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公開番号
2025083072
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-30
出願番号
2023196744
出願日
2023-11-20
発明の名称
ボルチオキセチンの製造方法
出願人
金剛化学株式会社
代理人
個人
主分類
C07D
295/096 20060101AFI20250523BHJP(有機化学)
要約
【課題】 高品質なボルチオキセチンを効率的に製造する方法を提供することを目的とする。具体的には、不純物VOR-PPの生成量が少なく、かつ反応が速いボルチオキセチンの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、2,4-ジメチルベンゼンチオール、及びピペラジンを、溶媒中で、塩基、パラジウム試薬、及びtol-BINAPもしくはxyl-BINAPの存在下、反応温度60℃~120℃で反応させる工程を含む、ボルチオキセチンの製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)
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2025083072000021.jpg
63
63
で示されるボルチオキセチンを製造する方法であって、下記式(2)
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2025083072000022.jpg
42
34
で示される1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、下記式(3)
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2025083072000023.jpg
45
40
で示される2,4-ジメチルベンゼンチオール、及び下記式(4)
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2025083072000024.jpg
45
29
で示されるピペラジンを、溶媒中、塩基、パラジウム試薬、及び下記式(5)
JPEG
2025083072000025.jpg
51
97
で示される2,2’-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(tol-BINAP)存在の下、反応温度60℃~120℃で反応させる工程を含む方法。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
溶媒が、トルエンである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基が、ナトリウムtert-ブトキシドである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パラジウム試薬が、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、またはトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
溶媒が、トルエン、塩基が、ナトリウムtert-ブトキシド、かつパラジウム試薬が、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、またはトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
2,4-ジメチルベンゼンチオールに対し、1-ブロモ-2-ヨードベンゼン0.9~1.1当量とピペラジン5~8当量を、トルエン中で、ナトリウムtert-ブトキシド3~6当量、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.05~0.2mol%、及びtol-BINAP0.1~0.8mol%の下で、反応温度85℃~105℃で反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ボルチオキセチンを製造する方法であって、
1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、2,4-ジメチルベンゼンチオール、及びピペラジンを溶媒中、塩基、パラジウム試薬、及び下記式(6)
JPEG
2025083072000026.jpg
49
88
で示される2,2’-ビス(ジ-3,5-キシリルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(xyl-BINAP)存在の下、反応温度60℃~120℃で反応させる工程を含む方法。
【請求項8】
溶媒がトルエンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
塩基がナトリウムtert-ブトキシドである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
パラジウム試薬が、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、またはトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムである、請求項7に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつ症状治療に有用なボルチオキセチンの工業的製造法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
下記式(1)
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2025083072000001.jpg
63
63
で示されるボルチオキセチンは、セロトニン再取り込み阻害作用及びセロトニン受容体調節作用を持つ抗うつ薬であり(非特許文献1)、これに関連した製造方法が報告されている。
【0003】
