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公開番号
2025130228
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-08
出願番号
2024027253
出願日
2024-02-27
発明の名称
2次元フォトニック結晶レーザ
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人京都国際特許事務所
主分類
H01S
5/11 20210101AFI20250901BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】注入する電流を増加させることなく、出射するレーザビームの拡がり角をより小さくすることができる2次元フォトニック結晶レーザを提供する。
【解決手段】2次元フォトニック結晶レーザ(10)は、 電流が注入されることにより所定周波数を含む光を発する材料から成る領域である複数の発光領域(111)及び該複数の発光領域(111)を包含するように設けられ該所定周波数の光に関して透明な材料から成る透明領域(112)とを有する発光層(11)と、前記発光層(11)に平行に設けられた板状の母材(121)及び該母材内に前記所定周波数の光を増幅する周期長で周期的に配置された該母材(121)とは屈折率が異なる異屈折率部(122)とを有する2次元フォトニック結晶層(12)と、前記発光層(11)及び前記2次元フォトニック結晶層(12)を挟むように設けられた、前記複数の発光領域に電流を注入する電極(171, 172)とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
a) 電流が注入されることにより所定周波数を含む光を発する材料から成る領域である複数の発光領域と、該複数の発光領域を包含するように設けられ該所定周波数の光に関して透明な材料から成る透明領域とを有する発光層と、
b) 前記発光層に平行に設けられた板状の母材と、該母材内に前記所定周波数の光を増幅する周期長で周期的に配置された該母材とは屈折率が異なる異屈折率部とを有する2次元フォトニック結晶層と、
c) 前記発光層及び前記2次元フォトニック結晶層を挟むように設けられた、前記複数の発光領域に電流を注入する電極と
を備えることを特徴とする2次元フォトニック結晶レーザ。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
前記透明領域の材料が、前記発光領域の材料よりも電気抵抗率が高い材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
【請求項3】
前記複数の発光領域の各々における該発光領域と最近接の発光領域との距離が、前記2次元フォトニック結晶層における前記所定周波数の光の伝搬長よりも短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
【請求項4】
前記複数の発光領域の各々における該発光領域と最近接の発光領域との距離が、前記2次元フォトニック結晶層におけるエルミート結合係数の実部R及び虚部I、並びに非エルミート結合係数の大きさμを用いて計算される値|I|
-1
|R/μ|
1/2
よりも短いことを特徴とする請求項3に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
【請求項5】
前記発光層の前記発光領域と前記2次元フォトニック結晶層の該発光領域に対応する発光対応領域を合わせたものにおける平均屈折率及び該発光対応領域内の周期長により定まる共振周波数と、前記発光層の前記透明領域と前記2次元フォトニック結晶層の前記発光対応領域の外側の領域を合わせたものにおける平均屈折率及び該発光対応領域の外側の領域での周期長により定まる共振周波数が一致していることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
【請求項6】
前記複数の発光領域が2次元アレイ状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
【請求項7】
前記複数の発光領域が1次元アレイ状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元フォトニック結晶を用いて光を増幅する2次元フォトニック結晶レーザ(「2次元フォトニック結晶面発光レーザ」ともいう)に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体レーザは一般に、それ自体では10°以上の拡がり角を持つレーザビームを出射することから、拡がり角を小さくするために光学系と組み合わせて用いられる。自動運転車等において障害物の検知及び測距を行うLiDAR(Light Detection And Ranging)と呼ばれるセンシング技術で用いるレーザでは、レーザビームの拡がり角を非常に小さく(例えば0.05°未満に)することが求められるため、高精度の光学系が必要となる。そのため、高度な技術を要し、コストが高くなる。同様の問題は、衛星間光通信で用いるレーザ等においても生じる。
【0003】
