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公開番号2024141833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053680
出願日2023-03-29
発明の名称ガスセンサの動作方法および濃度測定装置
出願人日本碍子株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 27/416 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】発熱反応を生じ得るガス種が共存する被測定ガスの導入環境下でも好適に使用可能なガスセンサの動作方法を提供する。
【解決手段】ヒータエレメントに対する通電が所定のDuty比にて行われることによりヒータ部にて加熱されるセンサ素子が通常駆動温度にある状態で、ヒータ部におけるDuty比をモニタし、Duty比の駆動温度に対応した通常値からの減少が検知された場合、Duty比をさらに低減させてセンサ素子の温度を所定の保護駆動温度にまで低減させ、所定の保護駆動時間が経過した時点でDuty比を増大させることにより、センサ素子を保護駆動温度から前記通常駆動温度に復帰させ、センサ素子が通常駆動温度に復帰したときのDuty比が通常値よりも小さい場合はDuty比を再び低減させて、センサ素子の温度を保護駆動温度にまで低減させる、ようにした。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
酸素イオン伝導性の固体電解質にて構成された基体部を有しかつ被測定ガスに含まれる所定ガス成分の濃度を特定可能に構成されたセンサ素子を備える、ガスセンサの動作方法であって、
前記センサ素子が、Duty比に従いヒータエレメントに対し通電が行われることにより前記センサ素子を加熱するヒータ部を備えるものであり、
前記ガスセンサにおいては、前記センサ素子の前記ヒータエレメントが備わる側の端部が、前記被測定ガスが導入される保護カバー内に突出しており、
前記ヒータ部に前記センサ素子を所定の通常駆動温度にまで加熱昇温させるとともに、前記ガスセンサを前記所定ガス成分の測定が可能な駆動状態とするセンサ始動工程と、
前記ヒータ部における前記Duty比をモニタするモニタ工程と、
前記センサ素子の温度と前記モニタ工程において得られる前記Duty比の値とに基づいて前記センサ素子の温度を制御する温度制御工程と、
を備え、
前記温度制御工程においては、
前記センサ素子が前記通常駆動温度にある状態で、前記モニタ工程において前記Duty比の前記通常駆動温度に対応した通常値からの減少が検知された場合、前記Duty比をさらに低減させて前記センサ素子の温度を所定の保護駆動温度にまで低減させ、
前記センサ素子の温度を前記保護駆動温度に低減させてから所定の保護駆動時間が経過した時点で、前記Duty比を増大させることにより、前記センサ素子を前記保護駆動温度から前記通常駆動温度に復帰させ、
前記センサ素子が前記通常駆動温度に復帰したときの前記Duty比が前記通常値よりも小さい場合は前記Duty比を再び低減させて、前記センサ素子の温度を前記保護駆動温度にまで低減させる、
ことを特徴とする、ガスセンサの動作方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のガスセンサの動作方法であって、
前記保護駆動温度が、あらかじめ特定された、前記被測定ガスに含まれる酸素と水素との反応により発生する熱応力により前記センサ素子にクラックが発生しない温度である、
ことを特徴とする、ガスセンサの動作方法。
【請求項3】
請求項2に記載のガスセンサの動作方法であって、
前記通常駆動温度が750℃超~900℃であり、
前記保護駆動温度が750℃以下である、
ことを特徴とする、ガスセンサの動作方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサの動作方法であって、
前記ガスセンサとして限界電流型のガスセンサを用い、
前記センサ素子が、
前記ヒータエレメントが備わる側の端部に設けられた、前記被測定ガスが導入されるガス導入口と、
拡散律速部を介して前記ガス導入口と連通してなる、測定用内部空所と、
前記測定用内部空所に設けられた測定電極と、前記測定用内部空所以外の箇所に設けられてなる空所外ポンプ電極と、前記測定電極と前記空所外ポンプ電極との間に存在する前記固体電解質とから構成された測定ポンプセルと、
備えることを特徴とする、ガスセンサの動作方法。
【請求項5】
被測定ガスに含まれる所定ガス成分の濃度を特定可能に構成されたガスセンサと、制御手段とを備える濃度測定装置であって、
前記ガスセンサが、
酸素イオン伝導性の固体電解質にて構成された基体部を有しかつ被測定ガスに含まれる所定ガス成分の濃度を特定可能に構成されたセンサ素子と、
前記被測定ガスが導入される保護カバーと、
前記センサ素子の動作を制御するセンサコントローラと、
を備え、
前記センサ素子が、前記制御手段の制御に基づき前記センサコントローラが設定するDuty比に従いヒータエレメントに対し通電されることによって前記センサ素子を加熱する、ヒータ部を備え、
前記センサ素子の前記ヒータエレメントが備わる側の端部が、前記保護カバー内に突出しており、
前記制御手段は、
前記センサコントローラに、前記ヒータ部によって前記センサ素子を所定の通常駆動温度にまで加熱昇温させるとともに、前記ガスセンサを前記所定ガス成分の測定が可能な状態とさせ、
前記センサコントローラが設定する前記ヒータ部における前記Duty比をモニタし、かつ、
前記センサ素子の温度とモニタしている前記Duty比の値とに基づいて前記センサコントローラに前記センサ素子の温度を制御させるように、
構成されており、
前記センサ素子が前記通常駆動温度にある状態で、前記Duty比の前記通常駆動温度に対応した通常値からの減少を検知した場合、前記センサコントローラに前記Duty比をさらに低減させることによって前記センサ素子の温度を所定の保護駆動温度にまで低減させ、
前記センサ素子の温度を前記保護駆動温度に低減させてから所定の保護駆動時間が経過した時点で、前記センサコントローラに前記Duty比を増大させることにより、前記センサ素子を前記保護駆動温度から前記通常駆動温度に復帰させ、
前記センサ素子が前記通常駆動温度に復帰したときの前記Duty比が前記通常値よりも小さい場合は前記センサコントローラに前記Duty比を再び低減させて、前記センサ素子の温度を前記保護駆動温度にまで低減させる、
ことを特徴とする、濃度測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の濃度測定装置であって、
前記保護駆動温度は、前記被測定ガスに含まれる酸素と水素との反応により発生する熱応力により前記センサ素子にクラックが発生しない温度である、
ことを特徴とする、濃度測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の濃度測定装置であって、
前記通常駆動温度が750℃超~900℃であり、
前記保護駆動温度が750℃以下である、
ことを特徴とする、濃度測定装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の濃度測定装置であって、
前記ガスセンサが、限界電流型のガスセンサであり、
前記センサ素子が、
前記ヒータエレメントが備わる側の端部に設けられた、前記被測定ガスが導入されるガス導入口と、
拡散律速部を介して前記ガス導入口と連通してなる、測定用内部空所と、
前記測定用内部空所に設けられた測定電極と、前記測定用内部空所以外の箇所に設けられてなる空所外ポンプ電極と、前記測定電極と前記空所外ポンプ電極との間に存在する前記固体電解質とから構成された測定ポンプセルと、
を備えることを特徴とする、濃度測定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気管に設けられてなるガスセンサの動作方法に関し、特に、酸素と水素の共存下で使用されるガスセンサの温度制御に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ガソリン車両における環境性能を確保・維持する観点から、エンジンの排気経路においてTWC(三元触媒)とGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)とを備える触媒部から下流側へと排出されるNOxおよびアンモニア(NH

