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公開番号
2025150025
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024050674
出願日
2024-03-27
発明の名称
製菓用グルテン改質剤
出願人
日油株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
A21D
2/08 20060101AFI20251002BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約
【課題】しっとり感と口溶けが良く、更にボリュームや内相に優れたケーキ類を安定して製造することができる製菓用グルテン改質剤を提供すること。
【解決手段】液糖、及びルテインを含有することを特徴とする、製菓用グルテン改質剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
液糖、及びルテインを含有することを特徴とする、製菓用グルテン改質剤。
続きを表示(約 100 文字)
【請求項2】
グルテン、及び請求項1に記載の製菓用グルテン改質剤を含み、
ルテインの含有量が、前記グルテン1000000質量部に対して0.2~20質量部であることを特徴とする、製菓用穀粉生地。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、しっとり感と口溶けが良く、更にボリュームや内相に優れたケーキ類を安定して製造することができる製菓用グルテン改質剤に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
泡立てた卵と穀粉を加え混ぜ、加熱して製造されるケーキ類としては、スポンジケーキやスナックケーキ、バターケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ等が挙げられ、しっとり感と口溶けが良く、さらにボリュームや内相に優れたものが好まれる。しっとりとしたケーキ類を製造する場合、焼成温度を低めに設定し、ケーキ類内部の水分を保持させる方法がとられるが、ケーキ類のボリュームが低下し、さらにねちゃついた食感となり口溶けが悪くなる。一方、焼成温度を高くすることでボリュームと口溶けを向上させることはできるが、しっとりさが低下しぱさついた食感となってしまう。その他にもしっとりとしたケーキ類を製造するために、卵や油脂等を多量に配合する方法が挙げられるが、その場合、泡沫安定性が悪くなり、キメが粗く不均一であったり、内相に芯が生じたり、焼成時の焼き縮みや釜落ちが生じたりしてしまう。また、泡立てた卵と穀粉を加え混ぜる際、攪拌が不足すると穀粉が均一に分散せず、穀粉の塊ができることで商品価値のないケーキ類となるが、一方で過剰に攪拌すると穀粉生地中に含まれるグルテン内に共有結合が多く形成され、穀粉生地の粘度が高くなり、ボリュームが低下し、キメが粗く不均一で内相に劣り、口溶けの悪いケーキ類となってしまう。すなわち最適な攪拌状態のときに、焼成後に良好な品質のケーキ類とすることができる。最適な攪拌状態であるかどうかは、生地比重を測定することで判断することができるが、都度生地比重を測定することは工業的に作業性が悪い。また最適な攪拌状態であるかを攪拌時間で定めた場合、気温、湿度、原料品質の振れなど外部要因により最適な攪拌時間が変わるため、安定した品質のケーキ類を得ることができない。
ケーキ類にしっとり感を付与する方法として、特定の油脂に生クリームを含有する練り込み用油中水型乳化組成物が提案されている(特許文献1)。
口溶けが良好でボリュームの向上したバターケーキを得る方法として、マルトース生成α-アミラーゼ、ヘミセルラーゼおよびホスホリパーゼを含有するバターケーキ用油脂組成物が提案されている(特許文献2)。
口溶けが良好で内相のキメに優れたケーキを提供する方法として、グリコシド結合ヒドロラーゼを含有する油中水型乳化油脂組成物が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-136973号公報
特開2022-152863号公報
特開2021-87422号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の方法では、しっとりとした食感のケーキ類は得られるが、口溶け向上やボリューム向上効果は十分ではなく満足いくものではない。また、特許文献2では口溶けは向上するが、しっとり感を向上させる効果はない。特許文献3では口溶けが良好で内相のキメに優れたケーキは得られるが、しっとり感やボリューム向上効果は不十分である。また、しっとり感、口溶け、ボリューム、内相などの品質に優れたケーキ類を、工業的に安定して製造することができる技術が求められている。
したがって、本発明の課題は、しっとり感と口溶けが良く、更にボリュームや内相に優れたケーキ類を安定して製造することができる製菓用グルテン改質剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、カロチノイドであるルテインを液糖に分散させた製菓用グルテン改質剤を、グルテンを含有する穀粉生地に使用することによって、しっとり感と口溶けが良く、更にボリュームや内相に優れたケーキ類を安定して製造できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は下記[1]~[2]である。
