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公開番号
2025087542
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2023202279
出願日
2023-11-29
発明の名称
肝疾患の検出方法
出願人
個人
,
国立大学法人京都大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/497 20060101AFI20250603BHJP(測定;試験)
要約
【課題】非侵襲的、かつ簡便に、肝疾患の検出を行う新規方法を提供することを目的とする。また、新規な肝疾患の治療薬のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】呼気ガス中の揮発性酸化脂質を指標とした肝疾患の検出を補助する方法、および肝疾患の治療薬のスクリーニング方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質を検出する工程、を含み、
前記被験者から収集された呼気ガス中に揮発性酸化脂質が存在する場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、肝疾患の検出を補助する方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
(i)被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する工程、および
(ii)前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量と、健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量とを比較する工程を含み、
前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量が、前記健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量よりも多い場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、肝疾患の検出を補助する方法。
【請求項3】
前記揮発性酸化脂質が、1-オクテン-3-オールおよび2-ペンタノンからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎および肝硬変からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記揮発性酸化脂質を検出する工程の前に、さらに、(i’)被験者から呼気ガスを収集する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(i)の前に、さらに、(i’)被験者から呼気ガスを収集する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質を検出する検出部、および
前記検出結果に基づき、前記被験者から収集された呼気ガス中に揮発性酸化脂質が存在する場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、判定部、
を備える、肝疾患の検出を補助するシステム。
【請求項8】
被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する測定部、および
前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量と、健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量とを比較し、前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量が、前記健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量よりも多い場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、判定部、
を備える、肝疾患の検出を補助するシステム。
【請求項9】
前記揮発性酸化脂質が、1-オクテン-3-オールおよび2-ペンタノンからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎および肝硬変からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項7または8に記載のシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝疾患の検出を補助する方法に関する。本発明はまた、肝疾患の検出を補助するシステムに関する。さらに、本発明は、肝疾患の治療薬のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
疾患の診断や重症度判定、薬剤効果判定としては、現在、採血、尿検査、画像解析等が主体であり、呼気ガスを用いた判定方法は一般に行われていない。
【0003】
呼気ガスを用いた判定方法としては、ピロリ菌の除菌成功を呼気ガスのアンモニア濃度で判定する医療機器を用いた方法が知られている。また、例えば特許文献1には、呼気中の2から20個の炭素原子を有するn-アルカンに着目し、人間を含む哺乳類において疾患の有無又は前記哺乳類の加齢を判定する方法が記載されている。しかし、排泄される呼気中の化合物に関して、臨床的に有用な疾患マーカーを提供できるような情報は、特許文献1を含めて、ほとんど報告されていない。
【0004】
ところで、消化器疾患に分類される脂肪肝には、アルコール性のものと、非アルコール性のものとがあり、後者は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ばれている。その中で、重症化しない単純性脂肪肝と、肝硬変(LC)や肝がんに進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)があり、両者の鑑別は予後の把握、治療戦略の検討の際に重要である。しかし、現在の医療では、肝生検が唯一の診断方法で、侵襲的であるために広く実施することが難しく、実臨床では十分に評価できていない。また、このために未診断のNAFLDがC型肝炎や肝硬変に進行し、治療が難しくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2002-534697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、非侵襲的、かつ簡便に、肝疾患の検出を行う新規方法を提供することを目的とする。本発明はまた、新規な肝疾患の治療薬のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、呼気ガス中の揮発性酸化脂質(例えば、1-octen-3-ol(1-オクテン-3-オール)、2-pentanone(2-ペンタノン))を指標とすることにより、肝疾患の判定が可能となることを見出した。また、本発明者らは、呼気ガス中の揮発性酸化脂質(例えば、Toluene/benzaldehyde(トルエン/ベンズアルデヒド))を指標として、肝疾患の治療薬のスクリーニングが可能となることを見出した。以上の知見を基に、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の一態様は、以下に関する。
〔1〕被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質を検出する工程、を含み、前記被験者から収集された呼気ガス中に揮発性酸化脂質が存在する場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、肝疾患の検出を補助する方法。
〔2〕(i)被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する工程、および
(ii)前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量と、健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量とを比較する工程を含み、
