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公開番号
2025164477
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-30
出願番号
2024068482
出願日
2024-04-19
発明の名称
溶接金属、溶接継手及び溶接構造物
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251023BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】AW及びSR後のいずれにおいても、強度及び靱性が優れているとともに、溶接金属の位置にかかわらず優れた靱性を得ることができる溶接金属を提供する。
【解決手段】溶接金属は、質量%で、C:0.050%以上0.085%以下、Mo:0.10%以上0.35%以下、を含有するとともに、Si、Mn、S、Ni、Ti、B、O、Cu、Cr、P及びNの含有量が規定されており、溶接金属中の各成分の含有量を質量%で、[成分]と表す場合に、式(1):A1=[Si]+[Mn]+[Cr]-[Mo]により算出される値A1が1.84以下、式(2):A2=0.558+3.207×[C]+0.304×[Si]+0.294×[Mn]+0.119×[Ni]+1.011×[Mo]+4.093×[Ti]+15.364×[B]により算出される値A2が1.74以上1.90以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
C:0.050質量%以上0.085質量%以下、
Si:0.10質量%以上0.40質量%以下、
Mn:1.20質量%以上1.60質量%以下、
S:0質量%超0.020質量%以下、
Ni:0.60質量%以上1.00質量%以下、
Mo:0.10質量%以上0.35質量%以下、
Ti:0.030質量%以上0.080質量%以下、
B:0.0010質量%以上0.0045質量%以下、及び、
O:0.020質量%以上0.080質量%以下、を含有し、
Cu:0.14質量%以下、
Cr:0.20質量%以下、
P:0.020質量%以下、
N:0.0080質量%以下、であり、
残部がFe及び不可避的不純物であるとともに、
溶接金属中のSi含有量を質量%で[Si]と表し、
溶接金属中のMn含有量を質量%で[Mn]と表し、
溶接金属中のCr含有量を質量%で[Cr]と表し、
溶接金属中のMo含有量を質量%で[Mo]と表し、
溶接金属中のC含有量を質量%で[C]と表し、
溶接金属中のNi含有量を質量%で[Ni]と表し、
溶接金属中のTi含有量を質量%で[Ti]と表し、
溶接金属中のB含有量を質量%で[B]と表す場合に、
下記式(1)により算出される値A1:1.84以下、
下記式(2)により算出される値A2:1.74以上1.90以下、であることを特徴とする溶接金属。
A1=[Si]+[Mn]+[Cr]-[Mo]・・・式(1)
A2=0.558+3.207×[C]+0.304×[Si]+0.294×[Mn]+0.119×[Ni]+1.011×[Mo]+4.093×[Ti]+15.364×[B]・・・式(2)
続きを表示(約 220 文字)
【請求項2】
さらに、Al、Nb及びVから選択された少なくとも1種を、
Al:0.030質量%以下、
Nb:0.020質量%以下、
V:0.020質量%以下、の範囲で含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶接金属。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の溶接金属を含むことを特徴とする、溶接継手。
【請求項4】
請求項3に記載の溶接継手を含むことを特徴とする、溶接構造物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、強度及び靱性が優れた溶接金属、該溶接金属を含む溶接継手、及び該溶接継手を含む溶接構造物に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
石油、ガス等の掘削及び生産に使用される海洋構造物や、油、ガス等の輸送に使用されるパイプラインは、設備の大型化や寒冷地での稼働が増加しており、これらの溶接構造物の建造に使用される鋼板や溶接材料には、高強度であるとともに低温での靱性に優れた特性が求められる。上記のような溶接構造物を建造する場合に、溶接施工後に応力除去(SR:Stress Relief)のための熱処理が施される場合がある。
【0003】
しかし、このSRによって、溶接部の強度及び靱性が低下し、要求される特性が得られない場合がある。そこで、熱処理後の強度及び靱性を向上させるために、所定量のNiを含む溶接金属が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、応力除去焼鈍後の強度および低温靱性を改善した溶接金属が開示されている。上記溶接金属は、粒界炭化物の粗大化と焼鈍軟化を抑制する作用を有するMoを添加しつつ、溶接金属の化学成分組成を制御し、溶接時に溶接金属の粒界上に生成する所定の大きさの炭化物の平均円相当直径が規定されている。
【0005】
また、特許文献2には、溶接のまま(AW:As Welded)及び溶接後熱処理(PWHT:Post Weld Heat Treatment)後の強度及び低温靱性に優れた溶接金属を得るうえで好適なフラックス入りワイヤが開示されている。上記特許文献2には、V及びNbの含有量を少なくすることによりPWHT後の低温靱性を更に向上させることができることが記載されている。また、C、Si、Mn、Ni、B、Ti、Al、MgとTi酸化物の含有量を適量とすることによって、AW及びPWHT後の強度及び低温靱性に優れた溶接金属が安定して得られることも記載されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、SR後の優れた引張強さを有し、また溶接金属内の位置にかかわらず、優れた低温靱性を有する溶接金属が開示されている。上記特許文献3には、溶接金属が適切な含有量でCuを含有していると、SR後の靱性を向上させることができることが記載されている。また、溶接金属中のSi、Mn、Cr及びMoの含有量を用いた所定の式により得られる値を適切に制御することにより、測定位置によって靱性が低い値となることを抑制することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-195832号公報
特開2017-185521号公報
特開2022-97256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記海洋構造物やパイプラインにおいては、硫化水素含有(サワー)環境によって、硫化物応力腐食割れ(SSCC:Sulfide Stress Corrosion Cracking)や水素脆性という問題が発生する。上記問題に対応するため、米国防蝕技術協会(NACE:National Association of Corrosion Engineers)の規格(NACE MR0175)では、溶接金属中のNi含有量が1質量%以下に規制されている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の溶接金属においては、Ni含有量が0.20~2.00%に規定されている。また、特許文献2に記載のフラックス入りワイヤにおいても、Ni含有量が0.1~3.0%に規定されており、溶接金属においても同程度のNiが含有されていると考えられるため、NACEの要求に十分に対応することができない。
【0010】
また、上記特許文献1に記載の溶接金属においては、試験採取位置によって機械的特性が低下するおそれがある。また、-40℃よりも低い温度領域における靱性について考慮されておらず、優れた低温靱性が十分に得られないおそれがある。さらに、上記特許文献2に記載のフラックス入りワイヤによると、-60℃の低温靱性に優れた溶接金属が得られるが、溶接金属の測定位置によっては、機械的特性が低下するおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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