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公開番号
2025114116
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-05
出願番号
2024008591
出願日
2024-01-24
発明の名称
鋼材及び金型
出願人
大同特殊鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250729BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】適度な硬さに調質することができ、かつ、被削性、衝撃値、及び、耐食性に優れた鋼材及びこれを用いた金型を提供する。
【解決手段】鋼材は、0.090<C≦0.170mass%、0.60<Si≦1.00mass%、0.10≦Mn≦0.60mass%、0.003≦P≦0.080mass%、S≦0.012mass%、0.20<Cu≦0.58mass%、0.20≦Ni≦1.10mass%、Cu≦Ni、7.70≦Cr≦8.20mass%、0.70<Mo≦1.20mass%、0.10<V≦0.30mass%、0.007≦Al≦0.100mass%、0.001≦N<0.015mass%、0.118≦C+N≦0.168mass%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。金型はこのような鋼材からなる。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
0.090<C≦0.170mass%、
0.60<Si≦1.00mass%、
0.10≦Mn≦0.60mass%、
0.003≦P≦0.080mass%、
S≦0.012mass%、
0.20<Cu≦0.58mass%、
0.20≦Ni≦1.10mass%、
Cu≦Ni、
7.70≦Cr≦8.20mass%、
0.70<Mo≦1.20mass%、
0.10<V≦0.30mass%、
0.007≦Al≦0.100mass%、
0.001≦N<0.015mass%、及び、
0.118≦C+N≦0.168mass%、
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材。
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【請求項2】
下記A~D群からなる群から選ばれる1群又は2群以上をさらに含有する請求項1に記載の鋼材。
A群:
0.0002<B≦0.0080mass%、
B群:
0.30<W≦4.00mass%、及び/又は、
0.30<Co≦3.00mass%。
C群:
0.004<Nb≦0.100mass%、
0.004<Ta≦0.100mass%、
0.004<Ti≦0.100mass%、及び、
0.004<Zr≦0.100mass%
からなる群から選ばれる少なくとも1つ。
D群:
0.0005<Ca≦0.2000mass%、
0.03<Se≦0.50mass%、
0.005<Te≦0.100mass%、
0.01<Bi≦0.50mass%、及び、
0.03<Pb≦0.50mass%
からなる群から選ばれる少なくとも1つ。
【請求項3】
硬さが35HRC以上43HRC以下である請求項1に記載の鋼材。
但し、前記「硬さ」とは、
(a)試料形状:11~12mm×11~12mm×20~25mmの角棒を作製し、
(b)前記角棒を焼入れ温度:895℃から975℃で2Hr保持し、
(c)前記角棒を、前記焼入れ温度から220℃までを15~30℃/minの冷却速度で冷却し、さらに、220℃から100℃以下までを任意の冷却速度で冷却し、
(d)焼戻し温度T(℃)及び焼戻し時間X(Hr)が以下の式(1)~(3)を満たす条件下において、前記角棒を1回だけ焼戻し、
(e)焼戻しが行われた前記角棒の表面の脱炭部を除去すること
により得られた試料を用いて、15℃~35℃において測定されたロックウェル硬さ(Cスケール)をいう。
16800≦LMP≦17200 …(1)
LMP=(T+273)×(20+logX) …(2)
510℃≦T≦590℃ …(3)
【請求項4】
請求項1に記載の鋼材からなる金型。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材に関し、さらに詳しくは、プラスチックの射出成形やブロー成形、ゴムや各種の炭素繊維強化プラスチックの成形や加工などに用いられる金型を製造するための鋼材(特に、所定条件下で焼入れ、焼戻しを行うことで所定の硬さに調質されたプレハードン鋼)、及び、この鋼材を用いた金型に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
プレハードン鋼とは、所定の硬さに調質されており、かつ、切削加工が可能な鋼をいう。プレハードン鋼は、熱処理が不要であり、切削加工後にそのまま金型等として使用できる。このため、プレハードン鋼は、プラスチックの射出成形やブロー成形、ゴムや各種の炭素繊維強化プラスチックの成形や加工などに用いられる金型、金型部品等に多用されている。このようなプレハードン鋼及びその製造方法に関し、従来から種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.03%~0.25%、Si:0.01%~0.40%。Mn:0.10%~1.50%、P:≦0.30%、S:≦0.050%、Cu:0.05%~0.20%、Ni:0.05%~1.50%、Cr:5.0%~10.0%、Mo:0.10%~2.00%、V:0.01%~0.10%、N:≦0.10%、O:≦0.01%、Al:≦0.05%であり、かつ(Cr+Mo)≦10%、及び7≦(Cr+3.3Mo)を満足し、残部がFe及び不可避的不純物からなる温度調節性に優れたプラスチック成形金型用鋼が開示されている。
【0004】
同文献には、
(a)フェライト生成元素(Cr、Mo)とオーステナイト生成元素(Mn、Ni)の相互の割合を調整することにより、鏡面性及び衝撃値を両立させることができる点、及び、
(b)Cr及びMoが所定の関係を満足するようにこれらの含有量を最適化すると、耐食性及び熱伝導率が高くなる点、
が記載されている。
【0005】
特許文献2には、質量%で、0.045≦C≦0.090、0.01≦Si≦0.50、0.10≦Mn≦0.60、0.80≦Ni≦1.10、6.60≦Cr≦8.60、0.01≦Mo≦0.70、0.001≦V≦0.200、0.007≦Al≦0.150、0.0002≦N≦0.0500を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる金型用鋼が開示されている。
【0006】
同文献には、所定の元素を含む金型用鋼において、Al量を0.007~0.150%とすると、所定の硬さに調質された後において、良好な鏡面研磨性、5%Cr鋼と12%Cr鋼の中間の耐食性、及び、高衝撃値を実現できる点が記載されている。
【0007】
特許文献3には、質量%で、0.070≦C≦0.130、0.01≦Si≦0.60、0.02≦Mn≦0.60、0.003≦P≦0.150、0.005≦Cu≦1.50、0.005≦Ni≦0.80、7.50≦Cr≦8.40、0.70≦Mo≦1.20、0.01≦V≦0.30、0.010≦Al≦0.120、0.015≦N≦0.095を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる金型用鋼が開示されている。
【0008】
同文献には、所定の元素を含む金型用鋼において、成分(特に、Ni、Mo、及びAl)が最適化されているために、SA性、焼戻し硬さ、残留応力、被削性、衝撃値及び耐食性が良好である点が記載されている。
【0009】
プレハードン鋼を用いて金型を製造する場合、先ず、金型用プレハードン鋼材を製造する必要がある。金型用プレハードン鋼材は、一般に、溶解、精錬、鋳造、均質化熱処理、熱間加工、中間熱処理(焼ならし、焼戻し)、球状化焼鈍(Spheroidizing Annealing:SA)、焼入れ、矯正、及び焼戻しの各工程を経て製造される。
なお、鋼種によっては、SAが不要となる場合、焼戻しが複数回となる場合、あるいは、矯正の前後に焼戻し工程が入る場合がある。焼戻しの回数によらず、最終の焼戻し工程は、残留応力を引き下げる役目も担う。
【0010】
次に、プレハードン鋼材から金型又は金型部品を製造する。金型又は金型部品は、一般に、機械加工、鏡面研磨、表面加飾、及び、表面処理の各工程を経て製造される。
なお、表面加飾は、シボ加工などによって特殊な模様を表面に与える工程であるが、用途によっては不要となる場合がある。また、表面処理は、窒化やPVDなどで表面を硬くする工程であるが、用途によっては不要となる場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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