TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025126945
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024023334
出願日2024-02-20
発明の名称ツバキ科ツバキ属の若葉からのエラグ酸製造方法
出願人株式会社 MTG
代理人
主分類C07D 493/06 20060101AFI20250825BHJP(有機化学)
要約【課題】従前のように複雑な工程を経る又は/及び高価な原料を使用することなく、エラグ酸を簡易に且つ短時間で製造する方法を提供する。
【解決手段】ツバキ科ツバキ属、特にヤブツバキの若葉を、水及び極性溶媒のうち1種または2種以上含有した溶媒を用いて抽出し、次いでその抽出液にアルカリを添加して前記抽出液をアルカリ性にした後、抽出液の温度を50℃以上にして一定時間処理することによって、短時間で簡易にエラグ酸を製造することができる。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
ツバキ科ツバキ属の若葉からエラグ酸を製造する方法であって、
ツバキ科ツバキ属の若葉を水又は極性の高い有機溶媒から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を用いる抽出工程と、
抽出液にアルカリを添加して抽出液の温度を50℃以上にするアルカリ処理の工程
を有する製造方法。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
アルカリ処理の工程時のpHが7~11である請求項1記載のエラグ酸の製造方法。
【請求項3】
アルカリが炭酸水素塩又は炭酸塩である請求項1又は2記載のエラグ酸の製造方法。
【請求項4】
アルカリ処理の時間が1時間以上である請求項1記載のエラグ酸の製造方法。
【請求項5】
アルカリ処理の工程時のpHが7~11である請求項4記載のエラグ酸の製造方法。
【請求項6】
アルカリが炭酸水素塩又は炭酸塩である請求項4又は5記載のエラグ酸の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載された方法で製造されたエラグ酸を含有した製剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ツバキ科ツバキ属の若葉よりエラグ酸を得るための製造方法である。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
エラグ酸は、自然界では植物体中に広く分布しているポリフェノール化合物の一種である。エラグ酸は、ザクロ、イチゴ、ラズベリー、クランベリー、ブラックベリー、クルミ、ユーカリ、タラ、などのなかに多く含まれており、特にブラックベリーに多く含まれていることが知られている。
【0003】
エラグ酸は、血液凝固作用、美白作用、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用及び脂肪燃焼作用などを有することが知られている。このような作用から、エラグ酸は機能性食品としてダイエット作用や血流改善作用の成分としても利用されている。このようにエラグ酸は化粧品をはじめ、機能性表示食品を含む食品等の分野で広く利用され得る有用な物質である。また、抗酸化作用も有していることから抗酸化剤としても使用されている。
【0004】
従来、エラグ酸は、エラジタンニンの加水分解、酸化により製造されている。しかし、その原料であるタンニンの抽出効率が低いことが知られている。一方、没食子酸エステルの酸化カップリング及びそれに続く酸処理によりエラグ酸を合成できることは、非常に古くから知られている(特許文献1)。また、グァバ葉抽出物を用いたエラグ酸の製造方法も開示されている。ただし、この製造方法は100℃以上の高温での加熱処理を必要とし、特殊な装置が必要であることを鑑みると、簡易にエラグ酸を製造することができるとは言い難い(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-205993号
特開2015-033375号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したエラジタンニンは、高価で大量に入手することが困難なゲンノショウコなどの薬用植物に含まれることが多く、エラジタンニンからエラグ酸を工業的に大量に製造することは困難であった。また、没食子酸からエラグ酸を製造する方法は、タンニン類を原料としていったん没食子酸を生成する工程、この工程で得られた没食子酸からエラグ酸を生成する工程を経なければならず、生産工程において複数の工程を経る必要があり、非常に煩雑であった。このような背景から、簡易にそして効率よくエラグ酸を得られる方法が求められてきた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる状況に鑑み鋭意検討した結果、ツバキ科ツバキ属の若葉を水及び極性溶媒のうち1種または2種以上含有した溶媒を用いて抽出し、次いでアルカリを添加して前記抽出液をアルカリ性にして更に高温にして処理するアルカリ処理をすることによって、短時間でエラグ酸含有抽出物を製造することができることを見出した。更に、このようにして得られたエラグ酸の純度を高めるために、アルカリ処理した抽出物を中性乃至酸性にすることにより析出した固形物を、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性の水溶液等で再溶解し、この溶解液に酸を添加して、再度酸性条件にして沈殿物を得ることにより、高純度のエラグ酸を得られることができることを見出した。
