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公開番号
2024139518
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-09
出願番号
2023050490
出願日
2023-03-27
発明の名称
センサ素子
出願人
日本碍子株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
27/416 20060101AFI20241002BHJP(測定;試験)
要約
【課題】素子本体と保護層との間の密着強度を維持しつつ、高い耐被水性を有するセンサ素子を提供する。
【解決手段】長尺板状の基体部103、及び、基体部103の長手方向の一方端の側に形成された被測定ガス流通空所15を含む素子本体102と、前記一方端から形成され、素子本体102の表面の長手方向の所定の長さを覆う多孔質の保護層90と、を含むセンサ素子101であって、素子本体102は、一方の主面上に配設された空所外電極23を含み、保護層90は、素子本体102を覆う内層91、及び、内層91よりも外側に位置する外層92を含み、且つ、前記長手方向に、空所外電極23が存在する電極存在領域、及びそれに続く後部領域を有し、内層91の前記後部領域における気孔率は内層91の前記電極存在領域における気孔率よりも低く、外層92の気孔率は内層91の前記後部領域における前記気孔率よりも低い、センサ素子101。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
酸素イオン伝導性の固体電解質層を含む長尺板状の基体部、及び、前記基体部の長手方向の一方端の側に形成された被測定ガス流通空所を含む素子本体と、
前記基体部の長手方向の前記一方端から形成され、前記素子本体の表面の前記長手方向の所定の長さを覆う多孔質の保護層と、
を含むセンサ素子であって、
前記素子本体は、前記被測定ガス流通空所内に配設された空所内電極、及び、前記空所内電極に対応して、前記素子本体の2つの主面のうちの一方の主面上に配設された前記基体部の前記長手方向に所定の長さを有する空所外電極を含み、
前記保護層は、前記素子本体を覆う内層、及び、前記内層よりも外側に位置する外層を含み、且つ、前記基体部の前記長手方向に、前記空所外電極が存在する電極存在領域、及び、前記電極存在領域に続く後部領域を有し、
前記内層の前記後部領域における気孔率は、前記内層の前記電極存在領域における気孔率よりも低く、
前記外層の気孔率は、前記内層の前記後部領域における前記気孔率よりも低い、被測定ガス中の測定対象ガスを検出するセンサ素子。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記保護層の前記後部領域は、前記基体部の前記長手方向に、前記被測定ガス流通空所よりも前記基体部の長手方向の前記一方端から遠い位置まで延びている、請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項3】
前記保護層の前記後部領域のうちの、前記基体部の前記長手方向に、前記被測定ガス流通空所よりも前記基体部の長手方向の前記一方端から遠い領域における気孔率は、前記内層の前記電極存在領域における気孔率よりも低い、請求項2に記載のセンサ素子。
【請求項4】
前記内層の前記後部領域における前記気孔率が、30体積%以上50体積%以下である、請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項5】
前記内層の前記電極存在領域における前記気孔率が、前記内層の前記後部領域における前記気孔率よりも高いことを条件として、40体積%以上80体積%以下である、請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項6】
前記内層の前記後部領域における前記気孔率が、前記内層の前記電極存在領域における前記気孔率よりも5体積%以上低い、請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項7】
前記保護層の前記後部領域は、前記基体部の前記長手方向に、前記被測定ガス流通空所の前記基体部の長手方向の前記一方端から遠い位置まで延びており、
前記内層の前記後部領域における前記気孔率が、前記内層の前記電極存在領域における前記気孔率よりも5%以上低い、請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項8】
前記内層の前記気孔率は、前記基体部の長手方向の前記一方端から、前記基体部の長手方向に段階的に又は連続的に低くなっている、請求項1に記載のセンサ素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定ガス中の測定対象ガスを検出するセンサ素子に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ガスセンサは、自動車の排気ガス等の被測定ガス中の対象とするガス成分(酸素O
2
、窒素酸化物NOx、アンモニアNH
3
、炭化水素HC、二酸化炭素CO
2
等)の検出や濃度の測定に使用されている。このようなガスセンサとしては、ジルコニア(ZrO
2
)等の酸素イオン伝導性の固体電解質を用いたセンサ素子を備えたガスセンサが知られている。
【0003】
このようなガスセンサにおいて、センサ素子への水分の付着に起因する熱衝撃によってセンサ素子の内部構造にクラックが発生することを防止する目的で、センサ素子の表面に多孔質の保護層を形成することが知られている。すなわち、素子本体と前記素子本体を覆う多孔質の保護層を備えるセンサ素子が知られている。例えば、特開2014-098590号公報、及び国際公開WO2020/203029号公報には、多層の保護層が開示されており、保護層には、内側の層と、内側の層よりも気孔率の低い外側の層を含んでいることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-098590号公報
国際公開WO2020/203029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガスセンサが測定対象ガスの測定を行う際には、センサ素子が高温(例えば、800℃程度)になる。このような高温のセンサ素子への水分が付着すると、熱衝撃によってセンサ素子の内部構造にクラックが発生するという問題がある。
【0006】
内側の層(内層)と、内層よりも気孔率の低い外側の層(外層)を含む保護層(例えば、上述の特開2014-098590号公報、及び国際公開WO2020/203029号公報)において、内層の気孔率を高くすると、保護層の断熱性能は向上する。その結果、センサ素子に水が掛かった(被水)場合のセンサ素子の内部構造のクラックの発生がより抑制されうる。すなわち、センサ素子の耐被水性が向上し得る。
【0007】
しかしながら、保護層の内層の気孔率が高いほど、素子本体と内層との間の密着強度が低下することが懸念される。
【0008】
そこで、本発明は、素子本体と保護層との間の密着強度を維持しつつ、高い耐被水性を有するセンサ素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討の結果、前記素子本体の表面の前記長手方向の少なくとも一部を覆う多孔質の保護層において、前記保護層の内層のうちの後部領域における気孔率を、電極が存在する領域(前記内層のうちの前記素子本体の長手方向の概ね中央の領域)における気孔率よりも低くすることにより、素子本体と保護層との間の密着強度を維持しつつ、高い耐被水性を維持できることを見出した。
【0010】
本発明には、以下の発明が含まれる。
(【0011】以降は省略されています)
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