象データをグラフで示す図であり、(b)は調湿チャンバー内に再現した気象モデルをグラフで示す図である。
試作品A(ネットあり)の変化を写真で示す図である。
試作品B(ネットなし)の変化を写真で示す図である。
試作品A、Bの曲率の推移をグラフで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
(【0011】以降は省略されています)

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