例えば、特許文献1において、1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、2,4-ジメチルベンゼンチオール及びピペラジンを溶媒中、塩基、及びパラジウム触媒(パラジウム試薬とホスフィン配位子である(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチレン(以降、「rac-BINAP」と称す))の存在下で反応させるボルチオキセチンの製造方法が報告されている。この方法は、1-ブロモ-2-ヨードベンゼンと2,4-ジメチルベンゼンチオールを縮合して1-(2-ブロモフェニルスルファニル)-2,4-ジメチルベンゼン(以降、「ブロモ中間体」と称す)(7)へ変換する第一反応と、ブロモ中間体とピペラジンを縮合しボルチオキセチンへ変換する第二反応とからなる。
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2025083072000002.jpg
63
163
【0004】
rac-BINAPを用いると、第一反応及び第二反応のいずれの反応に対しても促進効果を有するため、第一反応が完了した後にブロモ中間体を単離することなく、連続して第二反応の原料であるピペラジンを追加して反応させる、いわゆるワンポット反応が可能である。さらに興味深いことに、第一反応の反応速度は第二反応の反応速度よりも速いため、第二反応の原料であるピペラジンを予め添加して反応させても、ボルチオキセチンを主生成物として与える。このため、この方法はボルチオキセチンの工業的製造法としての利用が期待できる。
【0005】
一方、医薬品中に含まれる不純物を低減することは、患者保護において非常に重要である。特許文献1に記載されているrac-BINAPを用いる方法は多くの不純物を副生し、特にボルチオキセチンから除去が困難な下記式(8)
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2025083072000003.jpg
75
82
で示される1-[2-(2,4-ジメチルフェニルチオ)フェニル]-4-[2-(1-ピペラジニル)フェニル]ピペラジン(以降、「VOR-PP」と称す)を多く副生するという欠点がある。そのため特許文献2において、このVOR-PPをボルチオキセチン中から除去するためには、得られたボルチオキセチンを臭化水素酸塩として単離し、ボルチオキセチン臭化水素酸塩イソプロパノール和物に変換し、再びボルチオキセチン臭化水素酸塩へ戻す操作が必要であると記載されている。ボルチオキセチンは臭化水素酸塩として製剤化されるため、溶媒和物として精製するこの方法は一見、合理的である。しかし、イソプロパノールと臭化水素酸を混合加熱するこの方法では、変異原性や生殖毒性を有すると報告されている2-ブロモプロパンが副生するため、医薬品の製造方法としては好ましくない。
【0006】
VOR-PPについて、例えば、特許文献2の実施例7には以下の記載がある。すなわち、1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、2,4-ジメチルベンゼンチオール及びピペラジンをトルエン溶媒下、ナトリウムtert-ブトキシドと0.4mol%のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムおよび0.8mol%のrac-BINAP存在下で反応するとき、反応は5時間で完了するが、一般的な後処理を実施して得た生成物は、VOR-PPを0.64%含むと記載されている。また、特許文献3の実施例4には、1-ブロモ-2-ヨードベンゼン、2,4-ジメチルベンゼンチオール及びピペラジンを、トルエン溶媒下、ナトリウムtert-ブトキシドと0.4mol%のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムおよび0.8mol%のrac-BINAP存在下で反応するとき、反応は6時間で完了するが、一般的な後処理を実施して得た生成物は、VOR-PPを1.1%含むと記載されている。rac-BINAPを配位子として用いるパラジウム触媒存在下で反応させる方法では、VOR-PPは0.5~4.8%生成すると、特許文献3(段落番号0008)にて総評されている。
【0007】
VOR-PPの生成を回避したボルチオキセチンの製造方法が特許文献3に記載されている。これは、2-ブロモベンゼンチオール、2,4-ジメチルヨードベンゼン及びピペラジンを溶媒中、塩基、パラジウム試薬、およびrac-BINAP存在下、ワンポットで反応させる方法であり、特許文献1に記載された方法と比較して不純物の副生が少なく、特にVOR-PPを副生しないため、特許文献2に記載されたボルチオキセチンをイソプロパノール溶媒和物へ変換する煩わしい精製操作は不要と記載されている。
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2025083072000004.jpg
59
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【0008】
本発明者らは、特許文献3で報告された方法の有用性を確かめるために、同文献の実施例1の再現実験を実施した。確かに反応ではVOR-PPは副生せず、高収率でボルチオキセチンを得ることができた。しかし、一般的な後処理を実施して得た生成物には、下記式(9)
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2025083072000005.jpg
42
63
で示される1-(2,4-ジメチルフェニル)ピペラジンが0.6%含まれていた。反応において1-(2,4-ジメチルフェニル)ピペラジンは0.7%副生しており、一般的な後処理では除去が困難であった。このため、特許文献3に報告されている方法で得られる生成物を医薬品として利用するためには、さらなる精製工程が必要となる。
【0009】
このような背景から、ボルチオキセチン製造法のさらなる改良が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第5763609号公報
特許第5738774号公報
特許第6018644号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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