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公開番号2025149785
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024128718
出願日2024-08-05
発明の名称測定装置および測定方法
出願人スミダ電機株式会社,国立大学法人京都大学
代理人個人
主分類G01R 33/20 20060101AFI20251001BHJP(測定;試験)
要約【課題】 より高い感度が得られる測定装置および測定方法を得る。
【解決手段】 高周波磁場発生器は、被測定交流場に対応して電子スピン量子状態が変化するとともにマイクロ波で電子スピン量子操作の可能な磁気共鳴部材に対してマイクロ波を印加する。高周波電源は、高周波磁場発生器にマイクロ波を発生させる。発光装置は、磁気共鳴部材に照射すべき励起光を出射する。測定制御部は、高周波電源および発光装置を制御して所定の測定シーケンスでマイクロ波および励起光を磁気共鳴部材に印加する。特に、測定制御部は、ハーンエコーパルスシーケンスまたはダイナミックデカップリングに基づくマイクロ波のパルスシーケンスを磁気共鳴部材に印加する。その際、上述のマイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数(1/fLOCK)が被測定交流場の周期(1/fAC)とは異なる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
被測定交流場に対応して電子スピン量子状態が変化するとともにマイクロ波で電子スピン量子操作の可能な磁気共鳴部材と、
前記マイクロ波で前記磁気共鳴部材の電子スピン量子操作を行う高周波磁場発生器と、
前記高周波磁場発生器に前記マイクロ波を発生させる高周波電源と、
前記磁気共鳴部材に照射すべき励起光を出射する発光装置と、
前記磁気共鳴部材により前記励起光に対応して発せられる蛍光を受光し前記蛍光の強度に対応する検出信号を生成する受光装置と、
前記高周波電源および前記発光装置を制御して所定の測定シーケンスで前記マイクロ波および前記励起光を前記磁気共鳴部材に印加する測定制御部と、
前記検出信号に基づいて測定値を導出する測定処理部とを備え、
前記測定制御部は、ハーンエコーパルスシーケンスまたはダイナミックデカップリングに基づく前記マイクロ波のパルスシーケンスを前記磁気共鳴部材に印加し、
前記マイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が前記被測定交流場の周期とは異なること、
を特徴とする測定装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
被測定交流場に対応して電子スピン量子状態が変化するとともにマイクロ波で電子スピン量子操作の可能な磁気共鳴部材に対して、所定の測定シーケンスに従って、前記マイクロ波で前記磁気共鳴部材の電子スピン量子操作を行うとともに、前記磁気共鳴部材に照射すべき励起光を出射し、
前記磁気共鳴部材により前記励起光に対応して発せられる蛍光を受光し前記蛍光の強度に対応する検出信号を生成し、
前記検出信号に基づいて測定値を導出し、
前記測定シーケンスにおいて、ハーンエコーパルスシーケンスまたはダイナミックデカップリングに基づく前記マイクロ波のパルスシーケンスを前記磁気共鳴部材に印加し、
前記マイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が前記被測定交流場の周期とは異なること、
を特徴とする測定方法。
【請求項3】
前記被測定交流場の磁束密度に対する前記検出信号の強度の微分の最大値が、前記マイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が前記被測定交流場の周期に一致するときより大きくなるように、前記スピンロック周波数の逆数および前記被測定交流場の周期が設定されていることを特徴とする請求項2記載の測定方法。
【請求項4】
前記測定シーケンスにおいて、ハーンエコーパルスシーケンスに基づく前記マイクロ波のパルスシーケンスを前記磁気共鳴部材に印加し、
前記マイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が、前記被測定交流場の周期より短いこと、
を特徴とする請求項2または請求項3記載の測定方法。
【請求項5】
前記測定シーケンスにおいて、ダイナミックデカップリングに基づく前記マイクロ波のパルスシーケンスを前記磁気共鳴部材に印加し、
前記マイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が、前記被測定交流場の周期より長いこと、
を特徴とする請求項2または請求項3記載の測定方法。
【請求項6】
アンダーサンプリング条件のサンプリング周波数で前記検出信号のサンプリングを行い、
