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公開番号
2024164719
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-27
出願番号
2023080401
出願日
2023-05-15
発明の名称
応答時間評価方法
出願人
株式会社明電舎
代理人
個人
,
個人
主分類
G01M
17/007 20060101AFI20241120BHJP(測定;試験)
要約
【課題】元の評価信号に含まれるノイズの大きさに応じた処理を施すことにより、精度良く評価信号の応答時間を評価することができる応答時間評価方法を提供すること。
【解決手段】応答時間評価方法は、ステップ入力信号を制御対象に入力したときに制御対象から出力される評価信号の時系列データx(i)を取得するステップと、ステップ入力信号の定常区間内に定められた長さNのノイズ標本区間にわたる時系列データx(i)の不偏分散σ
n
2
を算出するステップと、離散時刻iを中心としかつ長さNPの平滑化区間にわたる時系列データx(i)の標本分散及び移動平均の時系列データσ
np
2
(i),x
ma
(i)を算出するステップと、時系列データσ
np
2
(i),x
ma
(i)に基づいて平滑化信号の時系列データy(i)を算出するステップと、時系列データy(i)に基づいて評価信号の応答時間を算出するステップと、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
制御対象から出力される評価信号の応答時間評価方法であって、
(A)ステップ状に変化するステップ入力信号を前記制御対象に入力したときに前記制御対象から出力される前記評価信号の時系列データx(i)(以下、iは離散時刻を表すパラメータとする)を取得するステップと、
(B)前記ステップ入力信号の定常区間内に定められたノイズ標本区間にわたる前記時系列データx(i)の分散σ
n
2
を算出するステップと、
(C)離散時刻iを中心としかつ前記ノイズ標本区間以下の長さの平滑化区間にわたる前記時系列データx(i)の分散の時系列データσ
np
2
(i)及び移動平均の時系列データx
ma
(i)と、下記式(1)によって定義される平滑化信号の時系列データy(i)と、を算出するステップと、
(D)前記時系列データy(i)に基づいて前記評価信号の応答時間を算出するステップと、を備えることを特徴とする応答時間評価方法。
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2024164719000007.tif
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【請求項2】
前記ステップ(D)では、前記ステップ入力信号の立ち上がり時刻から、前記時系列データy(i)が前記ステップ入力信号に基づいて定められた閾値を超えた時刻までの間の時間を前記応答時間として算出することを特徴とする請求項1に記載の応答時間評価方法。
【請求項3】
前記定常区間は、前記ステップ入力信号がステップ状に変化する前又は後の区間であることを特徴とする請求項1に記載の応答時間評価方法。
【請求項4】
前記制御対象は、前記入力信号に応じて回転する回転体を備えることを特徴とする請求項1に記載の応答時間評価方法。
【請求項5】
前記ステップ(C)では、前記時系列データσ
np
2
(i)の前記定常区間内におけるピーク値σ
peak
2
が、前記分散σ
n
2
を含むように定められた分散設定範囲内に収まるように、前記平滑化区間の長さである平滑化区間長を最適化することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の応答時間評価方法。
【請求項6】
前記ステップ(C)では、前記時系列データσ
np
2
(i)の前記定常区間内におけるピーク値σ
peak
2
が、前記分散σ
n
2
を含むように定められた分散設定範囲内に収まり、かつ前記定常区間内における前記時系列データy(i)が前記ステップ入力信号に応じた指令値を含むように定められた信号設定範囲内に収まるように、前記平滑化区間の長さである平滑化区間長を最適化することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の応答時間評価方法。
【請求項7】
ダイナモメータと、
当該ダイナモメータへ入力信号に応じた電力を供給するインバータと、
前記ダイナモメータの速度又はトルクに応じた評価信号を出力する評価信号出力部と、を備えるダイナモメータシステムにおける前記評価信号の応答時間評価方法であって、
(A)ステップ状に変化するステップ入力信号を前記インバータに入力したときに前記センサから出力される前記評価信号の時系列データx(i)(以下、iは離散時刻を表すパラメータとする)を取得するステップと、
(B)前記ステップ入力信号の定常区間内に定められたノイズ標本区間にわたる前記時系列データx(i)の分散σ
