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公開番号2024142080
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023054068
出願日2023-03-29
発明の名称ハニカム構造体、電気加熱型担体及び排気ガス浄化装置
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類B01J 35/57 20240101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】発熱均一性が改善されたハニカム構造体を提供する。
【解決手段】外周壁と、外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する円柱状のハニカム構造部、前記外周壁の外表面においてセルの延びる方向に帯状に設けられた第一電極層、及び、前記外周壁の外表面においてセルの延びる方向に帯状に設けられた第二電極層であって、前記ハニカム構造部の中心軸を挟んで前記第一電極層と対向するように設けられた前記第二電極層、を備え、前記セルの延びる方向に直交する断面において、径方向に座標軸を取り、重心Oの座標値を0、前記外周壁の外表面の座標値を1.00Rとしたとき、所定の第一外周領域及び第二外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量は、第一中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量よりもそれぞれ高い、ハニカム構造体。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
外周壁と、外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する円柱状のハニカム構造部、
前記外周壁の外表面においてセルの延びる方向に帯状に設けられた第一電極層、及び、
前記外周壁の外表面においてセルの延びる方向に帯状に設けられた第二電極層であって、前記ハニカム構造部の中心軸を挟んで前記第一電極層と対向するように設けられた前記第二電極層、
を備え、
前記セルの延びる方向に直交する断面において、径方向に座標軸を取り、重心Oの座標値を0、前記外周壁の外表面の座標値を1.00Rとしたとき、下記に示す第一外周領域及び第二外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量は、第一中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量よりもそれぞれ高い、
ハニカム構造体:
前記第一外周領域は、座標値0.90R~1.00Rの領域のうち、前記第一電極層に隣接し、重心Oを基準とする中心角で表して、前記第一電極層の周方向の一端から5°だけはみ出た箇所から、前記第一電極層の周方向の他端から5°だけはみ出た箇所までの前記ハニカム構造部の部分を示し、
前記第二外周領域は、座標値0.90R~1.00Rの領域のうち、前記第二電極層に隣接し、重心Oを基準とする中心角で表して、前記第二電極層の周方向の一端から5°だけはみ出た箇所から、前記第二電極層の周方向の他端から5°だけはみ出た箇所までの前記ハニカム構造部の部分を示し、
前記第一中央領域は、前記ハニカム構造部のうち、前記第一外周領域及び前記第二外周領域を除いた部分を示す。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量はそれぞれ、前記第一中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量の1.2倍~1.5倍である請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記第一外周領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
1v
、前記第二外周領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
2v
、前記第一中央領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
3v
とすると、H
1v
≦0.2、H
2v
≦0.2、及びH
3v
≦0.3が成立する請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の25℃における平均電気抵抗は、前記第一中央領域よりもそれぞれ低い、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の25℃における平均熱伝導率は、前記第一中央領域よりもそれぞれ高い、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の25℃における平均熱伝導率はそれぞれ、4~30W/(m・K)である、請求項5に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均真密度は、前記第一中央領域よりもそれぞれ高い、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項8】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均気孔率は、前記第一中央領域よりもそれぞれ低い、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項9】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均隔壁厚みは、前記第一中央領域よりもそれぞれ大きい、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
【請求項10】
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均セル密度は、前記第一中央領域よりもそれぞれ高い、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体、ハニカム構造体を備える電気加熱型担体、及び電気加熱型担体を備える排気ガス浄化装置に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、エンジン始動直後の排ガス浄化性能の低下を改善するため、ハニカム構造体を有する電気加熱触媒(EHC)が提案されている。EHCは一般に、外周壁、及び、外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁を有する導電性のハニカム構造部と、ハニカム構造部の外周壁に配設された一対の電極層とを備える。EHCでは、一対の電極層に端子を接続して電圧を印加することで通電すると、導電抵抗体であるハニカム構造部内を電気が流れることによるジュール熱で発熱する。EHCにおいては、ハニカム構造部内での温度分布を均一化して、高温部と低温部との温度差による熱応力でクラックが発生するのを防止することが望まれている。
【0003】
特許文献1(特開2019-173662号公報)には、ハニカム構造部が、一対の電極部付近にある端部領域と、前記端部領域を除いた中央領域から構成されること、並びに、前記端部領域を構成する材料の平均電気抵抗率Aが、前記中央領域を構成する材料の平均電気抵抗率Bより低いことが記載されている。当該構成により、ハニカム構造体の均一発熱性が向上するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-173662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、通電時に一対の電極部付近にある端部領域に電流が集中し、局所的に高温になりやすい。このため、ハニカム構造部内の発熱均一性に関しては未だ改善の余地が残されている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、発熱均一性が改善されたハニカム構造体を提供することを課題とする。本発明は別の一実施形態において、そのようなハニカム構造体を備える電気加熱型担体を提供することを課題とする。本発明は更に別の一実施形態において、そのような電気加熱型担体を備える排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下に例示される本発明によって解決される。