サンプリングされた前記検出信号に基づいて測定値を導出し、
前記検出信号に対して、所定の測定帯域以外の帯域を減衰させるフィルター処理を行い、
前記測定帯域は、前記スピンロック周波数に対応し、
前記スピンロック周波数は、前記測定帯域が、0から前記サンプリング周波数の2分の1までの範囲に対応し、かつ前記被測定交流場の磁束密度に対する前記検出信号の強度の微分の最大値となるピーク周波数を含む帯域となるように設定されること、
を特徴とする請求項2または請求項3記載の測定方法。
【請求項7】
アンダーサンプリング条件のサンプリング周波数で前記検出信号のサンプリングを行い、
サンプリングされた前記検出信号に基づいて測定値を導出し、
前記検出信号に対して、所定の測定帯域以外の帯域を減衰させるフィルター処理を行い、
前記測定帯域は、前記スピンロック周波数に対応し、
前記スピンロック周波数は、前記測定帯域が、前記サンプリング周波数の2分の1から前記サンプリング周波数までの範囲に対応し、かつ前記被測定交流場の磁束密度に対する前記検出信号の強度の微分の最大値となるピーク周波数を含む帯域となるように設定されること、
を特徴とする請求項2または請求項3記載の測定方法。
【請求項8】
前記高周波電源および前記発光装置を制御して第1の測定シーケンスで前記マイクロ波および前記励起光を前記磁気共鳴部材に印加するとともに、第2の測定シーケンスで前記マイクロ波および前記励起光を前記磁気共鳴部材に印加し、
前記第2の測定シーケンスの前記マイクロ波の最終パルスの位相が、前記第1の測定シーケンスの前記マイクロ波の最終パルスの位相に対して反転しており、
前記第1の測定シーケンスの前記検出信号に基づいて第1検出値を導出するとともに前記第2の測定シーケンスの前記検出信号に基づいて第2検出値を導出し、
前記第1検出値と前記第2検出値との差分を前記測定値として導出すること、
を特徴とする請求項2または請求項3記載の測定方法。
【請求項9】
アンダーサンプリング条件のサンプリング周波数で前記検出信号のサンプリングを行い、
サンプリングされた前記検出信号に基づいて測定値を導出し、
前記検出信号に対して、所定の測定帯域以外の帯域を減衰させるフィルター処理を行い、
前記サンプリング周波数は、前記測定帯域内に、または前記測定帯域に隣接して、前記被測定交流場の磁束密度に対する前記検出信号の強度の微分の最大値についての最大ピーク周波数が位置するように設定されること、
を特徴とする請求項8記載の測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置および測定方法に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ある磁場測定装置は、窒素と格子欠陥(NVセンター:Nitrogen Vacancy Center)を有するダイヤモンド構造などといったセンシング部材の電子スピン共鳴を利用した光検出磁気共鳴(ODMR:Optically Detected Magnetic Resonance)で磁気計測を行っている。ODMRでは、このようなNVセンターを有するダイヤモンドといった磁気共鳴部材に対して、被測定磁場とは別に静磁場が印加されるとともに、所定のシーケンスでレーザー光(初期化および測定のための励起光)並びにマイクロ波が印加され、その磁気共鳴部材から出射する蛍光の光量が検出されその光量に基づいて被測定磁場の磁束密度が導出される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
例えば、被測定磁場が交流磁場である場合、ハーンエコー(スピンエコー)パルスシーケンスが使用される。ハーンエコーパルスシーケンスでは、(a)励起光をNVセンターに照射し、(b)マイクロ波の第1のπ/2パルスを被測定磁場の位相0度でNVセンターに印加し、(c)マイクロ波のπパルスを被測定磁場の位相180度でNVセンターに印加し、(d)マイクロ波の第2のπ/2パルスを被測定磁場の位相360度でNVセンターに印加し、(e)励起光をNVセンターに照射してNVセンターの発光量を測定し、(f)測定した発光量に基づいて磁束密度を導出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-138772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、被測定磁場が交流磁場である場合、一般的に、ハーンエコー(スピンエコー)パルスシーケンスやダイナミックデカップリングなどが使用される。これらの手法では、NVセンターのスピンをπパルスで反転させることで、磁場の作用が蓄積される位相量が大きくして、感度を高めている。しかしながら、より高い感度が得られるようにすることが望まれている。