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公開番号
2025112174
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-31
出願番号
2024006319
出願日
2024-01-18
発明の名称
キチン系複合体
出願人
東京都公立大学法人
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C07K
17/10 20060101AFI20250724BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明は、機械的強度が向上されたキチン系複合体及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】キチン及びキチン結合タンパク質を含む複合体であって、
前記キチン結合タンパク質が、共有結合を介した分子間の架橋をしている、複合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
キチン及びキチンに結合した複数のキチン結合タンパク質を含む複合体であって、
前記複数のキチン結合タンパク質の少なくとも一部が、共有結合を介して互いに架橋している、複合体。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記架橋が、
あるキチン結合タンパク質中のチロシンと、別のキチン結合タンパク質中のチロシンの間の架橋であるか、又は、
キチン結合タンパク質中のヒスチジン又はリジンに結合したカテコールアミン類の酸化物に由来する架橋である、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
前記複数のキチン結合タンパク質の各々が、全長アミノ酸配列中にチロシンを10~20%含むアミノ酸配列からなるタンパク質であるか、及び/又は、全長アミノ酸配列中にヒスチジンとリジンを合計で10~20%含むアミノ酸配列からなるタンパク質である、請求項1に記載の複合体。
【請求項4】
前記キチン結合タンパク質が、下記(1)~(3)のいずれかのタンパク質である、請求項1に記載の複合体:
(1)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(2)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列中のキチン結合に関わるモチーフに1又は数個のアミノ酸が置換、付加、又は欠失したアミノ酸配列を含み、かつキチン結合活性を有するタンパク質、
(3)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と20%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつキチン結合活性を有するタンパク質。
【請求項5】
前記複合体は、前記キチンを含むシートの表面に複数のキチン結合タンパク質が結合されたシート状の複合体であり、3点曲げ試験において5mm 幅x 15mm 長さx 0.2mm 厚の前記複合体の中央を0.5mm~1mm変位させて得られる最大の応力は、0.20Nを超える、請求項1に記載の複合体。
【請求項6】
前記複合体は、前記キチンを含むシートの表面に複数のキチン結合タンパク質が結合されたシート状の複合体であり、3点曲げ試験において5mm 幅x 15mm 長さx 0.2mm 厚の前記複合体の中央を0.5mm~1mm変位させて得られる応力は、前記架橋を有しない複合体を1mm変位させるのに必要な最大応力と比較して、2倍以上である、請求項1に記載の複合体。
【請求項7】
キチン及びキチンに結合した複数のキチン結合タンパク質を含む複合体中の、複数のキチン結合タンパク質の少なくとも一部を、互いに共有結合を介して架橋させることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、キチン系複合体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
キチンは、N-アセチル-D-グルコサミン単位が多数結合してなる、含窒素多糖高分子である。キチンは、昆虫、エビ、カニ等から得られる天然高分子であることから、生体適合性や生分解性に優れた材料として知られており、人工皮膚、手術用縫合糸、人工透析膜、各種治療補助用品などの医薬分野、繊維、化粧品、生活用品、廃水処理、写真用フィルム、染料、製紙、生分解性プラスチックなどの工業分野、土壌改良剤、肥料、無公害農薬、飼料などの農業分野等、様々な技術分野において利用されている。例えば医用分野においては、表皮細胞増殖促進効果を有するキチン繊維の不織布(特許文献1)やキチンの綿状物(特許文献2)等が創傷被覆保護材として利用されている。
【0003】
しかし、キチンを単独で利用した素材は強度が低いという欠点がある。天然資源であるキチンの活用範囲を拡大するためには、強度を向上したキチン素材の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-240963号公報
特開平04-371161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、機械的強度が向上された、キチン系複合体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、キチン及び複数のキチン結合タンパク質を含み、且つ、キチン結合タンパク質同士が架橋をしている複合体において、機械的強度が向上することを見出した。
【0007】
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものであり、以下に示す広い態様の発明を含むものである。
項1.
キチン及びキチンに結合した複数のキチン結合タンパク質を含む複合体であって、
前記複数のキチン結合タンパク質の少なくとも一部が、共有結合を介して互いに架橋している、複合体。
項2.
前記架橋が、
あるキチン結合タンパク質中のチロシンと、別のキチン結合タンパク質中のチロシンの間の架橋であるか、又は、
キチン結合タンパク質中のヒスチジン又はリジンに結合したカテコールアミン類の酸化物に由来する架橋である、項1に記載の複合体。
項3.
前記複数のキチン結合タンパク質の各々が、全長アミノ酸配列中にチロシンを10~20%含むアミノ酸配列からなるタンパク質であるか、及び/又は、全長アミノ酸配列中にヒスチジンとリジンを合計で10~20%含むアミノ酸配列からなるタンパク質である、項1に記載の複合体。
項4.
前記キチン結合タンパク質が、下記(1)~(3)のいずれかのタンパク質である、項1に記載の複合体:
(1)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(2)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列中のキチン結合に関わるモチーフに1又は数個のアミノ酸が置換、付加、又は欠失したアミノ酸配列を含み、かつキチン結合活性を有するタンパク質、
(3)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と20%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつキチン結合活性を有するタンパク質。
項5.
前記複合体は、前記キチンを含むシートの表面に複数のキチン結合タンパク質が結合されたシート状の複合体であり、3点曲げ試験において5mm 幅x 15mm 長さx 0.2mm 厚の前記複合体の中央を0.5mm~1mm変位させて得られる最大の応力は、0.20Nを超える、項1に記載の複合体。
項6.
前記複合体は、前記キチンを含むシートの表面に複数のキチン結合タンパク質が結合されたシート状の複合体であり、3点曲げ試験において5mm 幅x 15mm 長さx 0.2mm 厚の前記複合体の中央を0.5mm~1mm変位させて得られる応力は、前記架橋を有しない複合体を1mm変位させるのに必要な最大応力と比較して、2倍以上である、項1に記載の複合体。
項7.
キチン及びキチンに結合した複数のキチン結合タンパク質を含む複合体中の、複数のキチン結合タンパク質の少なくとも一部を、互いに共有結合を介して架橋させることを含む、項1~6のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機械的強度が向上されたキチン系複合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
Cpr76のアミノ酸配列(配列番号1)及びCpr92Fのアミノ酸配列(配列番号2)。各配列中、太字下線部は、BLASTP検索に配列を入力した際に自動的に実行されるPfam(配列モチーフ検出)のアルゴリズムによって抽出されたキチン結合モチーフ chitin_binding_4 (Rebers and Willis 2001, Insect Biochemistry and Milecular Biology)であり、網掛けは同じくBLASTP検索で見つかる相同性の高いタンパク質配列をアラインメント比較して得られるコンセンサス部分を表す。
架橋酵素としてラッカーゼを用い、ラッカーゼの基質としてカテコールアミンを用いた場合における、本発明の複合体の製造スキームの概要図。
キチン結合タンパク質としてCpr76を用いた際の最大応力の比較。
キチン結合タンパク質としてCpr92Fを用いた際の最大応力の比較。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、キチン及びキチンに結合した複数のキチン結合タンパク質を含む複合体を提供する。当該複合体は、複数のキチン結合タンパク質の少なくとも一部が、共有結合を介して互いに架橋した構成を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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