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公開番号
2024161784
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-20
出願番号
2023076807
出願日
2023-05-08
発明の名称
レーダ装置
出願人
株式会社デンソー
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01S
7/40 20060101AFI20241113BHJP(測定;試験)
要約
【課題】感度の低下を抑制した温度検出が可能なレーダ装置を、提供する。
【解決手段】レーダ装置の送信アンテナ及び受信アンテナは、仮想アンテナの群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない異配線長組が少なくとも1組含まれ、且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属す所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置される。制御ユニットは、所属組における仮想アンテナ同士の受信信号の比較結果に基づき、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた受信信号の位相差及び振幅差の少なくとも一方に関する誤差情報を取得する。制御ユニットは、収容ユニットの内部温度に関連する温度情報を誤差情報に応じて推定する。
【選択図】図7
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
前記受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
前記送信アンテナ、前記受信アンテナ、前記送信回路、前記受信回路及び前記制御ユニットを収容する収容ユニット(7)と、
を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない前記仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ前記特有組及び前記異配線長組の少なくとも一方に属する前記仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
前記制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の前記所属組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号の比較結果に基づき、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた前記受信信号の位相差及び振幅差の少なくとも一方に関する誤差情報を取得する誤差取得部(64)と、
前記収容ユニットの内部温度に関連する温度情報を前記誤差情報に応じて推定する推定部(65)と、
を有するレーダ装置。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
等間隔に配置された複数の送信アンテナ(TX)及び等間隔に配置された複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
前記受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
前記送信アンテナ、前記受信アンテナ、前記送信回路、前記受信回路及び前記制御ユニットを収容する収容ユニット(7)と、
を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない前記仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ前記特有組及び前記異配線長組の少なくとも一方に属する前記仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
前記制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の前記所属組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号の比較結果に基づき、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた前記受信信号の位相差及び振幅差の少なくとも一方に関する誤差情報を取得する誤差取得部(64)と、
前記収容ユニットの内部温度に関連する温度情報を前記誤差情報に応じて推定する推定部(65)と、
を有するレーダ装置。
【請求項3】
前記誤差情報に応じた推定と異なる方法により前記温度情報を検出する温度センサ(5)をさらに備え、
前記制御ユニットは、
前記推定部により推定された前記温度情報と、前記温度センサにより検出された前記温度情報と、の比較結果に応じて前記温度センサの故障有無を診断する診断部(66)をさらに備える請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記診断部は、前記温度センサが故障していると判定した場合に、前記温度センサの故障を通知する通知情報を出力する請求項3に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記誤差取得部は、異なる前記送信回路間の位相差をさらに取得し、
前記温度情報に応じた異なる前記送信回路間の位相差と、前記誤差取得部にて取得された前記送信回路間の位相差と、の比較結果に応じて、前記送信回路の故障有無を診断する診断部(66)を備える請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記誤差取得部は、異なる前記受信回路間の位相差をさらに取得し、
前記温度情報に応じた異なる前記受信回路間の位相差と、前記誤差取得部にて取得された前記受信回路間の位相差と、の比較結果に応じて、前記受信回路の故障有無を診断する診断部(66)を備える請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、前記所属組における前記仮想アンテナ同士の配線長差分が許容差分範囲に達する配線長にて配置されている請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーダ技術に、関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーダ装置が開示されている。このレーダ装置は、平面平板に配置された複数の素子アンテナと、温度センサと、信号処理部と、を備えている。信号処理部は、温度センサにより本体の内部温度を監視する。信号処理部は、予め記憶された温度補正データに基づいて、平面平板の熱膨張に起因する素子アンテナ間の距離誤差を決定する。信号処理部は、距離誤差に基づいて、各素子アンテナの受信信号における位相補正量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4484892号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、特許文献1のようなレーダ装置における温度センサには、サーミスタが用いられる。しかし、サーミスタは、低温及び高温で感度が低下し得る。
【0005】
本開示の課題は、感度の低下を抑制した温度検出が提供可能なレーダ装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
送信アンテナ、受信アンテナ、送信回路、受信回路及び制御ユニットを収容する収容ユニット(7)と、
を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属する仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号の比較結果に基づき、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた受信信号の位相差及び振幅差の少なくとも一方に関する誤差情報を取得する誤差取得部(64)と、
収容ユニットの内部温度に関連する温度情報を誤差情報に応じて推定する推定部(65)と、
を有するレーダ装置である。
【0008】
本開示の第二態様は、等間隔に配置された複数の送信アンテナ(TX)及び等間隔に配置された複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
受信信号を処理する制御ユニット(6)と、
送信アンテナ、受信アンテナ、送信回路、受信回路及び制御ユニットを収容する収容ユニット(7)と、
を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属する仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
制御ユニットは、
少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号の比較結果に基づき、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた受信信号の位相差及び振幅差の少なくとも一方に関する誤差情報を取得する誤差取得部(64)と、
収容ユニットの内部温度に関連する温度情報を誤差情報に応じて推定する推定部(65)と、
を有するレーダ装置である。
【0009】
これらの態様によると、仮想アンテナの配線長差分に応じた誤差情報から、温度情報が推定される。配線長差分に応じた誤差情報は、温度に応じた線膨張による配線長変化に由来するが、線膨張による配線長変化は、温度に対して線形である。故に、低温及び高温でも、温度検出の感度低下が抑制され得る。したがって、感度の低下を抑制した温度検出が、可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第一実施形態におけるレーダ装置の基本構成を示す概略図である。
第一実施形態における送信回路と送信アンテナ、受信回路と受信アンテナの組み合わせ例を示す模式図である。
第一実施形態における送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す模式図である。
第一実施形態において想定される仮想アンテナを示す模式図である。
第一実施形態による制御ユニットの機能構成を示すブロック図である。
第一実施形態による制御フローを示すフローチャートである。
図6の制御フローの続きを示すフローチャートである。
補償処理に利用する仮想アンテナの組の一例を示す表である。
配線長差と位相誤差の関係の一例を示すグラフである。
温度とパラメータKとの関係の一例を示すグラフである。
送信回路間の位相誤差と温度との関係を示すグラフである。
受信回路間の位相誤差と温度との関係を示すグラフである。
第二実施形態における送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す模式図である。
第二実施形態において想定される仮想アンテナを示す模式図である。
第三実施形態における送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す模式図である。
第三実施形態において想定される仮想アンテナを示す模式図である。
補償処理に利用する仮想アンテナの組の一例を示す表である。
第三実施形態における送信回路と送信アンテナ、受信回路と受信アンテナの組み合わせ例を示す模式図である。
第三実施形態における送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す模式図である。
第三実施形態において想定される仮想アンテナを示す模式図である。
第三実施形態において想定される仮想アンテナ同士の配線長の相対関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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