TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025125602
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-28
出願番号
2024021616
出願日
2024-02-16
発明の名称
有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体
出願人
JNC株式会社
代理人
主分類
C07F
7/21 20060101AFI20250821BHJP(有機化学)
要約
【課題】籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサン構造体である有機ケイ素化合物、これから誘導される官能基を有するシルセスキオキサン誘導体、およびこれらの誘導体からなる重合体を提供する。
【解決手段】式(1)で表される有機ケイ素化合物。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025125602000032.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">41</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">74</com:WidthMeasure> </com:Image>
式(1)中、Rは独立して水素、ハロゲン、アルキルまたはシクロアルキルなどであり;YはSiを含む架橋である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表される有機ケイ素化合物。
TIFF
2025125602000029.tif
41
74
式(1)中、Rは独立して水素、ハロゲン、炭素数1~45のアルキルまたは炭素数4~18のシクロアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-は-O-または炭素数4~18のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~18のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;Yは式(2-1)または式(2-2)で表される基から選択される基であり、2つのYが同一の基であってもよく異なる基で構成されてもよい;
TIFF
2025125602000030.tif
15
47
TIFF
2025125602000031.tif
30
53
式(2-1)中、R
1
は炭素数1~45のアルキル、炭素数6~45のアリール、または炭素数7~45のアリールアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-が-O-、-CH=CH-、炭素数4~18のシクロアルキレンまたは炭素数4~18のシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;炭素数6~45のアリールおよび炭素数7~45のアリールアルキレン中の芳香環において、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく;炭素数7~45のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、炭素数は1~39であり、そして少なくとも1つの-CH
2
-が-O-、-CH=CH-またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;そして、ZはR
1
と同じ定義を有する基、官能基または官能基を有する基である。
式(2-2)中、Qは-O-、-CH
2
-、または単結合である。Z
1
はR
1
と同じ定義を有する基、官能基または官能基を有する基であり、複数のZ
1
が同一の基であってもよく異なる基で構成されてもよい。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
式(1)および式(2-1)において、R
1
がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルである、請求項1に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数1~12のアルキルまたは炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数1~12のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-は-O-または炭素数4~10のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式(1)において、すべてのRが炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式(1)において、すべてのRが少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の式(1)において、すべてのRがシクロヘキシルである、請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項8】
式(1)および式(2-1)または式(2-2)において、R
1
がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルであり;そして、ZまたはZ
1
が官能基または官能基を有する基であり、官能基が水素、ハロゲン、-OH、アルコキシ、アルケニルおよびフッ素化アルキルから選択されるSi原子に直接結合する基であり、官能基を有する基が2価基とこれを介してSi原子に結合する官能基とから構成される基であり、2価基がアルキレン、アルキルシクロアルキレン、アルキレンフェニレン、アルキルフェニレンおよびアルキルフェニルアルキレンから選択される2価基であり、これらの2価基中のアルキレンおよびアルキルにおいて、少なくとも1つの-CH
2
-が-O-で置き換えられてもよく、2価基を介してSi原子に結合する官能基が水素、ハロゲン、-OH、フッ素化アルキル、アルコキシ、カルボキシル、2-オキサプロパンジオイル、カルボン酸無水物残基、マレイミド残基、アセトオキシ、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ポリアルキレンオキシ、オキシラニル、3,4-エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アルケニル、シクロアルケニル、-NH
2
、-CN、-NCO、-SHおよび-PH
2
