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公開番号
2025151604
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024053121
出願日
2024-03-28
発明の名称
鍛鋼ロール
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251002BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】優れた耐摩耗性及び研削性を有する鍛鋼ロールを提供する。
【解決手段】本開示の鍛鋼ロールは、化学組成が、質量%で、C:0.85~1.05%、Si:0.60~1.20%、Mn:0.30~0.60%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Al:0.050%以下、N:0.020%以下、O:0.0050%以下、Cr:4.00~6.00%、Mo:0.20~1.00%未満、V:1.00~2.00%、Cu:0.40%以下、及び、Ni:0.30~0.60%、を含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(1)を満たし、円相当径が0.5~5.0μmの全炭化物中におけるMC型炭化物の個数割合が30%以上であり、円相当径が5.0μmを超える炭化物の個数密度が100個/mm
2
以下である。
(V+2Mo)/(Cr+Ni)≧0.400 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C:0.85~1.05%、
Si:0.60~1.20%、
Mn:0.30~0.60%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Al:0.050%以下、
N:0.020%以下、
O:0.0050%以下、
Cr:4.00~6.00%、
Mo:0.20~1.00%未満、
V:1.00~2.00%、
Cu:0.40%以下、及び、
Ni:0.30~0.60%、を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
円相当径が0.5~5.0μmの全炭化物中におけるMC型炭化物の個数割合が30%以上であり、
円相当径が5.0μmを超える炭化物の個数密度が100個/mm
2
以下である、
鍛鋼ロール。
(V+2Mo)/(Cr+Ni)≧0.400 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、前記化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
化学組成が、質量%で、
C:0.85~1.05%、
Si:0.60~1.20%、
Mn:0.30~0.60%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Al:0.050%以下、
N:0.020%以下、
O:0.0050%以下、
Cr:4.00~6.00%、
Mo:0.20~1.00%未満、
V:1.00~2.00%、
Cu:0.40%以下、及び、
Ni:0.30~0.60%、を含有し、
さらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
円相当径が0.5~5.0μmの全炭化物中におけるMC型炭化物の個数割合が30%以上であり、
円相当径が5.0μmを超える炭化物の個数密度が100個/mm
2
以下である、
鍛鋼ロール。
[第1群]
Ti:0.050%以下、
Nb:0.050%以下、
B:0.0100%以下、
W:0.50%以下、及び、
Co:0.50%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Sn:0.10%以下、
Sb:0.05%以下、
As:0.05%以下、
Zr:0.05%以下、
Bi:0.10%以下、
Se:0.10%以下、
Te:0.05%以下、
Pb:0.09%以下、
Ca:0.0050%以下、及び、
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
(V+2Mo)/(Cr+Ni)≧0.400 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、前記化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項3】
請求項2に記載の鍛鋼ロールであって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
鍛鋼ロール。
【請求項4】
請求項2に記載の鍛鋼ロールであって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
鍛鋼ロール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、鍛鋼ロールに関し、さらに詳しくは、冷間圧延用途に適した鍛鋼ロールに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
冷間圧延用ロールに代表される圧延ロールとして、鍛鋼ロールが用いられている。鍛鋼ロールは、鋼材に代表される被圧延材に対して荷重を付加する。それにより、被圧延材は所望の形状に圧延される。一方、圧延時の被圧延材との接触により、鍛鋼ロールの表面が摩耗する。そのため、鍛鋼ロールを長期間使用すると、鍛鋼ロールの表面の粗度が次第に低下する。鍛鋼ロールの表面の粗度が低下すれば、鍛鋼ロールと被圧延材との間でスリップが生じる。この場合、被圧延材の噛み込み不良が発生したり、被圧延材又は鍛鋼ロールに焼付き等が引き起こされる可能性がある。
【0003】
鍛鋼ロールと被圧延材との間でのスリップを抑制するために、鍛鋼ロールの表面の粗度が一定値を下回らないように、定期的に鍛鋼ロールの表面を研削する必要がある。しかしながら、鍛鋼ロールの使用時間あたりの研削回数が多いと、鍛鋼ロールの寿命は短くなる。鍛鋼ロールの寿命を延ばすためには、鍛鋼ロールの摩耗を抑制し、使用時間当たりの研削回数をできるだけ減少させることが望ましい。したがって、鍛鋼ロールには優れた耐摩耗性が求められる。
【0004】
一方、耐摩耗性を高めた場合、鍛鋼ロールの表層の硬さが高まる。鍛鋼ロールの表層が過度に硬くなれば、鍛鋼ロールの研削性が低下する可能性がある。しかしながら、上述のとおり、鍛鋼ロールは定期的に表面を研削する。したがって、鍛鋼ロールには優れた耐摩耗性、及び、優れた研削性を両立することが求められる。
【0005】
鍛鋼ロールにおいて、耐摩耗性及び研削性を高める技術が、特開平5-195159号公報(特許文献1)に提案されている。
【0006】
特許文献1に開示された鍛鋼ロールは、C:0.8~1.0wt%、Si:0.5~1.0wt%、Mn:0.1~1.0wt%、Ni:0.1~0.5wt%、Cr:4.5~10.0wt%、Mo:6.0~12.0wt%、及び、V:1.5wt%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる。この鍛鋼ロールでは、上述の化学組成を満たすことにより、優れた耐摩耗性及び研削性が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平5-195159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の手段とは異なる手段により、鍛鋼ロールの耐摩耗性及び研削性を高めてもよい。
【0009】
本開示の目的は、優れた耐摩耗性及び研削性を有する鍛鋼ロールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の鍛鋼ロールは、
化学組成が、質量%で、
C:0.85~1.05%、
Si:0.60~1.20%、
Mn:0.30~0.60%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Al:0.050%以下、
N:0.020%以下、
O:0.0050%以下、
Cr:4.00~6.00%、
Mo:0.20~1.00%未満、
V:1.00~2.00%、
Cu:0.40%以下、及び、
Ni:0.30~0.60%、を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
円相当径が0.5~5.0μmの全炭化物中におけるMC型炭化物の個数割合が30%以上であり、
円相当径が5.0μmを超える炭化物の個数密度が100個/mm
2
以下である。
(V+2Mo)/(Cr+Ni)≧0.400 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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