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公開番号2025097763
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2023214137
出願日2023-12-19
発明の名称循環流水式屋根融雪装置
出願人個人
代理人
主分類E04H 9/16 20060101AFI20250624BHJP(建築物)
要約【課題】屋根上の雪を、既設建屋に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪する。
【解決手段】屋根瓦の上面あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の上面に塗布した撥水塗料によって降雪を谷部へ集め、谷部に貼付した断熱シートの上面に水を流すことによって谷部の雪を融雪し、融雪した後の水を貯水槽に回収し、貯水槽に回収した水を必要に応じて必要最低限に加温して循環使用することにより、既設建屋に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
断熱素材製の貯水槽と、揚水ポンプと、散水配管と、撥水塗料が表面に塗布された瓦屋根あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根によって構成され、貯水槽は運転開始時の貯水量を規定水位とするための水道水供給口と、水位の上昇下降を容易にするための空気抜き穴と、融雪後の水を上流側の雨樋から引き込む雨水配管と、貯水槽の規定水位を超えた水を下流側の雨水排水路へ流出させる排水配管と、水温検知センサーを具備し、揚水ポンプは貯水槽の上部に設置され、貯水槽から取水した水を屋根最上部へ届ける断熱配管と吐出する水を加温するヒーターを具備し、散水配管は断熱配管から供給された水を瓦屋根の各列最上段の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根の各列最上部の各谷部に散水するための散水ノズルを持つことにより、撥水塗料の働きによって屋根瓦の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の各谷部に集められた降雪を、谷部を流下する水によって融雪し、融雪後の水を雨樋と雨水配管を経由して貯水槽へ回収し、融雪によって増量した水を下流側の雨水排水路へ流出させ、融雪後の水を回収した後の貯水槽内の水温が設定値以上であれば循環使用して水道水の消費量を抑制するとともに、流下する水が大気および屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材と接触する面積を小さくすることによって失熱量を減少させて、循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーを少なくすることを特徴とする循環流水式屋根融雪装置。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記屋根瓦の谷部あるいは前記V字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の各谷部の上面に断熱シートが貼付されていることを特徴とする請求項1の循環流水式屋根融雪装置。
【請求項3】
貯水槽の下部に貯水槽内を貫通する貫通配管を設け、貫通配管の上流側に雨水配管を接続し、貫通配管の下流側に排水配管を接続し、貫通配管の貯水槽内通過部位に開孔を設け、排水配管が貯水槽の規定水位と同じ高さまで立ち上がってから下流側の雨水排水路へ繋がっている構造とすることにより、揚水ポンプが運転開始した後の貯水槽内の水位が規定水位まで回復した後は、その水位を一定に保ちながら、貯水槽内へ流入する融雪後の水の量を揚水ポンプによる吐出量と同量にし、貯水槽内の水が融雪後の水と熱交換することによる失熱量を減少させて、循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーを少なくすることを特徴とする請求項1の循環流水式屋根融雪装置。
【請求項4】
揚水ポンプの下流側にヒーターを設け、貯水槽内に設けた熱交換用タンクに貯水槽内の水温よりも高温の雑排水を給水することにより、貯水槽内の水と雑排水の水温差を大きくし、雑排水から貯水槽内の水への熱移動量を大きくして、貯水槽に蓄える熱エネルギー量を増加させることを特徴とする請求項1の循環流水式屋根融雪装置。
【請求項5】
揚水ポンプ稼働中の貯水槽内の水温を水温検知センサーによって継続して監視し、貯水槽の水温変化に基づいて揚水ポンプの吐出量とヒーターによる加温量をフィードバック制御して、揚水ポンプの消費電力の抑制と循環使用する水の加温に必要な熱エネルギーの抑制を行うことを特徴とする請求項1の循環流水式屋根融雪装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の瓦屋根あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪する循環流水式屋根融雪装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