から選択される基である、請求項1に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数1~12のアルキルまたは炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数1~12のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-は-O-または炭素数4~10のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい、請求項8に記載の有機ケイ素化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、請求項8に記載の有機ケイ素化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体に関し、より詳しくはシルセスキオキサン骨格を有する有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体に関する。さらに詳しくは、籠状構造頂点に脂肪族などの置換基、好ましくは脂環式置換基を有するシルセスキオキサン構造体、およびこれから誘導されるアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基を有するシルセスキオキサン誘導体、ならびにこれらの誘導体からなる重合体に関する。なお、本明細書において「籠状構造頂点」とは後述の式(1)において8個のRがそれぞれ結合する8個のSi原子を意味する。
続きを表示(約 6,100 文字)
【背景技術】
【0002】
シルセスキオキサン化合物として、ラダー構造、完全縮合型構造、不完全縮合型構造および不定形構造があると確認され、多くの研究が行われてきた。その中、最も構造制御しやすい完全縮合型構造や不完全縮合型構造シルセスオキサンが注目され、ハイブリッドプラスチック社により種々の官能基が導入されたシルセスキオキサン誘導体が市販された(非特許文献1)。
【0003】
しかしながら、従来の不完全縮合型や完全縮合型シルセスキオキサンおよびそれらの誘導体は溶解性が乏しく、塗膜部材に用いられる場合、成膜性や添加量に限界があるため、広い用途において効果的に活用することが難しいといった欠点が挙げられる。これらの欠点を克服したダブルデッカー構造シルセスキオキサン(特許文献1)が開発され、種々な材料への応用が検討されてきた。
【0004】
一方、これまで報告されたダブルデッカー構造シルセスキオキサンおよびその誘導体の多くは籠状構造頂点にフェニル置換基を有している。フェニル置換基のような芳香族構造は高耐熱性を示すが、共役環構造のため、分子間の相互作用や隣接する構造との共役を引き起こしやすく、ポリイミド材料の着色をはじめ、屈折率や誘電特性にも多大な懸念点を残す場合があり、改良する余地がある。また、直近では籠状構造頂点のフェニル基を核水素化により籠状構造頂点が非芳香環置換基を有するもの(特許文献2)が報告された。水素化率が不十分の場合、芳香環構造を有するものが材料中残留したまま、保存時や硬化時に引き起こす変色による影響が懸念される。さらに、籠状構造頂点に脂環式置換基かつ籠状構造頂点以外の部分に不飽和結合を有する置換基または官能基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサンおよびその誘導体の合成には、核水素化により得ることは難しい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2004/024741号(特許第4470738号公報)
特開2022-146347号公報
【非特許文献】
【0006】
ロナルドH.バニー、伊藤真紀、榊原昭仁および鈴木敏夫、「シルセスキオキサン」、ケミカルレビュー、アメリカ化学会、1995年、第95巻、第5号、p.1409~1430(Chem.Rev.95,1409-1430(1995))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の従来技術の有する問題点に鑑み、本発明の課題は、籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサン構造体である有機ケイ素化合物を提供することである。また、これから誘導されるアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基を有するシルセスキオキサン誘導体、およびにこれらの誘導体からなる重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、籠状構造頂点の芳香環置換基を脂肪族置換基などの非芳香環置換基に置き換えることで、シルセスキオキサンに期待される特性を十分に付与できる籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するダブルデッカー構造シルセスキオキサン構造体である有機ケイ素化合物の合成に成功した。また、構造体の末端官能基をアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基への誘導に成功し、有用な光学部材、誘電性部材、電子部品部材などの開発に用いられる重合体の前駆体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は以下の構成を含む。
[1] 式(1)で表される有機ケイ素化合物。
TIFF
2025125602000002.tif
41
74
式(1)中、Rは独立して水素、ハロゲン、炭素数1~45のアルキルまたは炭素数4~18のシクロアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-は-O-または炭素数4~18のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~18のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;Yは式(2-1)または式(2-2)で表される基から選択される基であり、2つのYが同一の基であってもよく異なる基で構成されてもよい;
TIFF
2025125602000003.tif
15
47
TIFF
2025125602000004.tif
30
53
式(2-1)中、R
1
は炭素数1~45のアルキル、炭素数6~45のアリール、または炭素数7~45のアリールアルキルであり;炭素数1~45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-が-O-、-CH=CH-、炭素数4~18のシクロアルキレンまたは炭素数4~18のシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;炭素数6~45のアリールおよび炭素数7~45のアリールアルキレン中の芳香環において、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられてもよく;炭素数7~45のアリールアルキル中のアルキレンにおいて、炭素数は1~39であり、そして少なくとも1つの-CH
2
-が-O-、-CH=CH-またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;そして、ZはR
1
と同じ定義を有する基、官能基または官能基を有する基である。
式(2-2)中、Qは-O-、-CH
2
-、または単結合である。Z
1
はR
1
と同じ定義を有する基、官能基または官能基を有する基であり、複数のZ
1
が同一の基であってもよく異なる基で構成されてもよい。
[2] 式(1)および式(2-1)において、R
1
がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルである、[1]に記載の有機ケイ素化合物。
