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公開番号
2024141109
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052578
出願日
2023-03-29
発明の名称
ハニカム構造体の製造方法及び検査装置
出願人
日本碍子株式会社
代理人
弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
主分類
G01N
21/95 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約
【課題】ハニカム構造体の端面に関し所定の欠陥種類の欠陥の過剰検出を低減する。
【解決手段】ハニカム構造体の製造方法が、第1の端面から第2の端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体の第1の端面の少なくとも一部が写っている被検画像から複数の断片画像を抽出し、画像を入力とし種類を出力とする学習モデルに、当該複数の断片画像をそれぞれ入力することで、当該複数の断片画像の各々について当該断片画像を分類する。製造方法が、所定の欠陥種類に分類された断片画像に属するセルである不良セルの数に基づいて第1の端面に欠陥があるか否かを判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の端面から第2の端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体の製造方法において、
前記ハニカム構造体の第1の端面の少なくとも一部が写っている被検画像から複数の断片画像を抽出し、画像を入力とし種類を出力とする学習モデルに、当該複数の断片画像をそれぞれ入力することで、当該複数の断片画像の各々について当該断片画像を分類するモデルベース分類ステップと、
所定の欠陥種類に分類された断片画像に属するセルである不良セルの数に基づいて前記第1の端面に欠陥があるか否かを判定するルールベース判定ステップと
を有する製造方法。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記ルールベース判定ステップは、
所定の欠陥種類の候補に分類された断片画像に属するセルである最終候補セルが所定のルールを満たすか否かのルールベース判定を行うステップと、
当該ルールベース判定の結果が真である最終候補セルと不良セルとみなすステップと
を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記被検画像は、処理用画像の少なくとも一部であり、
前記処理用画像は、前記第1の端面の高角度照明画像と、前記第1の端面の低角度照明画像とのうちの高角度照明画像であり、
前記高角度照明画像は、前記第1の端面に対し形成される角度が高角度である光が照射されている前記第1の端面の撮影画像データが表す画像であり、
前記低角度照明画像は、前記第1の端面に対し形成される角度が低角度である光を照射されている前記第1の端面の撮影画像データが表す画像であり、
前記所定の欠陥種類は、セル変形であり、
前記学習モデルは、セル変形用の深層学習モデルであり、
前記所定のルールは、前記低角度照明画像に写っているセルのセル開口に関するルールである、
請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記高角度照明画像に写っている各セルについて、当該セルがセル開口に関する所定の別のルールを満たすか否かの判定である別のルールベース判定を行うルールベース分類ステップを更に有し、
前記被検画像は、前記処理用画像の一部であって、前記別のルールベース判定の結果が真であるセルである不良候補セルが写っている画像である、
請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記所定の別のルールは、前記高角度照明画像において、セル開口の内接円の径が第1の径サイズ未満、又は、セル開口の面積が第1の面積未満であり、
前記所定のルールは、前記低角度照明画像において、セル開口の内接円の径が第2の径サイズ未満、又は、セル開口の面積が第2の面積未満である、
請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記所定の欠陥種類は、クラックであり、
前記学習モデルは、クラック用の深層学習モデルである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1の端面に欠陥があるか否かの判定の結果を表す情報を含んだ検査結果情報に基づき検査結果を表示させる表示制御ステップを更に有し、
前記検査結果は、
前記第1の端面に前記所定の欠陥種類の欠陥があるか否かの判定結果と、
前記判定結果の理由であって、前記所定の欠陥種類の欠陥があるとの条件が満たされたか否かを含んだ理由と
を含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
モデル管理ステップを更に有し、
前記学習モデルは、深層学習モデルであり、
断片画像毎に当該断片画像と当該断片画像に対応の種類とを含んだ教師データの量が一定量未満の場合、
当該教師データでは、前記教師データにおける断片画像毎に、当該断片画像が、前記所定の欠陥種類に属する二つ以上の詳細種類のいずれか、又は、非欠陥種類に属する二つ以上の詳細種類のいずれかに分類されており、
前記モデル管理ステップは、当該教師データを用いて、前記深層学習モデルを学習することを含む、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