【0008】
具体的は以下の通りである。
(1) ツバキ科ツバキ属の若葉からエラグ酸を製造する方法であって、 ツバキ科ツバキ属の若葉を水又は極性の高い有機溶媒から選ばれる1種又は2種以上の溶媒を用いる抽出工程と、 抽出液にアルカリを添加して抽出液の温度を50℃以上にするアルカリ処理の工程を有する製造方法。
(2) アルカリ処理の工程時のpHが7~11である(1)に記載のエラグ酸の製造方法。
(3) アルカリが炭酸水素塩又は炭酸塩である(1)又は(2)に記載のエラグ酸の製造方法。
(4) アルカリ処理の時間が1時間以上である(1)に記載のエラグ酸の製造方法。
(5) アルカリ処理の工程時のpHが7~11である(4)に記載のエラグ酸の製造方法。
(6) アルカリが炭酸水素塩又は炭酸塩である(4)又は(5)に記載のエラグ酸の製造方法。
(7) (1)に記載された方法で製造されたエラグ酸を含有した製剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明はツバキ科ツバキ属の若葉を用いて水又は/及び極性の高い有機溶媒を用いて抽出後、アルカリ処理することにより、エラグ酸を簡易に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に使用されるツバキ科ツバキ属(Camellia)は、具体的にはヤブツバキ、ヒメサザンカ、ユキツバキ、サザンカ、チャノキ、ユカリツバキ、シマサザンカ、タイワンヤマチャ、シラハトツバキ、グランサムツバキ、ホンコンツバキ、ヒマラヤツバキ、テマリツバキ、ユチャ、カイナンチャ、キンカチャ、ピタールツバキ、トウツバキ、ヤナギバサザンカ、サルウィンツバキ、タイワンヒメサザンカ、テリバヒメサザンカ及びウラクなどが挙げられる。この中でも好ましくはヤブツバキ(Camellia japonica)又はユキツバキ等に代表されるヤブツバキ(Camellia japonica)の亜種であり、更に好ましくはヤブツバキ(Camellia japonica)である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社 MTG
1か月前
株式会社 MTG
ヘアドライヤ
5日前
株式会社 MTG
電気刺激装置
21日前
株式会社 MTG
気泡発生装置
21日前
株式会社 MTG
電気刺激装置
21日前
株式会社 MTG
流体供給装置
21日前
株式会社 MTG
腹筋運動器具
1か月前
株式会社 MTG
ヘアドライヤ
5日前
株式会社 MTG
シャワーヘッド
1か月前
株式会社 MTG
シャワーヘッド
1か月前
株式会社ヴィス
ワークデザインプラットフォーム
2か月前
株式会社 MTG
課金方法、および、課金システム
21日前
東京電力ホールディングス株式会社
半導体装置
2か月前
株式会社 MTG
ツバキ科ツバキ属の若葉からのエラグ酸製造方法
2日前
株式会社 MTG
噴霧液
1か月前
株式会社 MTG
電気刺激フィットネスウェア
27日前
株式会社ALGO ARTIS
情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、クラウド、又は方法
1か月前
株式会社ALGO ARTIS
情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、クラウド、又は方法
1か月前
ミネベアミツミ株式会社
モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法
21日前
株式会社ALGO ARTIS
情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、クラウド、又は方法
1か月前
株式会社トクヤマ
四塩化炭素の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
炭素-窒素結合形成方法
1か月前
株式会社トクヤマ
シロキサン類の回収方法
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物
21日前
株式会社トクヤマ
ビオチン誘導体の製造方法
1か月前
日産化学株式会社
ピリジン化合物の製造方法
3か月前
株式会社トクヤマ
ベンザゼピン化合物の製造方法
26日前
株式会社トクヤマ
ホルムアミド化合物の製造方法
15日前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
27日前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
28日前
東ソー株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
7日前
日本特殊陶業株式会社
メタン製造装置
2か月前
信越化学工業株式会社
新規化合物
1か月前
金剛化学株式会社
ボルチオキセチンの製造方法
3か月前
四国化成工業株式会社
エポキシ化合物およびその利用
3か月前
artience株式会社
四塩基酸無水物の製造方法
2か月前
続きを見る