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公開番号2024140914
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052281
出願日2023-03-28
発明の名称ハニカム構造体、電気加熱型担体及び排ガス浄化装置
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類B01J 35/57 20240101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】中央部と外周部における排ガスの流量差を緩和することのできるハニカム構造体を提供する。
【解決手段】導電性の柱状ハニカム構造部と一対の電極層112a、112bとを備える柱状ハニカム構造体110であって、セル115の延びる方向の垂直断面において、径方向に座標軸を取り、重心Oの座標値を0、外周壁の外表面の座標値を1.0Rとしたとき、0~0.7R(中央部)における第一端面116から第二端面までのセルの延びる方向のハニカム構造部の平均長さR1と、0.7R~1.0R(外周部)におけるハニカム構造部の平均長さR2とが、0.5≦R2/R1<1.0を満たし、平均長さR1は、前記中央部における第一端面から第二端面までのセルの延びる方向のハニカム構造部の長さの最大値の99%以上の長さを有し、中央部に位置する複数のセル及び外周部に位置する複数のセルは共に流体の流路を形成している、柱状ハニカム構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、第一端面から第二端面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する導電性の柱状ハニカム構造部と、
前記外周壁の外表面に設けられて前記セルの延びる方向に帯状に延び、前記ハニカム構造部の中心軸を挟んで対向するように設けられた一対の電極層と、
を備え、
前記セルの延びる方向に垂直な断面において、径方向に座標軸を取り、重心Oの座標値を0、前記外周壁の外表面の座標値を1.0Rとしたとき、座標値が0~0.7Rの範囲にある中央部における第一端面から第二端面までのセルの延びる方向の前記ハニカム構造部の平均長さR1と、座標値が0.7R~1.0Rの範囲にある外周部における第一端面から第二端面までのセルの延びる方向の前記ハニカム構造部の平均長さR2とが、0.5≦R2/R1<1.0を満たし、
平均長さR1は、前記中央部における第一端面から第二端面までの前記セルの延びる方向のハニカム構造部の長さの最大値の99%以上の長さを有し、
前記中央部に位置する前記複数のセル及び前記外周部に位置する前記複数のセルは共に流体の流路を形成している、
柱状ハニカム構造体。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
0.7≦R2/R1<1.0である請求項1に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項3】
前記中央部における第一端面から第二端面までのセルの延びる方向の前記ハニカム構造部の長さの最大値と最小値の差が1mm以下である請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項4】
前記中央部における開口率と前記外周部における開口率が同一である請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項5】
前記中央部における開口率が、前記外周部における開口率の0.7~0.95倍である請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体と、
前記一対の電極層のそれぞれの外表面に接合された電極端子と、
を備える電気加熱型担体。
【請求項7】
請求項6に記載の電気加熱型担体と、
前記電気加熱型担体を収容する金属管であって、前記電気加熱型担体の前記外周壁のみと嵌合する金属管と、
を備える排ガス浄化装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はハニカム構造体に関する。また、本発明はハニカム構造体を備える電気加熱型担体に関する。また、本発明は電気加熱型担体を備える排ガス浄化装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、コージェライトや炭化珪素を材料とするハニカム構造体に触媒を担持したものが、自動車エンジンから排出された排ガス中の有害物質の処理に用いられている。ハニカム構造体に担持した触媒によって排ガスを処理する場合、触媒を所定の温度まで昇温する必要があるが、エンジン始動時には、触媒温度が低いため、排ガスが十分に浄化されないという問題が従来生じていた。そこで、導電性セラミックス製のハニカム構造体に電極を配設し、通電によりハニカム構造体自体を発熱させることで、ハニカム構造体に担持された触媒をエンジン始動前又はエンジン始動時に活性温度まで昇温する電気加熱触媒(EHC)と呼ばれるシステムが開発されてきた。
【0003】
EHCは一般に、外周壁、及び、外周壁の内側に配設され、第一端面から第二端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁を有する導電性のハニカム構造部と、ハニカム構造部の外周壁に配設された一対の電極層とを備える。EHCでは、一対の電極層に端子を接続して電圧を印加することで通電すると、導電抵抗体であるハニカム構造部内を電気が流れることによるジュール熱で発熱する。
【0004】
EHCにおいては、外周部よりも中央部に多くの排ガスが流れやすい。このため、排ガスが流れるとEHC内で温度分布に偏りが生じ、熱膨張差が広がることでクラックが生じる場合があった。このため、EHCにおいては、ハニカム構造部内での温度分布を均一化して、高温部と低温部との温度差による熱応力でクラックが発生するのを防止することが望まれている。
【0005】
このような背景の下、特許文献1においては、中央部の開口率を外周部の開口率の0.70~0.95倍にすることが提案されている。これによって、中央部の電気抵抗率が外周部の電気抵抗率より低くなり、ハニカム構造体に電圧を印加したときに中央部に多くの電流が流れ、中央部が従来よりも早く発熱するようになるとされている。
【0006】
また、特許文献2においては、温度分布の均一化を狙った発明ではないが、ハニカム構造体の軸方向長さを短くしながらも、金属ケースによってハニカム構造体を確実に把持するために、外周部の外周面における軸方向長さが中央部の軸方向長さよりも短く、外周部の端面がハニカム構造体を把持するための把持用端面を構成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2015/151823号
国際公開第2021/181758号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1において提案されているように、中央部の開口率を外周部の開口率の0.70~0.95倍にすることで、中央部の開口率が外周部の開口率と同じ場合に比べ、外周部に排ガスが流れやすくなる。このため、ハニカム構造体の中央部と外周部における排ガスの流量差が緩和され、温度分布の偏りが緩和されることで、熱応力によるクラックの発生を抑制する効果が得られる。しかしながら、特許文献1に記載の発明が実現できる排ガス分布の均一化には限界があり、ハニカム構造体の耐熱衝撃性の更なる改善が望まれている。
【0009】
特許文献2に記載の発明では、外周部の外周面における軸方向長さが中央部の軸方向長さよりも短いが、外周部の端面がハニカム構造体を把持するための把持用端面を構成することから、外周部には排ガスは流れない。このため、ハニカム構造体の中央部と外周部における排ガスの流量差を緩和する効果は得られない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、従来とは異なる手法で中央部と外周部における排ガスの流量差を緩和することのできるハニカム構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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