[3] 請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数1~12のアルキルまたは炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数1~12のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-は-O-または炭素数4~10のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい、[1]または[2]に記載の有機ケイ素化合物。
[4] 請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、[1]~[3]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[5] 請求項1に記載の式(1)において、すべてのRが炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、[1]~[4]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[6] 請求項1に記載の式(1)において、すべてのRが少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、[1]~[5]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[7] 請求項1に記載の式(1)において、すべてのRがシクロヘキシルである、[1]~[6]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[8] 式(1)および式(2-1)または式(2-2)において、R
1
がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチルまたはフェニルであり;そして、ZまたはZ
1
が官能基または官能基を有する基であり、官能基が水素、ハロゲン、-OH、アルコキシ、アルケニルおよびフッ素化アルキルから選択されるSi原子に直接結合する基であり、官能基を有する基が2価基とこれを介してSi原子に結合する官能基とから構成される基であり、2価基がアルキレン、アルキルシクロアルキレン、アルキレンフェニレン、アルキルフェニレンおよびアルキルフェニルアルキレンから選択される2価基であり、これらの2価基中のアルキレンおよびアルキルにおいて、少なくとも1つの-CH
2
-が-O-で置き換えられてもよく、2価基を介してSi原子に結合する官能基が水素、ハロゲン、-OH、フッ素化アルキル、アルコキシ、カルボキシル、2-オキサプロパンジオイル、カルボン酸無水物残基、マレイミド残基、アセトオキシ、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ポリアルキレンオキシ、オキシラニル、3,4-エポキシシクロヘキシル、オキセタニル、アルケニル、シクロアルケニル、-NH
2
、-CN、-NCO、-SHおよび-PH
2
から選択される基である、[1]~[7]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[9] 請求項1に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数1~12のアルキルまたは炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数1~12のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH
2
-は-O-または炭素数4~10のシクロアルキレンで置き換えられてもよく、炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい、[8]に記載の有機ケイ素化合物。
[10] [1]に記載の式(1)において、Rが独立して炭素数4~10のシクロアルキルであり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく;そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、[8]または[9]に記載の有機ケイ素化合物。
[11] [1]に記載の式(1)において、すべてのRが炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり;炭素数4~10のシクロアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、[8]~[10]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[12] [1]に記載の式(1)において、すべてのRが少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられてもよい炭素数4~10のシクロアルキルから選択される同一の基であり、そして少なくとも1つの水素がフッ素または炭素数1~3のアルキルで置き換えられたシクロアルキルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし異なる基であってもよい、[8]~[11]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[13] [1]に記載の式(1)において、すべてのRがシクロヘキシルである、[8]~[12]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[14] 式(1)および式(2-1)または式(2-2)において、ZまたはZ
1
がフッ素化アルキルまたはフッ素化アルキルを有する基である、[1]~[13]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[15] 式(1)および式(2-1)または式(2-2)において、ZまたはZ
1
がアルケニル、またはアルケニル、-OH、カルボキシル、2-オキサプロパンジオイル、オキシラニル、3,4-エポキシシクロヘキシル、オキセタニルおよび-NH
2
のいずれかを有する基である、[1]~[13]のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物。
[16] [15]に記載の有機ケイ素化合物を用いて得られる重合体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の有機ケイ素化合物は籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するシルセスキオキサン構造体およびその誘導体である。本発明の有機ケイ素化合物において、籠状構造頂点に非芳香環置換基を有するシルセスキオキサン構造体の末端官能基をアミノ基、ヒドロシリル基、グリシジル基、ヒドロキシル基、アセトキシ基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、クロロプロピル基、ビニル基、シロキサン基などの官能基へ誘導することで、有用な光学部材、誘電性部材、電子部品部材などの開発に用いられる本発明の重合体の前駆体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る