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公開番号2025071600
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023181907
出願日2023-10-23
発明の名称鋼材
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250428BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】大入熱溶接が施され、かつ溶接後の冷却速度が遅く、HAZ組織として複相組織が形成されうる場合であっても、HAZ靭性に優れた溶接構造物を得ることのできる、鋼材を提供する。
【解決手段】化学組成が、所定の各元素の範囲を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、式(a)で表されるa値が1.60以下を満たすと共に、式(b)で表されるb値が1.28以下を満たす、鋼材。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
化学組成が、
C :0.02~0.06質量%、
Si:0.01~0.20質量%、
Mn:1.00~1.60質量%、
P :0.010質量%以下(0質量%を含む)、
S :0.005質量%以下(0質量%を含む)、
Cu:0.80~1.00質量%、
Al:0.02~0.05質量%、
N :0.0030~0.0080質量%、
Ni:0.90~1.10質量%、
Cr:0.25~0.70質量%、
Ti:0.005~0.020質量%、
B :0.0005~0.0025質量%、および
Ca:0.0005~0.0030質量%を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
下記の式(a)で表されるa値が1.60以下を満たすと共に、式(b)で表されるb値が1.28以下を満たす、鋼材。
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26
164
式(a)において、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B、Nbは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示し、含まれない元素はゼロとする。Mnが1.20質量%未満の場合、(5.1(Mn-1.2)+5)の項は(3.33Mn+1)に置き換える。また、DとEはそれぞれ下記式で表される。
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2025071600000013.tif
11
164
上記Dを表す式において、MINは括弧内の2つの引数のうち最小値を採用する関数を示し、Ti、Nは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示す。また、N

はアボガドロ定数(6.02×10
23
mol
-1
)を表す。
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2025071600000014.tif
21
164
上記Eを表す式において、MINは括弧内の2つの引数のうち最小値を採用する関数を示し、B、Ti、Nは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示す。また、N

はアボガドロ定数(6.02×10
23
mol
-1
)を表す。
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11
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式(b)において、Si、Cr、Mnは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示す。
続きを表示(約 65 文字)【請求項2】
前記化学組成で、Feの一部に代えて、V:0質量%超、0.1質量%以下を含む、請求項1に記載の鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は鋼材に関する。特には、HAZ(溶接熱影響部)の靭性(以下「HAZ靭性」という)に優れた溶接構造物を得ることのできる鋼材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、橋梁や高層建造物、船舶などの溶接構造物の大型化に伴い、例えば、該溶接構造物に適用される鋼材の板厚が厚肉化し、溶接施工効率を高める観点から大入熱溶接が行われている。また、溶接構造物の安全性確保の観点から、大入熱溶接後であっても優れたHAZ靭性を示すことが求められる。特許文献1では、大入熱溶接を行うと、HAZが高温のオーステナイト領域まで加熱されてから徐冷されるため、HAZ(特にHAZのボンド部付近)の組織が粗大化し、その部分の靭性が劣化しやすいといった問題に鑑みて、入熱量が30~100kJ/mmの大入熱溶接を行った場合であっても、HAZ靭性に優れる高強度厚鋼板を提案している。
【0003】
詳細には、特許文献1は、所定の(1)式の関係を満足させつつ、鋼板の化学組成を所定の範囲内に納め、更に、微細なTi含有窒化物の分散状態(個数/密度)を制御することで、大入熱溶接時に鋼材中に固溶消失しない微細なTi含有窒化物を鋼中に分散でき、それによりHAZ靭性改善を図った厚鋼板を実現できることを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-167447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高層建造物等の、建築に代表される溶接構造物を構成する溶接物(本明細書では、該溶接物を含め「溶接構造物」と総称する)として、ボックス柱(「溶接組立箱形断面柱」ともいう)が挙げられる。ボックス柱として、例えば角鋼管形状に溶接接合されたスキンプレートと、この内部空間を仕切る複数枚のダイアフラムとを、例えば、エレクトロスラグ溶接によって接合することにより製造される溶接構造物が挙げられる。従来の溶接方法では、溶接後のHAZの冷却速度が速く、HAZの組織(以下「HAZ組織」ということがある)はベイナイト主体の組織であった。しかし近年、溶接構造物の大型化、形状の複雑化、大空間の確保等に対する様々な要求が高まっている。それに伴い、例えば内ダイアフラム形式のボックス柱の場合、内ダイアフラムに供される鋼板の板厚とスキンプレートに供される鋼板の板厚の組み合わせによっては、溶接後のHAZの冷却速度が遅く、HAZ組織が、従来と異なり、ベイナイトと、ベイナイト以外の組織との複相組織となる場合がある。しかしHAZ組織が複相組織である場合のHAZの特性についてこれまで検討されていない。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的の1つは、大入熱溶接が施され、かつ溶接後の冷却速度が遅く、HAZ組織として複相組織が形成されうる場合であっても、HAZ靭性に優れた溶接構造物を得ることのできる、鋼材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様1は、
化学組成が、
C :0.02~0.06質量%、
Si:0.01~0.20質量%、
Mn:1.00~1.60質量%、
P :0.010質量%以下(0質量%を含む)、
S :0.005質量%以下(0質量%を含む)、
Cu:0.80~1.00質量%、
Al:0.02~0.05質量%、
N :0.0030~0.0080質量%、
Ni:0.90~1.10質量%、
Cr:0.25~0.70質量%、
Ti:0.005~0.020質量%、
B :0.0005~0.0025質量%、および
Ca:0.0005~0.0030質量%を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
下記の式(a)で表されるa値が1.60以下を満たすと共に、式(b)で表されるb値が1.28以下を満たす、鋼材である。
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164
式(a)において、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、B、Nbは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示し、含まれない元素はゼロとする。Mnが1.20質量%未満の場合、(5.1(Mn-1.2)+5)の項は(3.33Mn+1)に置き換える。また、DとEはそれぞれ下記式で表される。
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2025071600000003.tif
11
164
上記Dを表す式において、MINは括弧内の2つの引数のうち最小値を採用する関数を示し、Ti、Nは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示す。また、N

はアボガドロ定数(6.02×10
23
mol
-1
)を表す。
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2025071600000004.tif
21
164
上記Eを表す式において、MINは括弧内の2つの引数のうち最小値を採用する関数を示し、B、Ti、Nは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示す。また、N

はアボガドロ定数(6.02×10
23
mol
-1
)を表す。
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11
164
式(b)において、Si、Cr、Mnは、鋼材中の各元素の含有量(質量%)を示す。
【0008】
本発明の態様2は、
前記化学組成で、Feの一部に代えて、V:0質量%超、0.1質量%以下を含む、態様1に記載の鋼材である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、大入熱溶接が施され、かつ溶接後の冷却速度が遅く、HAZ組織として複相組織が形成されうる場合であっても、HAZ靭性に優れた溶接構造物を得ることのできる、鋼材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例におけるa値とフェライト分率の関係を示したグラフである。
実施例におけるb値とMA分率の関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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