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公開番号2025153878
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056571
出願日2024-03-29
発明の名称ペルフルオロアシル過酸化物の製造方法。
出願人日油株式会社
代理人個人,個人
主分類C07C 407/00 20060101AFI20251002BHJP(有機化学)
要約【課題】オゾン破壊係数がゼロかつ地球温暖化係数の低いハイドロフルオロエーテル中で、過酸分解を起こさず、高収率かつ高反応転化率で嵩高い構造を有する式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物を製造する方法を提供する。
【解決手段】工程A:濃度が11~13質量%の塩基性アルカリ金属化合物の水溶液と、過酸化水素の水溶液と、CF3(CH2)mO(CF2)nH(mは1~6の整数、nは1~4の整数)で表されるハイドロフルオロエーテルと、から混合液を得る工程と、
工程B:液温を5~10℃に制御した前記混合液に、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライドを一定の速度で10~30分滴下することで反応液を得る工程と、
工程C:液温を5~10℃に制御した前記反応液を60~90分間攪拌させる工程とを含み、前記反応液中における仕込みモル比が、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライド1.00に対して、塩基性アルカリ金属化合物を1.60~1.80、過酸化水素を1.60~2.20、の範囲であることを特徴とする式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物の製造方法であって、
工程A:濃度が11~13質量%の塩基性アルカリ金属化合物の水溶液と、過酸化水素の水溶液と、下記一般式(2)記載のハイドロフルオロエーテルと、から混合液を得る工程と、
工程B:液温を5~10℃に制御した前記混合液に、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライドを一定の速度で10~30分滴下することで反応液を得る工程と、
工程C:液温を5~10℃に制御した前記反応液を60~90分間攪拌させる工程と、
を含み、
前記反応液中における仕込みモル比を、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライド1.00に対して、塩基性アルカリ金属化合物を1.60~1.80、過酸化水素を1.60~2.20、の範囲とすることを特徴とするペルフルオロアシル過酸化物の製造方法。
JPEG
2025153878000006.jpg
30
72
CF

(CH



O(CF



H・・・(2)
(式(2)中、mは1~6の整数、nは1~4の整数を表す)
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライドが、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルクロライドである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ハイドロフルオロエーテルが、CF

CH

O(CF



Hである、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記塩基性アルカリ金属化合物の水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1または2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルフルオロアシル過酸化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ペルフルオロアシル過酸化物は、主にフッ素樹脂の重合開始剤として用いられている。ペルフルオロアシル過酸化物を用いて重合を行うと、ペルフルオロアシル過酸化物由来の構造をポリマー末端に導入可能であることが知られている。一般的な直鎖状のペルフルオロアシル過酸化物は、反応が早いが、原料に過剰な過酸化水素を使用しているため、反応時間を延ばすことによって、過酸分解を起こすことが知られている。このため、低温かつ短時間で製造している。
【0003】
非特許文献1および特許文献1には、下記式(1)で表されるペルフルオロアシル過酸化物の製造方法について記載されている。
JPEG
2025153878000001.jpg
30
72
【0004】
非特許文献1および特許文献1に記載の方法では、式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物を-5℃と低温で反応させており、フッ素溶剤としてCCl

FCClF

およびCF

CF

CCl

H、CClF

CF

CClFHが使用されるが、より環境に優しい溶剤の使用が求められている。特許文献2には、ペルフルオロアシル過酸化物を連続して製造する方法が記載されている。しかしながら、反応性の高さから、反応に用いる各成分のモル比を、ペルフルオロアシルハライド1に対して、塩基性アルカリ金属化合物を1.00~1.35、過酸化水素または金属酸化物を0.60~40、の範囲としており、温和な条件で製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-49749号公報
国際公開第2010/117029号
【非特許文献】
【0006】
J.App.Polym.Sci,1999,72,1101-1108.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
環境規制のため、近年、使用可能なフッ素溶剤が限られており、環境に配慮した溶剤への切り替えが進められている。その中でも、フッ素溶剤の特長を残しつつ、環境規制に対応したオゾン破壊係数がゼロかつ地球温暖化係数の低いハイドロフルオロエーテルへの切り替えが進められている。
ペルフルオロアシル過酸化物は、主にフッ素樹脂の重合開始剤として使用されるが、分解温度が低く、製造時の安全性を確保する必要がある。嵩高い構造を有する式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物を高収率で得るためには、直鎖のペルフルオロアシル過酸化物と比較して、反応性の低さから過剰量の塩基性アルカリ金属および過酸化水素を使用する必要がある。しかしながら、このように過剰な条件で長時間反応させることで、過酸分解が起こりやすく、収率と安全性のバランスを取ることが難しい。
また、ペルフルオロアシル過酸化物は、希釈下で合成を行った場合の反応性が、フッ素溶剤の種類によって大きく異なる。
さらに環境規制のため、近年はフッ素溶剤の特長を残しつつ、環境規制に対応したオゾン破壊係数がゼロかつ地球温暖化係数の低いハイドロフルオロエーテルへの切り替えが進められている。
以上のような事情を鑑み、本発明では、オゾン破壊係数がゼロかつ地球温暖化係数の低いハイドロフルオロエーテル中で、過酸分解を起こさず、高収率かつ高反応転化率で嵩高い構造を有する式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物を製造する方法を提供することを目的とする。
なお、過酸分解とは、一般に、酸クロライドに対して、アルカリまたは過酸化水素の量が過剰な条件で合成する際に、酸クロライドが消費された後に発泡する現象として知られている。過酸分解が生じると、反応系の温度が急激に上昇する場合があり、安全性が著しく低下する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、後述するA~Cの工程を含み、反応液中における仕込みモル比が、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライド1.00に対して、塩基性アルカリ金属化合物を1.60~1.80、過酸化水素を1.60~2.20の範囲とする式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物の製造方法により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]~[5]に係るものである。
【0009】
[1]下記式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物の製造方法であって、
工程A:濃度が11~13質量%の塩基性アルカリ金属化合物の水溶液と、過酸化水素の水溶液と、下記一般式(2)記載のハイドロフルオロエーテルと、から混合液を得る工程と、
工程B:液温を5~10℃に制御した前記混合液に、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライドを一定の速度で10~30分滴下することで反応液を得る工程と、
工程C:液温を5~10℃に制御した前記反応液を60~90分間攪拌させる工程と、
を含み、
前記反応液中における仕込みモル比が、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライド1.00に対して、塩基性アルカリ金属化合物を1.60~1.80、過酸化水素を1.60~2.20、の範囲であることを特徴とするペルフルオロアシル過酸化物の製造方法。
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2025153878000002.jpg
30
72
CF

(CH



O(CF



H・・・(2)
(式(2)中、mは1~6の整数、nは1~4の整数を表す)
[2]前記ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルハライドが、ペルフルオロシクロヘキサンカルボニルクロライドである、上記[1]に記載の製造方法。
[3]前記ハイドロフルオロエーテルが、CF

CH

O(CF



Hである、上記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記塩基性アルカリ金属化合物の水溶液の濃度が、11~13質量%である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記塩基性アルカリ金属化合物の水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オゾン破壊係数がゼロかつ地球温暖化係数の低いハイドロフルオロエーテル中で、過酸分解を起こさず、高収率かつ高反応転化率で嵩高い構造を有する式(1)記載のペルフルオロアシル過酸化物を製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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