それに対して近年、従来の半導体レーザよりも拡がり角を小さくすることができるレーザとして、2次元フォトニック結晶レーザ(特許文献1参照)が実用化されつつある。2次元フォトニック結晶レーザは、発光層である活性層と、板状の母材にそれとは屈折率が異なる異屈折率部が周期的に配置された2次元フォトニック結晶層と、それら両層を厚さ方向に挟むように設けられた、活性層に電流を注入する電極とを有する。異屈折率部は、典型的には母材に形成された空孔から成る。2次元フォトニック結晶面発光レーザでは、活性層に電流が注入されることによって所定の周波数帯の光が生じ、そのうちの、前記周期の長さに対応した特定の周波数(該特定の周波数を有する光の2次元フォトニック結晶層内における波長)の光のみが2次元フォトニック結晶層の周期構造によって増幅されてレーザ発振する。これにより生成されたレーザビームは、2次元フォトニック結晶層に垂直な方向に出射する。
【0004】
面発光レーザでは一般に、フレネル回折により、光が増幅される領域(光増幅領域)が広くなるほどレーザビームの拡がり角が小さくなる。従来の2次元フォトニック結晶レーザでは、光増幅領域を広くすべく、2次元フォトニック結晶層内には、活性層において電極から電流が注入される領域(電流注入領域)よりも広い範囲に亘って異屈折率部が配置されている。しかし、2次元フォトニック結晶層で増幅される光は該層から厚さ方向にも拡がるため、活性層のうち電流注入領域よりも外側の領域(非電流注入領域)に吸収されてしまう(なお、電流注入領域では電流の注入によって電子のエネルギーが励起されるため、光の吸収(による電子のエネルギー励起)は生じない)。そのため、実際には、異屈折率部を電流注入領域よりも広い範囲に亘って配置しても、活性層の電流注入領域と2次元フォトニック結晶層の光増幅領域が略一致し、光増幅領域を電流注入領域よりも拡げることはできない。一方、電流注入領域を広くすると、光増幅領域を広くすることはできるものの、注入する電流を増加させなければならない。
【0005】
非特許文献1に記載の2次元フォトニック結晶レーザでは、活性層のうち非電流注入領域に不純物を拡散させている。これにより、2次元フォトニック結晶層で増幅される光が非電流注入領域に吸収されることが防止されるため、非電流注入領域に不純物を拡散させない従来の2次元フォトニック結晶レーザよりも光増幅領域を広くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開WO2022/181722号
【非特許文献】
【0007】
Chia-Jui Chang 他3名、"Design of low-threshold photonic-crystal surface-emitting lasers with confined gain regions by using selective area intermixing"、Discover Nano、Springer Nature社発行、(英国、ドイツ)、第18巻、論文番号134、2023年10月30日発行
Takuya Inoue 他7名、"General recipe to realize photonic-crystal surfaceemitting lasers with 100-W-to-1-kW single-mode operation"、Nature Communications、Springer Nature社発行、(英国、ドイツ)、第13巻、論文番号3262、2022年7月4日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
2次元フォトニック結晶層内では、2次元フォトニック結晶層内の或る位置に導入された前記所定周波数を有する光は、異屈折率部で反射して伝搬方向が90°又は180°変化することを繰り返すことにより、面内方向では該位置から或る程度の範囲内に留まって増幅される。そのため、非特許文献1に記載の2次元フォトニック結晶レーザでは、2次元フォトニック結晶層の光増幅領域は、活性層の電流注入領域及び非電流注入領域の全体に対応する領域に拡がるのではなく、電流注入領域から或る程度拡がった範囲に対応する領域内に留まる。そのため、光増幅領域を十分に広くすることができず、拡がり角を十分に小さくすることができない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、注入する電流を増加させることなく、出射するレーザビームの拡がり角をより小さくすることができる2次元フォトニック結晶レーザを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザは、
a) 電流が注入されることにより所定周波数を含む光を発する材料から成る領域である複数の発光領域と、該複数の発光領域を包含するように設けられ該所定周波数の光に関して透明な材料から成る透明領域とを有する発光層と、
b) 前記発光層に平行に設けられた板状の母材と、該母材内に前記所定周波数の光を増幅する周期長で周期的に配置された該母材とは屈折率が異なる異屈折率部とを有する2次元フォトニック結晶層と、
c) 前記発光層及び前記2次元フォトニック結晶層を挟むように設けられた、前記複数の発光領域に電流を注入する電極と
を備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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