[1]液糖、及びルテインを含有することを特徴とする、製菓用グルテン改質剤。
[2]グルテン、及び[1]記載の製菓用グルテン改質剤を含み、
ルテインの含有量が、前記グルテン1000000質量部に対して0.2~20質量部であることを特徴とする、製菓用穀粉生地。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製菓用グルテン改質剤によれば、グルテンを含有する穀粉生地に配合することにより、ルテインがグルテンを改質する。これにより、しっとり感と口溶けが良く、更にボリュームや内相に優れたケーキ類を安定して製造できる製菓用グルテン改質剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において製菓とは、全卵もしくは卵白と穀粉を含有する生地比重0.25~0.9g/mlの穀粉生地を焼成したケーキ類を製造することを意味し、製菓用とはケーキ類製造時に配合する原料を意味する。
本発明の製菓用グルテン改質剤は、ルテインを含有することを特徴とし、グルテンを含有する製菓用穀粉生地に配合することにより、ルテインがグルテンを改質し、しっとり感と口溶けが良く、更にボリュームや内相に優れたケーキ類が安定して製造できる。
以下、本発明の製菓用グルテン改質剤について詳細に説明する。
【0009】
[液糖]
本発明に用いられる液糖とは、液体状態の糖類、または、粉糖を溶液状態にしたものである。
具体的には、グルコース、マント―ス、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、テトラオ―ス、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類、澱粉加水分解物及びこれらを還元した糖アルコール、又は、それらの混合物の液状物、例えば、水飴、還元水飴、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖などが用いられる。
流通する商品としては、例えば、「RCS-50」(王子コーンスターチ(株)製、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖)、「アマミール」(三菱商事フードテック(株)製、還元水飴)、「ハローデックス」((株)林原製、水飴)、「G2シラップMS-500[N]」(三和澱粉工業(株)製、水飴)、「ハイフラクトースF-500[N]」(三和澱粉工業(株)製、果糖ぶどう糖液糖)などが挙げられる。
また、本発明に用いられる液糖の粘度は、B型粘度計にて20℃条件下で0.1~10,000mPa・s以下であることが好ましい。液糖の粘度が10,000mPa・sを超える場合、本発明の製菓用グルテン改質剤の穀粉生地への分散性が低下してしまうため、本願の効果を十分に発揮することはできない。
本発明の製菓用グルテン改質剤における液糖の含有量は、ルテインを含む原料の含有量によって適宜調整される。例えば、下限値としては、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上である。
【0010】
[ルテイン]
ルテインは、カロチノイド系色素の1種類であり、生体内で網膜の黄斑部に局在することで、目に進入するエネルギーの高い光を吸収し、光によって生じる活性酸素を除去することで光に対する目の保護に有益な成分として知られている。本発明における製菓用グルテン改質剤は、フリー体のルテイン又はエステル体のルテインのうち少なくとも1種を含むものである。ルテインは、グルテンを含有する製菓用穀粉生地に配合し、混合することで、グルテンにルテインが結合し、グルテンの保水性を向上させることでケーキ類のしっとり感を向上させるとともに、グルテン内の共有結合形成を阻害し、ケーキ類の口溶けとボリュームを向上させる。また、グルテン内の共有結合形成を阻害することで、製菓用穀粉生地焼成中、対流が生じやすく均一に熱が伝わるようになるため、内相の整ったケーキ類を製造することができる。さらに、穀粉を均一に分散させるため過剰に攪拌してもルテインのグルテン内の共有結合形成阻害効果により製菓用穀粉生地の粘度が高くなりにくく、口溶けやボリューム、内相に悪影響が出ないため、作業員の技術力に左右されず一定品質のケーキ類を安定して製造することができる。色素であるルテインに、このようなケーキ類における効果があることはこれまで知られておらず、本発明は従来技術からは想定できない新たな効果を見出したものである。また、油溶性であるルテインをあらかじめ液糖に分散させ、製菓用グルテン改質剤とすることで、ルテインの穀粉生地への分散性が向上し、グルテンに作用しやすくなるため、ルテインのケーキ類における効果を更に高めることができ、製菓用穀粉生地を過剰に攪拌した場合でも、口溶けやボリューム、内相に優れた一定品質のケーキ類を安定して製造することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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