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公開番号2025062825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172116
出願日2023-10-03
発明の名称ガス処理装置及びガス処理方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類B01D 53/14 20060101AFI20250408BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】吸収器及び再生器において液組成が偏ることを抑制する。
【解決手段】ガス処理装置10は、吸収器12において第1相部分と第2相部分に相分離した状態となった処理液を貯溜する吸収側貯溜器26と、吸収側貯溜器26内において、第1相部分と第2相部分との液液界面が所定範囲内に収まっているかどうかを検出するための第1検出器と、吸収側貯溜器26内において、第2相部分の液面が所定範囲に収まっているかどうかを検出するための第2検出器と、液液界面が所定範囲に収まるように、第1検出器による検出結果に基づいて、吸収側貯溜器26から再生器14に送る第1相部分の流量を調整する第1流量調整機構28と、第2相部分の液面が所定範囲に収まるように、第2検出器による検出結果に基づいて、吸収側貯溜器26から再生器14に送る第2相部分の流量を調整する第2流量調整機構29と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸性化合物を吸収する前の状態において第1成分と前記第1成分よりも比重の小さな第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記第1成分を含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液を用いて、水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスから前記酸性化合物を放出させるためのガス処理装置であって、
前記被処理ガスと前記処理液とを互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させるための吸収器と、
前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離する再生器と、
前記吸収器において前記第1相部分と前記第2相部分とに相分離した状態となった前記処理液を貯溜する吸収側貯溜器と、
前記吸収側貯溜器内において、前記第1相部分と前記第2相部分との液液界面が所定範囲内に収まっているかどうかを検出するための第1検出器と、
前記吸収側貯溜器内において、前記第2相部分の液面が所定範囲に収まっているかどうかを検出するための第2検出器と、
前記液液界面が所定範囲に収まるように、前記第1検出器による検出結果に基づいて、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る第1相部分の流量を調整する第1流量調整機構と、
前記第2相部分の前記液面が所定範囲に収まるように、前記第2検出器による検出結果に基づいて、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る第2相部分の流量を調整する第2流量調整機構と、
を備える、ガス処理装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記吸収側貯溜器は、当該貯溜器内の空間を、前記吸収器から処理液が導入されるとともに第1相部分と第2相部分とに相分離した状態の処理液が溜められる第1空間と、前記第1空間から溢れた第2相部分が導入される第2空間と、に仕切る仕切り部材を有し、
前記第1検出器は、前記第1空間内において前記第1相部分と前記第2相部分との液液界面が所定範囲内に収まっているかどうかを検出するために用いられ、
前記第2検出器は、前記第2空間内の前記第2相部分の貯溜量が所定範囲に収まっているかどうかを検出するために用いられる、請求項1に記載のガス処理装置。
【請求項3】
前記第1流量調整機構は、
前記第1検出器の検出結果が、前記第1相部分と前記第2相部分との前記液液界面が前記所定範囲よりも高いことを示す場合に、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る前記第1相部分の流量を増大させ、
前記第1検出器の検出結果が、前記第1相部分と前記第2相部分との前記液液界面が前記所定範囲よりも低いことを示す場合に、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る前記第1相部分の流量を低減させるように構成され、
前記第2流量調整機構は、
前記第2検出器の検出結果が、前記第2相部分の前記液面が前記所定範囲よりも高いことを示す場合に、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る前記第2相部分の流量を増大させ、
前記第2検出器の検出結果が、前記第2相部分の前記液面が前記所定範囲よりも低いことを示す場合に、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る前記第2相部分の流量を低減させるように構成されている、請求項1又は2に記載のガス処理装置。
