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公開番号
2025173182
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-27
出願番号
2024078638
出願日
2024-05-14
発明の名称
低溶出ポリエチレン樹脂およびそれよりなる射出成形部品
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
C08F
210/02 20060101AFI20251119BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ポリエチレン樹脂を射出成形部品、特に高純度薬品または超純水が接触するフィルタ、継手、バルブ等として使用した場合に、該樹脂の微粒子成分および金属溶出量が少なく、長期保管後も溶出量が少ないポリエチレン樹脂およびそれよりなる射出成形部品を提供する。
【解決手段】エチレン・α―オレフィン共重合体であり、密度が945~955kg/m
3
、MFRが1.0~50g/10分、Mw/Mnが3.0~6.0、分子量1000以下の成分が0.30重量%以下、アルミニウム含有量がポリエチレン樹脂に対して10PPM以下、マグネシウム含有量がポリエチレン樹脂に対して10PPM以下、ケイ素含有量がポリエチレン樹脂に対して1PPM以下のポリエチレン樹脂。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エチレン・α-オレフィン共重合体であり、以下の(1)~(5)の性状を有するポリエチレン樹脂。
(1)密度が945~955kg/m
3
(2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2.0~50g/10分
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~6.0
(4)GPCを用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下の成分が0.30重量%以下
(5)アルミニウム含有量がポリエチレン樹脂に対して10PPM以下
(6)マグネシウム含有量がポリエチレン樹脂に対して10PPM以下
(7)ケイ素含有量がポリエチレン樹脂に対して1PPM以下
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
添加剤を含まない、請求項1に記載のポリエチレン樹脂。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のポリエチレン樹脂からなる射出成形部品。
【請求項4】
射出成形品を超純水に浸漬し、23℃×7日間静置保管後の成形品から溶出する0.1μm以上の微粒子数が2個/mL以下である、請求項3に記載の射出成形部品。
【請求項5】
射出成形品を超純水に浸漬し、23℃×7日間静置保管後の成形品からの金属溶出量が10PPT以下である、請求項3に記載の射出成形部品。
【請求項6】
高純度薬品または超純水が接触する請求項3に記載の射出成形部品。
【請求項7】
請求項6に記載の射出成形部品からなるフィルタ。
【請求項8】
請求項6に記載の射出成形部品からなる継ぎ手。
【請求項9】
請求項6に記載の射出成形部品からなるバルブ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、低溶出ポリエチレン樹脂およびそれよりなる射出成形部品に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体は成膜、レジスト塗布、露光、現像、エッチングなど様々な工程を経て製造されるが、全工程の約3割を洗浄工程が占めている。高純度薬品または超純水は、半導体の製造に不可欠な薬品として使用されている。半導体洗浄薬品としては、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、過酸化水素水、イソプロピルアルコール、リン酸、アンモニア水等が用いられている。
【0003】
近年、電子工業分野の著しい発達に伴って、高純度薬品または超純水に含まれる有機不純物等の微粒子や金属不純物は半導体デバイスの歩留まり低下、欠陥の原因となることから、近年、該微粒子および金属溶不純物の低減への要求は益々厳しくなっており、この厳しい要求を満足させるために、高純度薬品または超純水が通液する射出成形部品の接液部に対するクリーン性の要求も高まっている。射出成形部品としては、フィルタ、バルブ、継手などが挙げられる。
【0004】
該微粒子を低減する方法としては、高純度薬品、超純水をフィルタでろ過する方法が一般的に用いられるが、フィルタを構成する部材に含まれる有機不純物及び金属不純物などについては何ら記載されていない(例えば、特許文献1~6参照。)。また、特定のテトラフルオロエチレン系共重合体を用いる方法があるが、テトラフルオロエチレン系共重合体は高価という課題がある(例えば、特許文献7参照。)。さらに、ポリエチレン樹脂からなる芯成分と鞘成分を備えた鞘芯型複合繊維からなり、繊維内部に含まれるNa、K、Ca、Fe、Cu、Mg、Mn、Li、Al、Cr、Ni及びZnの金属元素の含有量合計が40ppm以下であり、半導体製造工程において用いられる液体濾過フィルタを構成するポリエチレン系繊維が提案されているが、提案されたフィルタ部材の前処理方法について記載されているのみであり、前処理後の微粒子については何ら記載されていない(例えば、特許文献8参照。)。また、目的は異なるものの、特定の分子量成分を有するポリエチレンが提案されているが、金属溶出量については記載されていない(例えば、特許文献9参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-136413号公報
国際公開第2022/004217号
国際公開第2020/184306号
特表2022-525882号公報
特開2022-126355号公報
特許第6787165号公報
特許第7164829号公報
特許第6818038号公報
特許第5620130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、接触する高純度薬品または超純水に有機不純物及び金属不純物などの微粒子の溶出量が極めて低いポリエチレン樹脂およびそれよりなる射出成形部品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、密度、メルトフローレート、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量等の特性、金属の含有量等が特定の性状を有するポリエチレンを使用することにより、ポリエチレン由来の微粒子や重合触媒成分由来の金属不純物が少ない射出成形部品が得られることを見出し、本発明を開発するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の各様態は以下に示す[1]~[9]である。
【0009】
[1] エチレン・α-オレフィン共重合体であり、下記(1)~(7)の要件を満たすポリエチレン樹脂。
【0010】
(1)密度が945~955kg/m
3
(2)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2.0~50g/10分
(3)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~6.0
(4)GPCを用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下の成分が0.30重量%以下
(5)アルミニウム含有量がポリエチレン樹脂に対して10PPM以下
(6)マグネシウム含有量がエチレン樹脂に対して10PPM以下
(7)ケイ素含有量がポリエチレン樹脂に対して1PPM以下
[2]添加剤を含まない、上記[1]に記載のポリエチレン樹脂。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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