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公開番号2025135387
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024033205
出願日2024-03-05
発明の名称フルオロリン酸イオンを分離する方法
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C02F 1/469 20230101AFI20250910BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】その後の処理に用いる薬剤及び熱の低減化を達成する、温和な条件でフルオロリン酸イオンを分離する方法を提供する。
【解決手段】(1)フルオロリン酸イオンを含有する溶液に対して、陰イオン交換膜を用いた電気透析を行う工程を備える、前記フルオロリン酸イオンを分離する方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(1)フルオロリン酸イオンを含有する溶液に対して、陰イオン交換膜を用いた電気透析を行う工程
を備える、前記フルオロリン酸イオンを分離する方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記工程(1)が、前記陰イオン交換膜による電気透析によって、脱塩室内の前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液中に含まれる前記フルオロリン酸イオンを濃縮室内の溶液に移動させて分離する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液が、さらに、アルカリ金属イオンを含有し、且つ、
前記工程(1)において、さらに、陽イオン交換膜を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記工程(1)が、前記陰イオン交換膜による電気透析によって、脱塩室内の前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液中に含まれる前記フルオロリン酸イオンを第1の濃縮室内の溶液に移動させて分離しつつ、前記陽イオン交換膜による電気透析によって、脱塩室内の前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液中に含まれる前記アルカリ金属イオンを第2の濃縮室内の溶液に移動させて分離する工程である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液中に含まれる前記フルオロリン酸イオンの濃度が、0.1~500mmol/Lである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(1)を、0~80℃で行う、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記電気透析における電流密度が、1~200mA/cm

である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液のpHが0~13である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記フルオロリン酸イオンが、PF


、PO


2-
及びPO




よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロリン酸イオンを分離する方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
昨今、各種の環境規制物質の処理方法はある程度確立されている。なかでも、リン、フッ素、ホウ素等は排水規制が厳しく、例えばリンは0.5mmol/L未満、フッ素は0.4mmol/L未満まで低減することが求められているため、リン化合物、フッ素化合物等の無害化のための処理が行われている。
【0003】
リン化合物は、リン酸排水の工業処理を、塩化第二鉄、水酸化カルシウム等によって、リン酸塩として固体沈殿を形成する方法が知られている。
【0004】
フッ素化合物は、塩化カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩によって、フッ化カルシウムの固体沈殿を形成する方法等が知られている。
【0005】
リン化合物やフッ素化合物の製造業以外にも、リチウムイオン二次電池等の各種電池には電解質としてLiPF

に代表される、リン及びフッ素の双方を含むフルオロリン酸イオンを有するフルオロリン酸化合物が含まれていることが多く、リチウムイオン二次電池をはじめとする各種二次電池の失活処理を水中で破砕する方式である湿式法で行う際には、フルオロリン酸イオンを含有する廃液が排出される。
【0006】
フルオロリン酸イオンは水中での安定性が高いため、通常、強酸を添加したり、高温で加熱したりして分解させた後に、フッ素及びリンを固定化するという多段階の方法が採用されている(例えば、特許文献1~4参照)。そのため、フルオロリン酸イオンを含む廃水が多量である場合には、pH調整や沈殿形成等に多量の薬剤や熱が必要となり、経済的ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2013/054875号
特開平06-170380号公報
特開平08-010775号公報
特開2000-229280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、フルオロリン酸イオンを分離する方法を提供することで、その後の処理に用いる薬剤及び熱の低減化を達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、フルオロリン酸イオンを含有する溶液に対して、陰イオン交換膜を用いた電気透析を行うことにより、フルオロリン酸イオンを陰イオン交換膜に通すことで、フルオロリン酸イオンを分離することができることを見出した。この際、陽イオン交換膜も使用して電気透析を行う場合には、アルカリ金属イオンを陽イオン交換膜に通すことで、アルカリ金属イオンも分離することができることも見出した。これらの知見に基づいて、本発明者らは、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の態様を包含する。
【0010】
項1.(1)フルオロリン酸イオンを含有する溶液に対して、陰イオン交換膜を用いた電気透析を行う工程
を備える、前記フルオロリン酸イオンを分離する方法。
(【0011】以降は省略されています)

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