)の排出量を、正確にかつ経時的に把握することが、求められている。TWCの内部がリーン雰囲気である場合にはNOxが排出され、リッチ雰囲気である場合にはNH

が排出される。NOxおよびNH

の排出量を把握することにより、触媒部の劣化の度合を診断することが可能となる。
【0003】
NOxセンサをガソリンエンジンの排気経路に取り付け、使用する態様は、すでに公知である(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
また、特許文献1および特許文献2に開示されているようなNOxを検出可能なガスセンサにおいて、NH

を検出可能であることも、すでに公知である(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-113770号公報
特開2021-148612号公報
特開2022-091669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したNOxおよびアンモニアを検出可能なガスセンサを用いたNOxおよびアンモニアの排出量の把握は、水素エンジン車両の排気経路についても望まれている。
【0007】
水素エンジン車両の場合、排気経路において酸素と水素とが共存する状況が生じるところ、酸素と水素とが所定の濃度範囲にある場合、水素爆発が生じることや、水素が大気中で500℃を超える高温になると自然発火することが、広く知られている。
【0008】
特許文献1ないし特許文献3に開示されているようなガスセンサを水素エンジン車両の排気経路に取り付けて使用する場合であれば、ガスセンサの動作条件次第では、ガスセンサの内部で共存する酸素と水素が急激に反応することに伴い生じる熱応力がセンサ素子に作用し、係るセンサ素子にクラックが発生してしまうことが、あり得る。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、例えば酸素と水素など、発熱反応を生じ得るガス種が共存する被測定ガスがガスセンサに導入される環境下であっても、当該ガスセンサを好適に使用可能なガスセンサの動作方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質にて構成された基体部を有しかつ被測定ガスに含まれる所定ガス成分の濃度を特定可能に構成されたセンサ素子を備える、ガスセンサの動作方法であって、前記センサ素子が、Duty比に従いヒータエレメントに対し通電が行われることにより前記センサ素子を加熱するヒータ部を備えるものであり、前記ガスセンサにおいては、前記センサ素子の前記ヒータエレメントが備わる側の端部が、前記被測定ガスが導入される保護カバー内に突出しており、前記ヒータ部に前記センサ素子を所定の通常駆動温度にまで加熱昇温させるとともに、前記ガスセンサを前記所定ガス成分の測定が可能な駆動状態とするセンサ始動工程と、前記ヒータ部における前記Duty比をモニタするモニタ工程と、前記センサ素子の温度と前記モニタ工程において得られる前記Duty比の値とに基づいて前記センサ素子の温度を制御する温度制御工程と、を備え、前記温度制御工程においては、前記センサ素子が前記通常駆動温度にある状態で、前記モニタ工程において前記Duty比の前記通常駆動温度に対応した通常値からの減少が検知された場合、前記Duty比をさらに低減させて前記センサ素子の温度を所定の保護駆動温度にまで低減させ、前記センサ素子の温度を前記保護駆動温度に低減させてから所定の保護駆動時間が経過した時点で、前記Duty比を増大させることにより、前記センサ素子を前記保護駆動温度から前記通常駆動温度に復帰させ、前記センサ素子が前記通常駆動温度に復帰したときの前記Duty比が前記通常値よりも小さい場合は前記Duty比を再び低減させて、前記センサ素子の温度を前記保護駆動温度にまで低減させる、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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