前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量が、前記健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量よりも多い場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、肝疾患の検出を補助する方法。
〔3〕前記揮発性酸化脂質が、1-octen-3-ol(1-オクテン-3-オール)および2-pentanone(2-ペンタノン)からなる群より選択される少なくとも一つである、〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肝硬変からなる群より選択される少なくとも一つである、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の方法。
〔5〕前記揮発性酸化脂質を検出する工程の前に、さらに、(i’)被験者から呼気ガスを収集する工程を含む、〔1〕に記載の方法。
〔6〕前記工程(i)の前に、さらに、(i’)被験者から呼気ガスを収集する工程を含む、〔2〕に記載の方法。
〔7〕被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質を検出する検出部、および
前記検出結果に基づき、前記被験者から収集された呼気ガス中に揮発性酸化脂質が存在する場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、判定部、
を備える、肝疾患の検出を補助するシステム。
〔8〕被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する測定部、および
前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量と、健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量とを比較し、前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量が、前記健常者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量よりも多い場合に、前記被験者が肝疾患を患うと判定する、判定部、
を備える、肝疾患の検出を補助するシステム。
〔9〕前記揮発性酸化脂質が、1-octen-3-ol(1-オクテン-3-オール)および2-pentanone(2-ペンタノン)からなる群より選択される少なくとも一つである、〔7〕または〔8〕に記載のシステム。
〔10〕前記肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肝硬変からなる群より選択される少なくとも一つである、〔7〕~〔9〕のいずれか一つに記載のシステム。
〔11〕被験者から呼気ガスを収集する収集部をさらに備える、〔7〕~〔10〕のいずれか一つに記載のシステム。
〔12〕肝疾患を患う非ヒト動物から第1の呼気ガスを収集し、該第1の呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する工程、
前記非ヒト動物に試験物質を投与する工程、
前記試験物質を投与した非ヒト動物から第2の呼気ガスを収集し、該第2の呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する工程、および
前記第1の呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量と前記第2の呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量とを比較する工程、を含み、
前記第2の呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量が、前記第1の呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量よりも減少した場合に、前記試験物質は肝疾患の治療薬の候補であるとする、肝疾患の治療薬のスクリーニング方法。
〔13〕前記揮発性酸化脂質が、Toluene/benzaldehyde(トルエン/ベンズアルデヒド)、1-octen-3-ol(1-オクテン-3-オール)、および2-pentanone(2-ペンタノン)からなる群より選択される少なくとも一つである、〔12〕に記載の方法。
〔14〕前記肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肝硬変からなる群より選択される少なくとも一つである、〔12〕または〔13〕に記載の方法。
〔15〕(i)被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する工程、および
(iii)前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量に基づき、前記被験者を肝疾患の重症度のステージに応じて分類する工程を含む、肝疾患の重症度の判定を補助する方法。
〔16〕前記工程(iii)において、前記被験者を非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎および肝硬変のいずれかに分類する、〔15〕に記載の方法。
〔17〕(i)被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量を測定する工程、および
(iv)前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量と、肝疾患を患う対象から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量とを比較する工程を含み、
前記被験者から収集された呼気ガス中の揮発性酸化脂質の量が相対的に多い場合に、病態の初期段階であると判定し、揮発性酸化脂質の量が相対的に少ない場合に、病態の後期段階であると判定する、肝疾患の重症度の判定を補助する方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、呼気ガス中の揮発性酸化脂質に基づき、非侵襲的、かつ簡便に、肝疾患の検出が可能となる。また、本発明によれば、肝疾患の治療薬のスクリーニング方法を提供できる。したがって、本発明は、肝疾患の検出および治療において、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、各種多価不飽和脂肪酸の酸化時に検出された揮発性酸化脂質の一覧を示す図である。
図2(A)は、HepG2細胞に、RSL-3を処理後、気相中に放出された揮発性酸化脂質量を示す図である。コントロール細胞のMS強度と1として比率を算出している。図2(B)は、HepG2細胞に、Staurosporine(STS)を用いてアポトーシスを誘導した際に気相中へ放出される1-オクテン-3-オール量を示す図である。n=3、平均+SD、
***
p<0.001 vs (-)
###
p<0.001 vs RSL+Lip-1。
図3は、NASHモデルマウス呼気ガス中1-オクテン-3-オール量の解析結果を示す図である。n=5、平均+SD、
**
p<0.005。
図4(A)は、NASHモデルマウスの肝臓における揮発性酸化脂質の解析結果を示す図である。図4(B)は、NASHモデルマウスの肝臓以外の臓器における揮発性酸化脂質の解析結果を示す図である。n=5、平均+SD。
図5は、非アルコール性脂肪性肝疾患から肝硬変に至る各ステージと、呼気ガス中の1-オクテン-3-オール量および2-ペンタノン量との関連を示す図である。Cont:n=19、NAFLD:n=6、NASH:n=9、LC:n=2。
図6は、トルエン/ベンズアルデヒドを指標とした、肝疾患治療薬の効果の判定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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