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公開番号2025152209
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024053998
出願日2024-03-28
発明の名称リサイクル正極活物質の製造方法
出願人住友化学株式会社,国立大学法人京都大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20251002BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高温の二酸化炭素による正極活物質の劣化を抑制することができるリサイクル正極活物質の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記工程を含むリサイクル正極活物質の製造方法。
(1)正極活物質及び炭素含有材料を含む正極合材と、1種又は2種以上のアルカリ金属化合物を含有する活性化処理剤と、を混合して混合物を得る工程
(2)混合物を、高温領域と高温領域よりも温度が低い低温領域とを有し、且つ高温領域における二酸化炭素濃度が低温領域における二酸化炭素濃度よりも低い加熱空間内で加熱して加熱後の混合物を得る工程
(3)前記加熱後の混合物から加熱後の正極活物質を回収する工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程を含むリサイクル正極活物質の製造方法。
(1)正極活物質及び炭素含有材料を含む正極合材と、1種又は2種以上のアルカリ金属化合物を含有する活性化処理剤と、を混合して混合物を得る工程
(2)前記混合物を、高温領域と前記高温領域よりも温度が低い低温領域とを有し、且つ前記高温領域における二酸化炭素濃度が前記低温領域における二酸化炭素濃度よりも低い加熱空間内で加熱して加熱後の混合物を得る工程
(3)前記加熱後の混合物から加熱後の正極活物質を回収する工程
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記加熱空間が連続炉である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記工程(2)において、前記加熱空間内の前記高温領域から前記低温領域に向かって送気を行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記工程(2)において、前記加熱空間内で前記送気されるガス中の二酸化炭素濃度と、前記加熱空間内から排気されるガス中の二酸化炭素濃度とを比較したときに、前記加熱空間内から排気されるガスの方が二酸化炭素濃度が高い、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記工程(2)の前記高温領域において二酸化炭素の分離又は除去を行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記工程(2)において前記混合物を前記活性化処理剤の溶融開始温度以上の温度に加熱する、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記工程(2)において前記混合物を前記活性化処理剤の溶融開始温度未満の温度に加熱する、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記正極活物質がリチウム化合物を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記正極活物質が、下記元素群1から選択される少なくとも1種の元素と、下記元素群2から選択される少なくとも1種の元素とを含有する複合酸化物を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
元素群1:Ni、Co、Mn、Fe、Al、及びP
元素群2:Li、Na、K、Ca、Sr、Ba、及びMg
【請求項10】
前記活性化処理剤が、カリウム化合物及びナトリウム化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル正極活物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
電池の正極活物質にはコバルト、ニッケル、マンガン、リチウムなどの希少金属成分が含有されており、特に非水電解質二次電池の正極活物質には、上記の希少金属成分を主成分とする化合物が利用されている。希少金属成分の資源を保全するために、二次電池の電池廃材から、希少金属成分を再生産する方法が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、正極合材とアルカリ金属化合物を含有する活性化処理剤とを混合し、混合物を加熱してバインダーを分解し、水などにより分解物や活性化処理剤を除去して正極活物質を回収する方法が開示されている。この方法では、有機溶剤を使用せずに、電池廃材から正極活物質を直接回収する点でコスト的に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-186150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
正極合材中の正極活物質をリサイクルする際に、正極合材と活性化処理剤とを混合した後、得られる混合物を加熱する。混合物を加熱すると、混合物中の炭素含有材料(例えば、正極合材に含有される結着剤)が燃焼され、二酸化炭素が発生する。そして、発生した二酸化炭素も加熱炉にて加熱されることにより高温となるが、高温の二酸化炭素が混合物中の正極活物質と接触すると正極活物質の劣化を引き起こすおそれがあることがわかった。
【0006】
そこで、本発明は、高温の二酸化炭素による正極活物質の劣化を抑制することができるリサイクル正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、以下の[1]~[10]を含む。
[1] 下記工程を含むリサイクル正極活物質の製造方法。
(1)正極活物質及び炭素含有材料を含む正極合材と、1種又は2種以上のアルカリ金属化合物を含有する活性化処理剤と、を混合して混合物を得る工程
(2)前記混合物を、高温領域と前記高温領域よりも温度が低い低温領域とを有し、且つ前記高温領域における二酸化炭素濃度が前記低温領域における二酸化炭素濃度よりも低い加熱空間内で加熱して加熱後の混合物を得る工程
(3)前記加熱後の混合物から加熱後の正極活物質を回収する工程
[2] 前記加熱空間が連続炉である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記工程(2)において、前記加熱空間内の前記高温領域から前記低温領域に向かって送気を行う、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記工程(2)において、前記加熱空間内で前記送気されるガス中の二酸化炭素濃度と、前記加熱空間内から排気されるガス中の二酸化炭素濃度とを比較したときに、前記加熱空間内から排気されるガスの方が二酸化炭素濃度が高い、[3]に記載の製造方法。
[5] 前記工程(2)の前記高温領域において二酸化炭素の分離又は除去を行う、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6] 前記工程(2)において前記混合物を前記活性化処理剤の溶融開始温度以上の温度に加熱する、[1]~[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7] 前記工程(2)において前記混合物を前記活性化処理剤の溶融開始温度未満の温度に加熱する、[1]~[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
[8] 前記正極活物質がリチウム化合物を含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9] 前記正極活物質が、下記元素群1から選択される少なくとも1種の元素と、下記元素群2から選択される少なくとも1種の元素とを含有する複合酸化物を含む、[1]~[8]のいずれか一つに記載の製造方法。
元素群1:Ni、Co、Mn、Fe、Al、及びP
元素群2:Li、Na、K、Ca、Sr、Ba、及びMg
[10] 前記活性化処理剤が、カリウム化合物及びナトリウム化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、[1]~[9]のいずれか一つに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高温の二酸化炭素による正極活物質の劣化を抑制することができるリサイクル正極活物質の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(リサイクル正極活物質の製造方法)
以下、リサイクルに係る正極活物質の製造方法について説明する。
【0010】
本発明の一実施形態に係るリサイクル正極活物質の製造方法は、下記工程を含む。
工程(1):正極活物質及び炭素含有材料を含む正極合材と、1種又は2種以上のアルカリ金属化合物を含有する活性化処理剤と、を混合して混合物を得る工程
工程(2):混合物を、高温領域と高温領域よりも温度が低い低温領域とを有し、且つ高温領域における二酸化炭素濃度が低温領域における二酸化炭素濃度よりも低い加熱空間内で加熱して加熱後の混合物を得る工程
工程(3):加熱後の混合物から加熱後の正極活物質を回収する工程
(【0011】以降は省略されています)

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