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公開番号2025083859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197497
出願日2023-11-21
発明の名称鉄道車輪
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250526BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた耐摩耗性が得られ、さらに焼入れ層を抑制できる鉄道車輪を提供する。
【解決手段】本開示の鉄道車輪は、リム部と、ボス部と、リム部とボス部との間に配置され、リム部とボス部とにつながる板部とを備え、鉄道車輪の化学組成は、質量%で、C:0.65~0.84%、Si:0.10~1.00%、Mn:0.05~0.80%、P:0.050%以下、S:0.040%以下、N:0.0200%以下、及び、Sn:0.50%超~1.50%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、リム部のミクロ組織において、パーライト面積率が95.0%以上であり、式(1)を満たす。
Sn/Mn≧2.0 (1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄道車輪であって、
リム部と、
ボス部と、
前記リム部と前記ボス部との間に配置され、前記リム部と前記ボス部とにつながる板部とを備え、
前記鉄道車輪の化学組成は、質量%で、
C:0.65~0.84%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:0.05~0.80%、
P:0.050%以下、
S:0.040%以下、
N:0.0200%以下、及び、
Sn:0.50%超~1.50%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記リム部のミクロ組織において、パーライト面積率が95.0%以上であり、
式(1)を満たす、
鉄道車輪。
Sn/Mn≧2.0 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、前記化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
鉄道車輪であって、
リム部と、
ボス部と、
前記リム部と前記ボス部との間に配置され、前記リム部と前記ボス部とにつながる板部とを備え、
前記鉄道車輪の化学組成は、質量%で、
C:0.65~0.84%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:0.05~0.80%、
P:0.050%以下、
S:0.040%以下、
N:0.0200%以下、及び、
Sn:0.50%超~1.50%、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記リム部のミクロ組織において、パーライト面積率が95.0%以上であり、
式(1)を満たす、
鉄道車輪。
[第1群]
Cu:0.20%以下、
Ni:0.20%以下、
Mo:0.20%以下、及び、
Cr:0.50%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Al:0.050%以下、及び、
Nb:0.030%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
V:0.10%以下、及び、
Ti:0.030%以下、からなる群から選択される1種以上
[第4群]
B:0.0050%以下
Sn/Mn≧2.0 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、前記化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項3】
請求項2に記載の鉄道車輪であって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
鉄道車輪。
【請求項4】
請求項2に記載の鉄道車輪であって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
鉄道車輪。
【請求項5】
請求項2に記載の鉄道車輪であって、
前記化学組成は、前記第3群を含有する、
鉄道車輪。
【請求項6】
請求項2に記載の鉄道車輪であって、
前記化学組成は、前記第4群を含有する、
鉄道車輪。
【請求項7】
請求項1に記載の鉄道車輪であって、
式(2A)を満たす、
鉄道車輪。
115.4×Sn+165.4×Mn≧100.0 (2A)
ここで、式(2A)中の各元素記号には、前記化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項8】
請求項2~請求項6のいずれか1項に記載の鉄道車輪であって、
式(2)を満たす、
鉄道車輪。
115.4×Sn+886.9×V+509.2×Mo+165.4×Mn-1328040×B≧100.0 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、前記化学組成中の対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄道車輪に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道車両は、線路を構成するレール上を走行する。鉄道車両は、複数の鉄道車輪を備える。鉄道車輪は、鉄道車両を支持し、レールと接触して、レール上を回転しながら移動する。そのため、鉄道車輪は、レールとの接触により摩耗する。最近、鉄道輸送の高効率化を目的として、鉄道車両への積載重量の増加、及び、鉄道車両の高速化が進められている。その結果、鉄道車輪の耐摩耗性の向上が求められている。
【0003】
鉄道車輪の製造方法の一例は次のとおりである。鋼片を熱間加工して鉄道車輪形状の中間品を成形する。成形された中間品に対して、熱処理(踏面焼入れ)を実施する。踏面焼入れでは、中間品を加熱した後、中間品のリム部(リム部の特に踏面及びフランジ部)を急冷する。これにより、踏面の表層部分のマトリクス組織には、耐摩耗性が高い微細パーライトが生成する。
【0004】
しかしながら、踏面焼入れ後の踏面の表層部分には、微細パーライトの上層に、焼入れ層が生成される。焼入れ層はマルテンサイトからなる硬質の層、又は、マルテンサイト及びベイナイトからなる硬質の層である。鉄道車輪の使用中において、焼入れ層は摩耗しやすい。そのため、踏面焼入れ後、踏面の最表層に生成された焼入れ層を切削加工で除去して、微細パーライトを踏面に露出させる。以上の工程により、鉄道車輪が製造される。
【0005】
上記焼入れ層が深く生成されると、焼入れ層の切削加工において切削量が多くなり、歩留まりが悪くなる場合がある。さらに、切削加工の時間が増加する場合もある。したがって、焼入れ層の生成を抑制する技術が求められる。
【0006】
鉄道車輪の耐摩耗性が得られ、焼入れ層の生成を抑制する技術が、特許文献1(国際公開第2021-193808号公報)に提案されている。
【0007】
特許文献1に開示された鉄道車輪は、化学組成が、質量%で、C:0.80~1.15%、Si:1.00%以下、Mn:0.10~1.20%、P:0.050%以下、S:0.030%以下、Al:0.005~0.190%、N:0.0200%以下、Nb:0.005~0.050%、Cr:0~0.25%、V:0~0.12%、及び、残部がFe及び不純物からなり、リム部のミクロ組織において、初析セメンタイト面積率が0.1~1.5%であり、パーライト面積率が95.0%以上であり、式(1)(100Nb/(C+0.5Si+0.8Mn+15Al+40Cr+10V)≧0.070)を満たす。この鉄道車輪では、上記化学組成を満たし、さらに式(1)を満たすことにより、耐摩耗性が得られ、踏面焼入れ工程で生成する焼入れ層を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2021-193808号公報
特許第7239082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示される鉄道車輪は、耐摩耗性が得られ、さらに焼入れ層を抑制する。しかしながら、特許文献1と異なる手段により、耐摩耗性が得られ、さらに焼入れ層を抑制してもよい。
【0010】
本開示の目的は、優れた耐摩耗性が得られ、さらに焼入れ層を抑制できる鉄道車輪を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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