n
2
を算出するステップと、
(C)離散時刻iを中心としかつ前記ノイズ標本区間以下の長さの平滑化区間にわたる前記時系列データx(i)の分散の時系列データσ
np
2
(i)及び移動平均の時系列データx
ma
(i)と、下記式(2)によって定義される平滑化信号の時系列データy(i)と、を算出するステップと、
(D)前記時系列データy(i)に基づいて前記評価信号の応答時間を算出するステップと、を備えることを特徴とする応答時間評価方法。
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発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答時間評価方法に関する。より詳しくは、制御対象又はダイナモメータシステムから出力される評価信号の応答時間を評価する応答時間評価方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
車両の電力消費率、燃料消費率、及び排気浄化性能等を測定、評価する試験では、シャシダイナモメータシステムが用いられる。シャシダイナモメータシステムは、試験対象となる車両の車輪が載置されるローラとこのローラに連結されたダイナモメータとを備え、ローラ上で走行する車両に対してころがり抵抗や慣性抵抗等の実走行時に発生する走行抵抗をダイナモメータ及びローラを用いて与えることにより、実走行条件に近い条件を再現する。
【0003】
またこのようなシャシダイナモメータシステムを用いた試験では、試験による測定結果や評価結果を保証するため、ダイナモメータの応答時間が適切であったかどうかも評価する必要がある。また応答時間は、ステップ状に変化する入力信号を制御対象に対して入力したときに、制御対象から出力される所定の評価信号の変化を測定することによって算出する場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-148844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また多くの場合、センサから出力される評価信号にはノイズが含まれているため、特許文献1に記載の技術では、評価信号の時系列データに対しメディアンフィルタ処理を施すことにより、評価信号の立ち上がりに遅れを生じさせないようにしながら元の評価信号に含まれているノイズを除去している。より具体的には、特許文献1に記載の技術では、メディアンフィルタ処理を経た信号が所定の上限と下限との間の範囲内に収まるように、メディアンフィルタの時間幅を最適化している。
【0006】
このため特許文献1に記載の技術によれば、評価信号のS/N比が大きい場合であれば、精度良く評価信号の応答時間を算出することができる。しかしながらS/N比が小さくなると、メディアンフィルタ処理によって過剰に平滑化してしまい、精度良く応答時間を算出することができなくなるおそれがある。
【0007】
本発明は、元の評価信号に含まれるノイズの大きさに応じた処理を施すことにより、精度良く評価信号の応答時間を評価することができる応答時間評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る応答時間評価方法は、制御対象から出力される評価信号の応答時間評価方法であって、(A)ステップ状に変化するステップ入力信号を前記制御対象に入力したときに前記制御対象から出力される前記評価信号の時系列データx(i)(以下、iは離散時刻を表すパラメータとする)を取得するステップと、(B)前記ステップ入力信号の定常区間内に定められたノイズ標本区間にわたる前記時系列データx(i)の分散σ
n
2
を算出するステップと、(C)離散時刻iを中心としかつ前記ノイズ標本区間以下の長さの平滑化区間にわたる前記時系列データx(i)の分散の時系列データσ
np
2
(i)及び移動平均の時系列データx
ma
(i)と、下記式(1)によって定義される平滑化信号の時系列データy(i)と、を算出するステップと、(D)前記時系列データy(i)に基づいて前記評価信号の応答時間を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
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【0009】
(2)この場合、前記ステップ(D)では、前記ステップ入力信号の立ち上がり時刻から、前記時系列データy(i)が前記ステップ入力信号に基づいて定められた閾値を超えた時刻までの間の時間を前記応答時間として算出することが好ましい。
【0010】
(3)この場合、前記定常区間は、前記ステップ入力信号がステップ状に変化する前又は後の区間であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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