【請求項4】
前記再生器において加熱された前記処理液が導入される再生側貯溜器であって、この導入された処理液が貯溜される導入液空間と、前記導入液空間に導入された処理液に未再生の処理液が含まれる場合においても前記導入液空間から再生済みの処理液を受け入れる再生液空間と、を有する前記再生側貯溜器と、
前記処理液に前記未再生の処理液が含まれる場合に、前記導入液空間内に溜まる前記未再生の処理液を前記再生器に戻す未再生液戻し機構と、
を更に備えている、請求項1又は2に記載のガス処理装置。
【請求項5】
酸性化合物を吸収する前の状態において第1成分と前記第1成分よりも比重の小さな第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記第1成分を含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液を用いて、水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスから前記酸性化合物を放出させるためのガス処理装置であって、
前記被処理ガスと前記処理液とを互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させるための吸収器と、
前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離する再生器と、
前記再生器において加熱された前記処理液が導入される再生側貯溜器であって、この導入された処理液が貯溜される導入液空間と、前記導入液空間に導入された処理液に未再生の処理液が含まれる場合においても前記導入液空間から再生済みの処理液を受け入れる再生液空間と、を有する前記再生側貯溜器と、
前記処理液に前記未再生の処理液が含まれる場合に、前記導入液空間内に溜まる前記未再生の処理液を前記再生器に戻す未再生液戻し機構と、を備える、ガス処理装置。
【請求項6】
前記未再生液戻し機構は、前記導入液空間内に溜まる処理液のうち第1相部分の貯溜量が所定量以下になるように前記第1相部分を前記再生器に戻すための第1戻し機構と、前記導入液空間内に溜まる処理液の液面が所定以下となるように前記導入液空間内の処理液中の第2相部分を前記再生器に戻すための第2戻し機構と、を含む、請求項5に記載のガス処理装置。
【請求項7】
前記未再生の処理液のうちの第1相部分が所定量以上溜まっているかどうかを検出するための第1未再生液検出器を備え、
前記第1戻し機構は、前記第1未再生液検出器により、所定量以上の第1相部分が溜まっていることが検出された場合に、前記第1相部分を前記再生器に戻す、請求項6に記載のガス処理装置。
【請求項8】
前記吸収器において前記第1相部分と前記第2相部分とに相分離した状態となった前記処理液を貯溜する吸収側貯溜器と、
前記吸収側貯溜器から前記再生器に第1相部分を送る第1流量調整機構と、
前記吸収側貯溜器から前記再生器に第2相部分を送る第2流量調整機構と、
前記再生側貯溜器において、所定量の前記再生済みの処理液が溜まった状態になるように、前記再生側貯溜器から前記吸収器に前記再生済みの処理液を送る再生済み液流量調整機構と、
を備えている、請求項5に記載のガス処理装置。
【請求項9】
前記再生側貯溜器は、前記再生器から処理液が導入される導入液空間と、前記導入液空間内の処理液のうち再生済みの処理液が流入する再生液空間とに仕切る仕切り部材を備え、
前記再生済み液流量調整機構は、前記再生液空間での前記再生済みの処理液の液面を検出するための検出器と、前記検出器による検出結果に基づいて前記液面が所定範囲に収まるように前記再生液空間内の前記再生済みの処理液を前記吸収器に送るポンプと、を有する、請求項8に記載のガス処理装置。
【請求項10】
前記吸収側貯溜器内において、前記第1相部分と前記第2相部分との液液界面が所定範囲内に収まっているかどうかを検出するための第1検出器を備え、
前記第1流量調整機構は、前記液液界面が所定範囲に収まるように、前記第1検出器による検出結果に基づいて、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る第1相部分の流量を調整するように構成されている、請求項8又は9に記載のガス処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス処理装置及びガス処理方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素が地球温暖化への影響が大きいと考えられる。この地球温暖化問題に対する有効な対策として、二酸化炭素の分離回収技術が注目されている。発電所や製鉄所等のCO2排出源からCO2を分離回収する方法には種々存在するが、規模が大きく、かつ排出されるCO2が常圧に近い場合は化学吸収法が適している。この化学吸収法では、酸性であるCO2をアミン水溶液などのアルカリ性水溶液(処理液)に吸収させ、このCO2を吸収した処理液を加熱する。これによって、処理液中のCO2を処理液から放散させて(再生工程と呼ばれる)、分離されたCO2を回収する。
【0003】
このようなアミン吸収法では、CO2を吸収した処理液からCO2を放散させる際に加熱が必要となるため、多量の熱エネルギーを要する。また、加熱の際には100℃以上の温度が必要となる。このため、CO2分離回収に必要なコストを増大させる要因となっている。
