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公開番号
2025114181
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2024008706
出願日
2024-01-24
発明の名称
セラミック成形用バインダー組成物およびセラミックスラリー
出願人
日油株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
33/10 20060101AFI20250729BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】強度、伸張性、および可撓性に優れたセラミック成形体を製造するために有用なセラミック成形用バインダー組成物を提供すること。
【解決手段】成分(A):水酸基価が5~50mgKOH/gであり、およびMwが400,000~1,000,000である(メタ)アクリル系重合体、成分(B):水酸基価が5~50mgKOH/gであり、およびMwが30,000~300,000である(メタ)アクリル系重合体、並びに成分(C):R
1
O-(EO)
p
-(PO)
q
-Hで表される共重合体を含み、成分(A)~(C)の合計100質量部に対して、成分(A)の量が10~70質量部であり、成分(B)の量が10~40質量部であり、および成分(C)の量が1~50質量部であり、並びに成分(A)の量/成分(B)の量の質量比が、40/60~85/15の範囲内である、セラミック成形用バインダー組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記成分(A)~(C):
(A)水酸基価が5~50mgKOH/gであり、および重量平均分子量が400,000~1,000,000である(メタ)アクリル系重合体、
(B)水酸基価が5~50mgKOH/gであり、および重量平均分子量が30,000~300,000である(メタ)アクリル系重合体、並びに
(C)式(1):
R
1
O-(EO)
p
-(PO)
q
-H (1)
(式中、R
1
は、炭素数5~9のアルキル基を示し、
EOは、オキシエチレン基を示し、
POは、オキシプロピレン基を示し、
pは、3~9の数を示し、
qは、2~4の数を示し、および
p/qは1.0~3.0の範囲内である。)
で表される共重合体
を含むセラミック成形用バインダー組成物であって、
成分(A)~(C)の合計100質量部に対して、成分(A)の量が10~70質量部であり、成分(B)の量が10~40質量部であり、および成分(C)の量が1~50質量部であり、並びに
成分(A)の量/成分(B)の量の質量比が、40/60~85/15の範囲内である、セラミック成形用バインダー組成物。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
成分(A)が、水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を、その全構成単位に対して3~30モル%の量で含有する(メタ)アクリル系重合体である、請求項1に記載のセラミック成形用バインダー組成物。
【請求項3】
成分(B)が、水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を、その全構成単位に対して3~30モル%の量で含有する(メタ)アクリル系重合体である、請求項1に記載のセラミック成形用バインダー組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のセラミック成形用バインダー組成物、セラミック粉体、分散剤、および有機溶剤を含むセラミックスラリー。
【請求項5】
セラミック粉体100質量部に対して、成分(A)~(C)の合計量が5~100質量部であり、分散剤の量が0.1~10質量部であり、および有機溶剤の量が10~500質量部である請求項4に記載のセラミックスラリー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック成形用バインダー組成物、およびこのバインダー組成物を含有するセラミックスラリーに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
情報電子分野においては、電子部品として積層セラミックコンデンサやセラミック基板などの様々なセラミック材料が利用されている。一般的に、セラミック基板はセラミックグリーンシート(以下「グリーンシート」と略称することがある)を焼成し、製造されている。グリーンシートは通常、セラミック粉体、有機溶剤、バインダーを混合したセラミックスラリーを調製し、ドクターブレードなどで支持体上に均一に塗布し、次いで乾燥させることで得られる。
【0003】
グリーンシートに使用されるバインダーとしてはブチラール樹脂やアクリル系樹脂などが挙げられる。ポリビニルブチラールは、強度と伸長性に優れ、汎用されている。しかし、特許文献1に記載されているように、熱処理によるバインダーの分解除去(以下「脱脂」と記載することがある。)処理において、ポリビニルブチラールは脱脂性が悪い。そのため、ポリビニルブチラールを使用すると、グリーンシートに残渣が生じ、セラミック基板の電気的特性に影響を与えてしまう場合があった。
【0004】
一方、アクリル系樹脂は脱脂性に優れるが、分散性が充分ではない。これに関して、特許文献2では、(メタ)アクリル酸エステルおよびポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを共重合させて得たコポリマーをセラミック成形用バインダーとして用いることで、粉体との親和性が向上し、分散安定性が向上したバインダーを提供できることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、カルボキシ基を有する高分子量のアクリル系共重合体Aと水酸基を有する低分子量のアクリル系共重合体Bとを含むバインダー組成物を用いることで、強度に優れるグリーンシートが得られることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-202987号公報
特開平6-72759号公報
特開2020-132490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、電気自動車の普及に伴い、セラミックシートはこれまで以上に高電圧および高熱で扱われることとなるため、セラミックシートのさらなる耐電圧および放熱性が求められている。さらなる耐電圧および放熱性を達成するために、厚膜のセラミックシートが求められている。厚膜のセラミックシートを製造するために、強度および柔軟性に優れたグリーンシートを製造できるバインダーが求められている。
【0008】
しかしながら、従来のバインダーを使用すると、厚膜のグリーンシートの成形時に、グリーンシートにクラックが生じるなどの不具合があった。また、従来のバインダーを使用して得られるグリーンシートの強度および柔軟性は満足できるものではなかった。また、従来のバインダーを使用して得られるセラミックスラリーは、脱泡工程などの工程上の事情により、その製造から数時間~数日間を放置されることがあり、放置の結果、細かい沈殿物が生じることがあった。沈殿物が生じたセラミックスラリーを用いると、得られるグリーンシートの欠陥に繋がることがあった。
【0009】
本発明は、強度、伸張性、および可撓性に優れたセラミック成形体(特に、厚膜のグリーンシート)を製造するために有用なセラミック成形用バインダー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成し得る本発明は、以下の通りである。
[1] 下記成分(A)~(C):
(A)水酸基価が5~50mgKOH/gであり、および重量平均分子量が400,000~1,000,000である(メタ)アクリル系重合体、
(B)水酸基価が5~50mgKOH/gであり、および重量平均分子量が30,000~300,000である(メタ)アクリル系重合体、並びに
(C)式(1):
R
1
O-(EO)
p
-(PO)
q
-H (1)
(式中、R
1
は、炭素数5~9のアルキル基を示し、
EOは、オキシエチレン基を示し、
POは、オキシプロピレン基を示し、
pは、3~9の数を示し、
qは、2~4の数を示し、および
p/qは1.0~3.0の範囲内である。)
で表される共重合体
を含むセラミック成形用バインダー組成物であって、
成分(A)~(C)の合計100質量部に対して、成分(A)の量が10~70質量部であり、成分(B)の量が10~40質量部であり、および成分(C)の量が1~50質量部であり、並びに
成分(A)の量/成分(B)の量の質量比が、40/60~85/15の範囲内である、セラミック成形用バインダー組成物。
[2] 成分(A)が、水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を、その全構成単位に対して3~30モル%の量で含有する(メタ)アクリル系重合体である、前記[1]に記載のセラミック成形用バインダー組成物。
[3] 成分(B)が、水酸基を有するモノマーに由来する構成単位を、その全構成単位に対して3~30モル%の量で含有する(メタ)アクリル系重合体である、前記[1]に記載のセラミック成形用バインダー組成物。
[4] 前記[1]~[3]のいずれか一つに記載のセラミック成形用バインダー組成物、セラミック粉体、分散剤、および有機溶剤を含むセラミックスラリー。
[5] セラミック粉体100質量部に対して、成分(A)~(C)の合計量が5~100質量部であり、分散剤の量が0.1~10質量部であり、および有機溶剤の量が10~500質量部である前記[4]に記載のセラミックスラリー。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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