第1の端面から第2の端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体の第1の端面の少なくとも一部が写っている被検画像から複数の断片画像を抽出し、画像を入力とし種類を出力とする学習モデルに、当該複数の断片画像をそれぞれ入力することで、当該複数の断片画像の各々について当該断片画像を分類するモデルベース処理部と、
所定の欠陥種類に分類された断片画像に属するセルである不良セルの数に基づいて前記第1の端面に欠陥があるか否かを判定するルールベース処理部と
を備える検査装置。
【請求項10】
第1の端面から第2の端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体の第1の端面の少なくとも一部が写っている被検画像から複数の断片画像を抽出し、画像を入力とし種類を出力とする学習モデルに、当該複数の断片画像をそれぞれ入力することで、当該複数の断片画像の各々について当該断片画像を分類し、
所定の欠陥種類に分類された断片画像に属するセルである不良セルの数に基づいて前記第1の端面に欠陥があるか否かを判定する、
ことをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ハニカム構造体の製造技術に関し、具体的には、例えば、ハニカム構造体の端面の検査技術に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ハニカム構造体の製造方法に、ハニカム構造体の検査が含まれ得ることが知られている。ハニカム構造体の検査に関する技術として、例えば、特許文献1に開示の検査装置が知られている。特許文献1には、次のことが開示されている。すなわち、検査装置は、ハニカム構造体の端面に40°以上の角度で光を照射しながら当該端面の第1の処理用画像データを得て、当該端面に40°未満の角度で光を照射しながら当該端面の第2の処理用画像データを得て、得られた第1の処理用画像データと第2の処理用画像データとを比較してクラックを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2017/073628
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハニカム構造体の端面の検査において、クラックの検出精度の一層の向上を目的として、得られた画像を学習モデルに入力する方法が考えられる。しかし、その方法では、クラックの過剰検出が懸念される。理由の一つは次の通りである。
【0005】
すなわち、学習モデルに入力される画像は、欠陥が写っている箇所の画像、つまり、欠陥全体が写っている画像である。このため、欠陥がクラックの場合、学習モデルには、クラック全体の画像が入力されることになる。
【0006】
しかし、欠陥種類がクラックであると精度良く判定できる程に学習モデルを学習させることは難しい。その理由の一つとして、クラックの長さは様々であり、クラックによっては、クラックが写っている画像が、広範囲の画像となり得ることがある。広範囲の画像では、クラックが写っている領域よりもクラックが写っていない領域の方が広いことがあり、故に、クラックの特徴が小さく、結果として、学習モデルの精度が下がる。また、クラックが写っていない領域には、クラック以外の欠陥(例えばチッピング)が写っている可能性があり、クラックと共にクラック以外の欠陥も一つの画像に写っていると、クラックの特徴が不正確となり、結果として、学習モデルの精度が下がる。
【0007】
このような理由から、精度良く学習モデルを学習させることが難しく、故に、クラック以外の欠陥の画像が学習モデルに入力されても欠陥種類がクラックであると過剰検出がされるおそれがある。また、このような課題は、クラックとは別の所定種類の欠陥(例えば、所定種類のセル変形)についても有り得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ハニカム構造体の製造方法が、モデルベース分類ステップと、ルールベース判定ステップとを有する。モデルベース分類ステップは、第1の端面から第2の端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体の第1の端面の少なくとも一部が写っている被検画像から複数の断片画像を抽出し、画像を入力とし種類を出力とする学習モデルに、当該複数の断片画像をそれぞれ入力することで、当該複数の断片画像の各々について当該断片画像を分類することを含む。ルールベース判定ステップは、所定の欠陥種類に分類された断片画像に属するセルである不良セルの数に基づいて第1の端面に欠陥があるか否かを判定することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、学習モデルに入力される画像は、断片画像であるため、判定精度の高い学習モデルを用意することができ、以って、ハニカム構造体の端面に関し所定の欠陥種類の欠陥の過剰検出を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る検査システムの構成を模式的に示す。
ハニカム構造体の第1の端面の平面視の模式図である。
ハニカム構造体の斜視図である。
制御デバイスの構成を示す。
端面検査の処理の概要を示す。
端面検査の一例を模式的に示す。
深層学習モデルの学習を模式的に示す。
S402A(クラック個別判定)を模式的に示す。
S402B(セル変形個別判定)を模式的に示す。
S401B(セル変形全体判定)、S402B(セル変形個別判定)及びS403B(セル変形最終判定)の詳細を示す。
第1変形の例を示す。
第2変形の例を示す。
変形候補の例を示す。
モデル管理部が行う学習処理の流れを示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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