【0004】
そこで、下記の特許文献1及び2には、低温再生可能な処理液を用いて省エネルギー化を図るガス処理装置が開示されている。この特許文献1には、CO2の吸収によりCO2の含有率が高い相とCO2の含有率が低い相とに二相分離される処理液を用いることにより、100℃以下の再生温度を達成できることが開示されている。処理液は、水、アミン化合物及び有機溶剤を含むアルカリ性の液である。また、特許文献2には、再生工程において、処理液にほぼ溶解しないガスであって、メタンガス等の炭化水素ガス、水素ガス、酸素ガスのいずれかからなる分離促進ガスを供給することにより、更に再生温度が下がることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6906761号公報
特許第6906766号公報
特許第3364103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アミン吸収法では、処理液の相分離挙動の有無に関わらず、系内への持ち込み水分の影響、処理液の成分(主にアミン)の蒸発、処理液のミスト生成による液成分のロス等により、処理液の組成が変動するという課題がある。処理液組成の変動は、分離性能を維持することを困難にさせ得るため、極力一定値に制御されていることが望ましい。また、アミン系の処理液がエーテル等の有機溶剤成分を含む場合には、CO2の吸収量に応じて相分離を起こすことから、ガス処理装置内のスポットごとの液組成の偏りも防止しなければならない。より具体的には、相分離した各相の払い出し流量比の制御がうまくいかないと、吸収器にアミン相が多く溜まって相対的にアミン濃度が高くなり、一方で再生器においてはアミン濃度が低くなって、エーテル濃度が高くなることがある。このようにスポットごとの液組成が偏る可能性がある。
【0007】
なお、下記の特許文献3には、CO2の吸収によっても二相分離しないアミン系の処理液を用いたアミン吸収法の制御方法ではあるが、排ガスからアミンを回収するアミン回収部(水洗部)と、アミン回収部からアミンを含む水を抜き出す水貯槽と、を有する脱炭酸設備において、水貯槽に溜められたアミン含有水を二酸化炭素吸収部に送るときに、処理液の液面レベルが一定となるように調整することにより、処理液の濃度を一定に保つことが開示されている。
【0008】
本発明は上記課題を鑑み、吸収器及び再生器において液組成が偏ることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明に係るガス処理装置は、酸性化合物を吸収する前の状態において第1成分と前記第1成分よりも比重の小さな第2成分とが混ざり合った状態にある一方で前記酸性化合物の吸収により主として前記第1成分を含む第1相部分と主として前記第2成分を含む第2相部分とに相分離する処理液を用いて、水への溶解で酸を生じる酸性化合物を含む被処理ガスから前記酸性化合物を放出させるためのガス処理装置であって、前記被処理ガスと前記処理液とを互いに接触させて、前記被処理ガスに含まれる前記酸性化合物を前記処理液に吸収させるための吸収器と、前記酸性化合物を吸収した前記処理液を加熱して、当該処理液から酸性化合物を分離する再生器と、前記吸収器において前記第1相部分と前記第2相部分とに相分離した状態となった前記処理液を貯溜する吸収側貯溜器と、前記吸収側貯溜器内において、前記第1相部分と前記第2相部分との液液界面が所定範囲内に収まっているかどうかを検出するための第1検出器と、前記吸収側貯溜器内において、前記第2相部分の液面が所定範囲に収まっているかどうかを検出するための第2検出器と、前記液液界面が所定範囲に収まるように、前記第1検出器による検出結果に基づいて、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る第1相部分の流量を調整する第1流量調整機構と、前記第2相部分の前記液面が所定範囲に収まるように、前記第2検出器による検出結果に基づいて、前記吸収側貯溜器から前記再生器に送る第2相部分の流量を調整する第2流量調整機構と、を備える。
【0010】
本発明では、吸収器において、処理液が酸性化合物を吸収すると、処理液は、主として第1成分を含む第1相部分と主として第2成分を含む第2相部分とに相分離する。この相分離した処理液は吸収側貯溜器に溜められる。吸収側貯溜器内では、比重のより小さな第2成分を主として含む第2相部分が、第1成分を主として含む第1相部分の上側に溜まるため、第1相部分と第2相部分との液液界面が生ずる。そして、第1流量調整機構は、この液液界面が所定範囲に収まるように、吸収側貯溜器から再生器に送る第1相部分の流量を調整し、第2流量調整機構は、第2相部分の液面が所定範囲に収まるように、吸収側貯溜器から再生器に送る第2相部分の流量を調整する。したがって、吸収側貯溜器内において第1相部分と第2相部分とが層状に溜まることを利用しつつ、吸収側貯溜器内に溜まる第1相部分と第2相部分の比率が所定範囲内に調整される。したがって、吸収器及び再生器間において、第1相部分と第2相部分の偏りが生ずることを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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