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公開番号2025007680
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023109240
出願日2023-07-03
発明の名称銅製錬の操業方法
出願人JX金属株式会社
代理人個人
主分類C22B 15/00 20060101AFI20250109BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 工程数を抑えつつメタリックCu相の生成を抑制することができる、銅製錬の操業方法を提供する。
【解決手段】 銅製錬の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、マットにメタリックCuを供給し、30分以内に前記マットを前記溶錬炉から抜き出すことを特徴とする。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、マットにメタリックCuを供給し、30分以内に前記マットを前記溶錬炉から抜き出すことを特徴とする銅製錬の操業方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、
溶錬炉に投入するメタリックCuの1個の重量当たりの溶解必要時間を、溶解速度を0.05~0.3g/minと仮定して該メタリックCuの1個当たりの重量を該溶解速度で割って算出し、
前記メタリックCuが前記溶錬炉の溶湯内に投入されてから炉外に排出されるまでの時間を、溶解可能時間として算出し、
前記溶解可能時間が前記溶解必要時間を上回るように前記メタリックCuの1個当たりの重量を調整する、銅製錬の操業方法。
【請求項3】
溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、該マットにメタリックCuを供給し、
該メタリックCuはリサイクル原料中に含まれ、
該リサイクル原料は、粒径が20mm以上のものを含むことを特徴とする銅製錬の操業方法。
【請求項4】
前記リサイクル原料は、複数の原料個体に対して、粒度による選別をすることなくマットに供給されることを特徴とする請求項3に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項5】
複数の原料個体に対して粒度による選別を行い、篩上の原料を前記リサイクル原料としてマットに供給することを特徴とする請求項3に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項6】
前記リサイクル原料は、破砕、裁断、焼却の少なくともいずれかを行わずにマットに供給されることを特徴とする請求項3に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項7】
前記リサイクル原料は、焼却処理後、所定の粒度で篩別した篩上の原料を含むことを特徴とする請求項5に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項8】
前記リサイクル原料は、焼却処理後、粒度による篩別を行わず、溶錬炉の原料とすることを特徴とする請求項4に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項9】
前記マットへの前記メタリックCuの供給量は、前記マットへの前記メタリックCuの溶解度の98mass%に相当する量以下にすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項10】
前記マットへのメタリックCuの供給量は、前記マットへの前記メタリックCuの溶解度の70mass%に相当する量以上にすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の銅製錬の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、銅製錬の操業方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
銅製錬自溶炉の反応シャフトでは、精鉱バーナから銅精鉱、溶剤などの製錬原料とともに、反応ガスが投入される。銅精鉱が反応ガスによって酸化反応を起こすことで、反応シャフトの底部でマットおよびスラグが生成する(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-363659号公報
特開平11-140554号公報
特公平01-036539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、製錬原料としてリサイクル原料の比率が増加している。しかしながら、リサイクル原料には、メタリックCuが含まれていることがある。リサイクル原料の処理量が増加すると、自溶炉などの溶錬炉へ供給されるメタリックCuの割合が増加してくる。溶錬炉へのメタリックCu供給量が増加し、メタリックCuのマットへの溶解度を超過した場合、炉内にスラグ、マット、およびメタルの3相が共存する。溶錬炉の炉底にメタルが滞留すると、不純物元素のメタル相への濃縮、また低融点メタルの炉底レンガ目地への浸透、またレンガ自体への含浸が促進され、炉底部からの湯漏れ等のリスクが増加する。また、メタル量が一定量を超過してマットタップホールレベルに到達した場合、マットホールから突如メタルが排出され、メタル製のマット樋の溶損リスク、また転炉への高不純物メタルが供給されて操業に支障が生じるおそれもある。
【0005】
そこで、前処理としてメタリックCuを微粉砕処理するなどして、メタル相の生成を抑制することが考えられる。しかしながら、前処理を行うと工程数の増加に加え、粉砕に要するエネルギーが必要になる。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、工程数を抑えつつメタリックCu相の生成を抑制することができる、銅製錬の操業方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る銅製錬の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、マットにメタリックCuを供給し、30分以内に前記マットを前記溶錬炉から抜き出すことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る銅製錬の他の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、溶錬炉に投入するメタリックCuの1個の重量当たりの溶解必要時間を、溶解速度を0.05~0.3g/minと仮定して該メタリックCuの1個当たりの重量を該溶解速度で割って算出し、前記メタリックCuが前記溶錬炉の溶湯内に投入されてから炉外に排出されるまでの時間を、溶解可能時間として算出し、前記溶解可能時間が前記溶解必要時間を上回るように前記メタリックCuの1個当たりの重量を調整する。
【0009】
本発明に係る銅製錬の他の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、該マットにメタリックCuを供給し、該メタリックCuはリサイクル原料中に含まれ、焼却処理後、所定の粒度で篩別した篩上の原料を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る銅製錬の他の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱から生成されるマットにおけるメタリックCuの溶解度以下の添加量の条件で、該マットにメタリックCuを供給し、該メタリックCuはリサイクル原料中に含まれ、該リサイクル原料は、粒径が20mm以上のものを含むことを特徴とする。前記リサイクル原料は、複数の原料個体に対して、粒度による選別をすることなくマットに供給されてもよい。複数の原料個体に対して粒度による選別を行い、篩上の原料を前記リサイクル原料としてマットに供給してもよい。前記リサイクル原料は、破砕、裁断、焼却の少なくともいずれかを行わずにマットに供給されてもよい。前記リサイクル原料は、焼却処理後、所定の粒度で篩別した篩上の原料を含んでいてもよい。前記リサイクル原料は、焼却処理後、粒度による篩別を行わず、溶錬炉の原料としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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