[1]
外周壁と、外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する円柱状のハニカム構造部、
前記外周壁の外表面においてセルの延びる方向に帯状に設けられた第一電極層、及び、
前記外周壁の外表面においてセルの延びる方向に帯状に設けられた第二電極層であって、前記ハニカム構造部の中心軸を挟んで前記第一電極層と対向するように設けられた前記第二電極層、
を備え、
前記セルの延びる方向に直交する断面において、径方向に座標軸を取り、重心Oの座標値を0、前記外周壁の外表面の座標値を1.00Rとしたとき、下記に示す第一外周領域及び第二外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量は、第一中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量よりもそれぞれ高い、
ハニカム構造体:
前記第一外周領域は、座標値0.90R~1.00Rの領域のうち、前記第一電極層に隣接し、重心Oを基準とする中心角で表して、前記第一電極層の周方向の一端から5°だけはみ出た箇所から、前記第一電極層の周方向の他端から5°だけはみ出た箇所までの前記ハニカム構造部の部分を示し、
前記第二外周領域は、座標値0.90R~1.00Rの領域のうち、前記第二電極層に隣接し、重心Oを基準とする中心角で表して、前記第二電極層の周方向の一端から5°だけはみ出た箇所から、前記第二電極層の周方向の他端から5°だけはみ出た箇所までの前記ハニカム構造部の部分を示し、
前記第一中央領域は、前記ハニカム構造部のうち、前記第一外周領域及び前記第二外周領域を除いた部分を示す。
[2]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量はそれぞれ、前記第一中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量の1.2倍~1.5倍である[1]に記載のハニカム構造体。
[3]
前記第一外周領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
1v
、前記第二外周領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
2v
、前記第一中央領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
3v
とすると、H
1v
≦0.2、H
2v
≦0.2、及びH
3v
≦0.3が成立する[1]又は[2]に記載のハニカム構造体。
[4]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の25℃における平均電気抵抗は、前記第一中央領域よりもそれぞれ低い、[1]~[3]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[5]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の25℃における平均熱伝導率は、前記第一中央領域よりもそれぞれ高い、[1]~[4]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[6]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の25℃における平均熱伝導率はそれぞれ、4~30W/(m・K)である、[1]~[5]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[7]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均真密度は、前記第一中央領域よりもそれぞれ高い、[1]~[6]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[8]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均気孔率は、前記第一中央領域よりもそれぞれ低い、[1]~[7]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[9]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均隔壁厚みは、前記第一中央領域よりもそれぞれ大きい、[1]~[8]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[10]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均セル密度は、前記第一中央領域よりもそれぞれ高い、[1]~[9]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[11]
前記第一外周領域及び前記第二外周領域の平均開口率は、前記第一中央領域よりもそれぞれ低い、[1]~[10]の何れか一項に記載のハニカム構造体。
[12]
前記セルの延びる方向に直交する断面において、径方向に座標軸を取り、重心Oの座標値を0、前記外周壁の外表面の座標値を1.00Rとしたとき、下記に示す第三外周領域及び第四外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量は、第二中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量よりもそれぞれ高い、
[1]~[11]の何れか一項に記載のハニカム構造体:
前記第三外周領域は、座標値0.80R~1.00Rの領域のうち、前記第一電極層に隣接し、重心Oを基準とする中心角で表して、前記第一電極層の周方向の一端から12.5°だけはみ出た箇所から、前記第一電極層の周方向の他端から12.5°だけはみ出た箇所までの前記ハニカム構造部の部分を示し、
前記第四外周領域は、座標値0.80R~1.00Rの領域のうち、前記第二電極層に隣接し、重心Oを基準とする中心角で表して、前記第二電極層の周方向の一端から12.5°だけはみ出た箇所から、前記第二電極層の周方向の他端から12.5°だけはみ出た箇所までの前記ハニカム構造部の部分を示し、
前記第二中央領域は、前記ハニカム構造部のうち、前記第三外周領域及び前記第四外周領域を除いた部分を示す。
[13]
前記第三外周領域及び前記第四外周領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量はそれぞれ、前記第二中央領域の単位体積当たりの25℃における平均熱容量の1.05倍~1.4倍である[12]に記載のハニカム構造体。
[14]
前記第三外周領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
4v
、前記第四外周領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
5v
、前記第二中央領域の単位体積当たりの25℃における熱容量の変動係数をH
6v
とすると、H
4v
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、発熱均一性が改善されたハニカム構造体を提供することができる。この結果、ハニカム構造部における温度差低減が可能となるので、クラックの発生が抑制されることが期待される。このハニカム構造体に金属端子を接合することで、例えばEHC用の電気加熱型担体として使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る電気加熱型担体を一方の端面から観察したときの模式図である。
本発明の一実施形態に係る電気加熱型担体の模式的な斜視図である。
本発明の一実施形態に係るハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、第一外周領域、第二外周領域、及び第一中央領域を説明するための模式図である。
本発明の一実施形態に係るハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、第三外周領域、第四外周領域、及び第二中央領域を説明するための模式図である。
本発明の一実施形態に係る排気ガス浄化装置を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(【0011】以降は省略されています)

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