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公開番号
2025092183
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-19
出願番号
2023207903
出願日
2023-12-08
発明の名称
有機鉛化合物の除去方法および有機ケイ素化合物の製造方法
出願人
株式会社トクヤマ
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C07F
7/18 20060101AFI20250612BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機鉛化合物を除去することができる新たな有機鉛化合物除去方法、及び該方法を利用した有機ケイ素化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】有機鉛化合物を含む液体から有機鉛化合物を除去する有機鉛化合物除去方法であって、前記液体中にハロゲン化水素を含有させ、前記有機鉛化合物と前記ハロゲン化水素とを反応させる処理工程を含む、有機鉛化合物除去方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
有機鉛化合物を含む液体から有機鉛化合物を除去する有機鉛除去方法であって、
前記液体中にハロゲン化水素を含有させ、前記有機鉛化合物と前記ハロゲン化水素とを反応させる処理工程を含む、有機鉛化合物除去方法。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
前記処理工程において、前記液体中でハロゲン含有化合物を反応させることによりハロゲン化水素を生成する処理、および前記液体とハロゲン化水素とを混合する処理から選択される1以上の処理により、前記液体中にハロゲン化水素を含有させる、請求項1に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項3】
前記ハロゲン化水素を含有させた後の前記液体の体積に対する前記ハロゲン化水素の合計mol量が、0.01mol/L以上、5.0mol/L以下である、請求項1又は2に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項4】
前記処理工程中および該処理工程後の少なくともいずれかにおいて、前記液体に含まれる鉛成分を除去する精製工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項5】
前記処理工程の後、前記液体に紫外線を照射する照射工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項6】
前記処理工程が、グリニャール反応を行う反応処理を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項7】
少なくとも前記反応処理を経てアルコキシ化有機ケイ素化合物を合成する合成処理を含む、請求項6に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項8】
前記反応処理の後、酸を含む水性溶液と前記有機ケイ素化合物含有液とを混合することにより、前記有機ケイ素化合物含有液を有機相と水相とに分液する分液処理を含む、請求項6又は7に記載の有機鉛化合物除去方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法により有機鉛化合物を除去する工程を含む、有機ケイ素化合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機鉛化合物の除去方法および有機ケイ素化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
重金属は人体に影響を及ぼし、体内に過剰に取り込まれると健康被害を引き起こすことが知られている。特に重金属の一種である鉛は、体内に蓄積されやすく排出されにくいため、中毒症状を引き起こしやすい。
鉛は様々な製品に含まれ得るが、例えば、有機合成に用いる原料中にも不純物として含まれることがある。このような原料中に鉛が含まれる場合、有機合成の過程で鉛と有機化合物が反応し、有機鉛化合物が生成する。有機鉛化合物は、有機溶剤に溶解し易く水性溶剤に溶解しにくいため有機化合物の合成等においては分液等の処理での除去が難しく、また、鉛自体(鉛イオンを含む。)や無機鉛化合物と比較して分子サイズが大きくなりやすいため、ろ過や吸着等の処理での除去が難しいという問題があった。
有機鉛化合物を除去する方法としては、例えば、特許文献1には、有機鉛化合物を含む液体に紫外線照射することにより有機鉛化合物を除去する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/230280号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体中の有機鉛化合物を除去する方法について、紫外線照射のような液体外部からの処理に注目した検討は行われてきたものの、液体中の成分に注目した検討は十分には行われておらず、検討の余地は残されていた。
