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公開番号2025156003
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025039031
出願日2025-03-12
発明の名称リン酸ジエステルの製造方法
出願人日油株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C07F 9/09 20060101AFI20251002BHJP(有機化学)
要約【課題】安全性が高く、反応時間の短縮が図れ、リン酸エステル化率が高くかつ高い選択率でリン酸ジエステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】ホスホン酸ジエステルと過酸化水素とを、ハロゲン化塩の存在下で反応させることにより、リン酸ジエステルを製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ホスホン酸ジエステルと過酸化水素とを、ハロゲン化塩の存在下で反応させることを特徴とするリン酸ジエステルの製造方法。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
前記ハロゲン化塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期表第4~第14族の金属、又はテトラアルキルアンモニウムのハロゲン化塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載のリン酸ジエステルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸ジエステルの製造方法に関する。より詳しくは、安全性が高く、反応時間の短縮が図れ、リン酸エステル化率が高く、さらには高い選択率でリン酸ジエステルを得る製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
リン酸エステルは界面活性剤、帯電防止剤、難燃剤及び潤滑油の摩耗防止剤などとして有用な化合物であり、その効率的な製造方法の開発が望まれている。リン酸エステルの工業的製造方法としては、アルコールと、オキシ塩化リンとを反応させて製造する方法が一般的に知られているが、出発原料であるオキシ塩化リンは毒性が強く、法令上の毒物にも指定されていることから、より安全なリン酸エステルの合成法が望まれている。そこで、より安全なリン酸エステルの製造法として、特許文献1では、オルトリン酸を出発原料として用い、オルトリン酸と、アルコキシ基あるいはアリールオキシ基を有する有機シランまたはシロキサン化合物とから、一段階反応でリン酸エステル化合物を製造する技術を開示している。
一方、上述の用途においては、通常リン酸エステルは、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステルなどとの混合物として用いられている。これらのリン酸エステルの中でも特にリン酸ジエステルは金属抽出剤として有用であり、更にリン酸ジエステル塩は電解コンデンサ用の電解質として有用である。そのため、リン酸ジエステルを高純度で得られる製造方法は有意義であり、これまでに種々提案されている。
例えば、特許文献2には、リン酸トリエステルを出発原料として用い、リン酸トリエステルと第2級アミンを耐圧容器中、125℃で反応させるリン酸ジエステル塩の製造方法が開示されている。しかしながら、当該製造方法では100℃以上で、30時間以上の反応を行わなければならず、工業スケールでの製造を考慮すると、より短時間での反応が好ましい。また、特許文献3には、オキシ塩化リン等のオキシハロゲン化リンを出発原料として用い、オキシハロゲン化リンと塩基を反応させることでジハロリン酸塩を得た後に、ジハロリン酸塩とヒドロキシ化合物とをPFA容器中で反応させることを特徴とするリン酸ジエステル及びリン酸ジエステル塩の製造方法が開示されている。しかしながら、当該製造方法はオキシ塩化リン等のオキシハロゲン化リンを用いることから、製造時に塩化水素等のガスが発生するため、系外から安全に除去するための設備が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-143139号公報
特開2012-1459号公報
特開2015-166343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、安全性が高く、反応時間の短縮が図れ、リン酸エステル化率が高く、さらには高い選択率でリン酸ジエステルを得る製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、ホスホン酸ジエステルと過酸化水素とをハロゲン化塩の存在下で反応させることにより、オキシ塩化リンの使用を回避し、反応時間を短縮し、リン酸エステル化率が高く、かつ選択的にリン酸ジエステルを製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のものである。
[1] ホスホン酸ジエステルと過酸化水素とを、ハロゲン化塩の存在下で反応させることを特徴とするリン酸ジエステルの製造方法。
[2] 前記ハロゲン化塩が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期表第4~第14族の金属、又はテトラアルキルアンモニウムのハロゲン化塩から選ばれる少なくとも一種である、前記[1]のリン酸ジエステルの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、毒性の低い化合物であるホスホン酸ジエステルを出発原料として用い、短い反応時間で、リン酸エステル化率が高く、かつ選択的にリン酸ジエステルを製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明のリン酸ジエステルの製造方法は、出発原料であるホスホン酸ジエステルと、酸化剤である過酸化水素とを、触媒であるハロゲン化塩の存在下で反応させることを特徴としており、本開示の目的を損なわない範囲において、反応系が溶媒を含んでいてもよい。
以下、本発明の製造方法に使用する各原料及び製造工程について詳細に説明する。
なお、本明細書においては、本発明のリン酸ジエステルの製造方法を単に「製造方法」と称する場合がある。
本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は、「~」の両端(上限及び下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上、5以下を表す。
【0008】
<ホスホン酸ジエステル>
本発明の製造方法には、出発原料として下記の式(1)で示されるホスホン酸ジエステルを使用する。
【0009】
JPEG
2025156003000001.jpg
34
52
【0010】
式(1)中、R

及びR

は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。また、R

とR

は同一であってもよく、異なっていてもよい。
炭化水素基は飽和であっても不飽和であってもよく、脂肪族であっても芳香族であってもよく、脂肪族の場合は直鎖状、分岐状及び環状のいずれの形態であってもよい。炭化水素基として、例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基などの直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、イソノニル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、イソデシル基、イソステアリル基、2-オクチルデシル基、2-オクチルドデシル基、2-ヘキシルデシル基などの分岐状アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状アルキル基などが挙げられる。
また、アルケニル基としては、例えばパルミトレイル基(別名:cis-9-ヘキサデセニル基)、オレイル基(別名:cis-9-オクタデセニル基)、リノレイル基(別名:cis, cis-9,12-オクタデカジエニル基)などが挙げられる。アルキル基やアルケニル基などの脂肪族炭化水素基の炭素数が23以上の場合、入手が困難となる場合がある。
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、及びノニルフェニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、メチルベンジル基、及びメチルフェネチル基等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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