降雪量の多い地域では建物の倒壊防止や落雪による事故の防止を目的として雪下ろし作業を行う必要があるが、屋根に上がって行う雪下ろし作業は作業者が屋根から転落する危険性があり、また、屋根から下した雪の捨て場所までの運搬に多大な労力が必要となるので、高齢世帯や独居世帯にとっては危険かつ身体的負担の大きな作業であり、既設建屋に追加施工が可能で導入コスト及びランニングコストが安価な屋根融雪装置が望まれる。
現有の屋根融雪装置には散水方式、電気ヒーター方式、温水方式がある。
【0003】
散水方式は地下水またはボイラーで加熱した温水を屋根の表面全体に散水する方式であり、融雪した後の水の全量を雨水排水路へ流出させる場合には多量の水が必要となる。地下水使用の場合には運転コストは比較的安価であるが、井戸の掘削に多大なコストが必要であり、地下水の大量使用による地盤沈下を招く場合があるのと、冬季渇水によって必要時に使用できない場合がある。また、地下水または水道水を加温して循環使用する場合には、散水する水が大気および屋根面と触れ合うことによる失熱量が大きいので、加温に必要なガス料金あるいは電気料金の高額化を招く。
【0004】
そして、電気ヒーター方式は金属屋根材あるいは屋根瓦の表面に絶縁被覆で覆われた電熱線を熱伝達率の高い金属製テープで貼り付け、電熱線に通電して屋根上の雪を融かす方式であり、設置後のメンテナンスは殆ど必要ないが、屋根全体に電熱線を張り巡らす必要があるので導入コストが大きく工期も長い。そして、屋根全体を温めるので必要な熱量が大きく、大気への失熱量も大きいので電気料金が高額となる。
【0005】
また、温水方式はガスまたは灯油を燃料として、ボイラーによって加熱された不凍液を屋根内部あるいは屋根表面に張り巡らせたパイプ内を循環させることによって屋根上の雪を融かす方式であり、屋根内部にパイプを張り巡らせる場合には家の外観が変わらないというメリットがあるが、屋根の葺き替えが必要なので導入コストが大きく工期も長い。そして、屋根全体を温めるので結露が生じることと、屋根全体を温めるために必要な熱量が大きく、大気への失熱量も大きいので運転コストが高い。一方、屋根表面にパイプを張り巡らせる場合には屋根の葺き替えが必要ないので導入コストが小さく工期も短いが、屋根全体を温めるために必要な熱量が大きく、大気への失熱量も大きいので燃料代が高額となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009―228316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、屋根上の雪を既設建屋に追加施工が可能な簡便な装置で、低ランニングコストで融雪することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、屋根瓦あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の表面に塗布した撥水塗料によって降雪を屋根瓦の谷部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の各谷部へ集めることと、谷部の上面を最上部から雨樋まで流す水によって、各谷部に集めた雪を融雪し、融雪した後の水を貯水槽に回収し、貯水槽から汲み上げた水を融雪に必要な熱量分だけ加温して、循環使用することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の循環流水式屋根融雪装置は、地下水あるいは加温した水道水を屋根の表面全体に散水して融雪後の水を雨水排水路へ流出させる散水方式とは異なり、貯水槽に回収した融雪後の水を必要な熱量分だけ加温して循環使用するので、使用する水量が極めて少なく、地下水の枯渇の怖れがなく、使用する水道水の量は僅少であり、雨水排水路への無駄な熱量の流出がなく、循環使用に必要とされる熱量を融雪に必要な熱量に抑制できる。
【0010】
また、本発明の循環流水式屋根融雪装置は、地下水あるいは水道水を屋根の表面全体に散水し、加温して循環使用する散水方式とは異なり、撥水塗料の働きによって屋根瓦の山部あるいはV字型断面を持つ縦ハゼ葺き金属製折板屋根材の山部から滑雪して各谷部に集まった雪を、谷部に貼付した断熱シートの上面を流れる流水によって融雪するので、流水が大気や屋根瓦あるいは金属製折板屋根材と直接接触する面積が極めて小さく、大気への失熱量も屋根瓦や金属製折板屋根材への熱伝導による失熱量も極めて少ないので、貯水槽に回収した水を循環使用するための加温に必要な熱量を小さくできる。
(【0011】以降は省略されています)

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