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされてものであり、より高い感度が得られる測定装置および測定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る測定装置は、被測定交流場に対応して電子スピン量子状態が変化するとともにマイクロ波で電子スピン量子操作の可能な磁気共鳴部材と、そのマイクロ波で磁気共鳴部材の電子スピン量子操作を行う高周波磁場発生器と、高周波磁場発生器にマイクロ波を発生させる高周波電源と、磁気共鳴部材に照射すべき励起光を出射する発光装置と、磁気共鳴部材により励起光に対応して発せられる蛍光を受光し蛍光の強度に対応する検出信号を生成する受光装置と、高周波電源および発光装置を制御して所定の測定シーケンスでマイクロ波および励起光を磁気共鳴部材に印加する測定制御部と、その検出信号に基づいて測定値を導出する測定処理部とを備える。測定制御部は、ハーンエコーパルスシーケンスまたはダイナミックデカップリングに基づくマイクロ波のパルスシーケンスを磁気共鳴部材に印加する。そして、上述のマイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が被測定交流場の周期とは異なる。
【0008】
本発明に係る測定方法は、(a)被測定交流場に対応して電子スピン量子状態が変化するとともにマイクロ波で電子スピン量子操作の可能な磁気共鳴部材に対して、所定の測定シーケンスに従って、そのマイクロ波で磁気共鳴部材の電子スピン量子操作を行うとともに、磁気共鳴部材に照射すべき励起光を出射し、(b)磁気共鳴部材により励起光に対応して発せられる蛍光を受光し蛍光の強度に対応する検出信号を生成し、(c)その検出信号に基づいて測定値を導出する。測定シーケンスにおいて、ハーンエコーパルスシーケンスまたはダイナミックデカップリングに基づくマイクロ波のパルスシーケンスを磁気共鳴部材に印加する。そして、上述のマイクロ波のパルスシーケンスのスピンロック周波数の逆数が被測定交流場の周期とは異なる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より高い感度が得られる測定装置および測定方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係る測定装置の構成を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1における測定シーケンスの一例を示す図である。
図3は、スピンロック周波数f
LOCK
および被測定交流場の周波数f
AC
と、検出信号の強度Sおよび被測定交流場の磁束密度Bに対する検出信号の強度Sの微分(dS/dB)の最大値max|dS/dB|との関係を説明する図である。
図4は、被測定交流場の周波数f
AC
および位相ずれに対する検出信号強度S(相対値)の分布について説明する図である。
図5は、実施の形態1における被測定交流場の周波数f
AC
に対する傾き最大値max|dS/dB|について説明する図である。
図6は、実施の形態2における検出信号のサンプリングについて説明する図である。
図7は、実施の形態2において可観測帯域に現れる検出信号について説明する図である。
図8は、フィルター処理で、サンプリング周波数fsの2分の1(fs/2)からサンプリング周波数fsまでの範囲に対応する帯域を減衰させる場合について説明する図である。
図9は、フィルター処理で、0からサンプリング周波数の2分の1(fs/2)までの範囲に対応する帯域を減衰させる場合について説明する図である。
図10は、実施の形態3における測定シーケンス(ダイナミックデカップリング)について説明する図である。
図11は、実施の形態3における被測定交流場の周波数f
AC
に対する傾き最大値max|dS/dB|について説明する図である。
図12は、実施の形態4における測定シーケンスの一例を示す図である。
図13は、実施の形態4における被測定交流場の周波数f
AC
に対応する感度について説明する図である。
図14は、実施の形態4における第1検出値、第2検出値、および測定値について説明する図である。
図15は、実施の形態4における被測定交流場の周波数f
AC
に対する傾き最大値max|dS/dB|について説明する図である(1/2)。
図16は、実施の形態4における被測定交流場の周波数f
AC
に対する傾き最大値max|dS/dB|について説明する図である(2/2)。
図17は、実施の形態5における被測定交流場の周波数f
AC
に対する傾き最大値max|dS/dB|について説明する図である(1/2)。
図18は、実施の形態5における被測定交流場の周波数f
AC
に対する傾き最大値max|dS/dB|について説明する図である(2/2)。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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