そこで本発明は、有機鉛化合物を除去することができる新たな有機鉛化合物除去方法、及び該方法を利用した有機ケイ素化合物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、有機鉛化合物を含む溶液に特定の物質を含有させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
項1 有機鉛化合物を含む液体から有機鉛化合物を除去する有機鉛除去方法であって、
前記液体中にハロゲン化水素を含有させ、前記有機鉛化合物と前記ハロゲン化水素とを反応させる処理工程を含む、有機鉛化合物除去方法。
項2 前記処理工程において、前記液体中でハロゲン含有化合物を反応させることによりハロゲン化水素を生成する処理、および前記液体とハロゲン化水素とを混合する処理から選択される1以上の処理により、前記液体中にハロゲン化水素を含有させる、項1に記載の有機鉛化合物除去方法。
項3 前記ハロゲン化水素を含有させた後の前記液体の体積に対する前記ハロゲン化水素の合計mol量が、0.01mol/L以上、5.0mol/L以下である、項1又は2に記載の有機鉛化合物除去方法。
項4 前記処理工程中および該処理工程後の少なくともいずれかにおいて、前記液体に含まれる鉛成分を除去する精製工程を含む、項1~3のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法。
項5 前記処理工程の後、前記液体に紫外線を照射する照射工程を含む、項1~4のいず
れか1項に記載の有機鉛化合物除去方法。
項6 前記処理工程が、グリニャール反応を行う反応処理を含む、項1~5のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法。
項7 少なくとも前記反応処理を経てアルコキシ化有機ケイ素化合物を合成する合成処理を含む、項6に記載の有機鉛化合物除去方法。
項8 前記反応処理の後、酸を含む水性溶液と前記有機ケイ素化合物含有液とを混合することにより、前記有機ケイ素化合物含有液を有機相と水相とに分液する分液処理を含む、項6又は7に記載の有機鉛化合物除去方法。
項9 項1~8のいずれか1項に記載の有機鉛化合物除去方法により有機鉛化合物を除去する工程を含む、有機ケイ素化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、有機鉛化合物を除去することができる新たな有機鉛化合物除去方法、及び該方法を利用した有機ケイ素化合物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「A~B」は、A以上B以下であることを意味する。さらに、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
また、本明細書において「A又はB」の表現は、「A及びBからなる群から選択される少なくとも1つ」と読み替えてもよい。
また、本明細書における「Aの量に対するBの量」の表現は、「Bの量/Aの量」を表す。
また、本明細書では複数の実施形態を説明するが、適用できる範囲で各実施形態における種々の条件を互いに適用し得る。
【0009】
<有機鉛化合物除去方法>
本発明の一実施形態に係る有機鉛化合物除去方法(以下、単に「有機鉛化合物除去方法」とも称する。)は、有機鉛化合物を含む液体から有機鉛化合物を除去する有機鉛除去方法であって、前記液体中にハロゲン化水素を含有させ、前記有機鉛化合物と前記ハロゲン化水素とを反応させる処理工程を含む、有機鉛化合物除去方法である。
上記の有機鉛化合物除去方法は、上記の処理工程以外の工程を含んでいてもよい。
また、本発明における有機鉛化合物の除去とは、有機鉛化合物を含む液体中の有機鉛化合物の含有割合が減少することを意味し、有機鉛化合物が液体外に排出されて有機鉛化合物の含有割合が減少することだけでなく、有機鉛化合物中の鉛と炭素の結合が切断されて有機鉛化合物の含有割合が減少することも含まれる。なお、本明細書においては、鉛及び鉛を含む化合物を総称して「鉛成分」と称する。鉛成分には、有機鉛化合物中の鉛と炭素の結合が切断された後の鉛を含む化合物等も含まれる。
【0010】
上述したように、有機鉛化合物は、有機溶剤に溶解し易く水性溶剤に溶解しにくいため有機化合物の合成等においては分液等の処理での除去が難しく、また、鉛自体(鉛イオンを含む。)や無機鉛化合物と比較して分子サイズが大きくなりやすいため、ろ過や吸着等の処理での除去が難しいという問題があった。
本発明者は鋭意検討を行った結果、有機鉛化合物とハロゲン化水素とが反応すると、有機鉛化合物中の鉛と炭素の結合が切断されることを見出した。
そして、本発明者らは、有機鉛化合物を除去する方法として上記の実施形態に係る方法
を発明した。この方法で有機鉛化合物から分解して生成された鉛成分は、精製処理等により容易に除去することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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