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公開番号
2025174269
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-28
出願番号
2024080434
出願日
2024-05-16
発明の名称
鋳片
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251120BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】Nb,Ti,Vの少なくとも1つを含む鋼の鋳片であって、耐割れ感受性に優れた鋳片を提供する。
【解決手段】Ti、Nb、VおよびNの含有量が0.00005≦([Ti]+0.5[Nb]+[V])×[N]≦0.00250の条件を満たし、鋳片の表面から深さ方向に5mmの位置における円相当径が200nm~5000nmの窒化物、炭窒化物および炭化物のうちのZrを10質量%以上含む窒化物、炭窒化物および炭化物を合計した個数比率が50%以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
C:0.02%~0.50%、
Si:0.05%~3.00%、
Mn:0.50%~4.00%、
Al:0.001%~0.200%、
N:0.0100%以下、
Zr:0.0003%~0.0500%、
Ti:0%~0.100%、
P:0%~0.100%、
S:0%~0.0100%、
Nb:0%~0.100%、
V:0%~0.100%、
B:0%~0.0050%、
Cr:0%~0.10%、
Mo:0%~0.10%、
Sn:0%~0.50%、
Ca:0%~0.0100%、
Mg:0%~0.0100%、
REM:0%~0.0100%、
Ni:0%~0.50%、及び
Cu:0%~0.50%、を含有し、
残部がFe及び不純物からなる鋳片であって、
Ti、Nb、VおよびNの含有量が以下の(1)式を満たし、
前記鋳片の表面から深さ方向に5mmの位置における円相当径が200nm~5000nmの窒化物、炭窒化物および炭化物のうちのZrを10質量%以上含む窒化物、炭窒化物および炭化物を合計した個数比率が50%以上であることを特徴とする鋳片。
0.00005≦([Ti]+0.5[Nb]+[V])×[N]≦0.00250
・・・(1)
ここで、[Ti]、[Nb]、[V]、[N]はそれぞれ前記鋳片での含有量(質量%)を表す。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐割れ感受性に優れた鋳片に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、高強度鉄鋼材料として、機械特性を向上させるためにNb,Ti,Vといった元素を含有した合金鋼が多く製造されている。しかしながら、これらの元素を添加すると、連続鋳造において鋳片の表層に表面割れが生じやすくなり、操業上および製品の品質上の問題となっている。
【0003】
連続鋳造の二次冷却帯以降で発生する表面割れは、鋳片表層の旧オーステナイト粒界に沿った割れであることが知られている。この表面割れはAlNやNbC等の析出により脆化したオーステナイト粒界や、旧オーステナイト粒界に沿って生成するフィルム状フェライトに応力が集中することで発生する。表面割れの割れの形態は、かかる応力の方向により異なり、横ひび割れは鋳造方向への引張応力によって生じ、縦割れは鋳片幅方向への引張応力によって生じる。これらの割れは、特に、オーステナイトからフェライトへの相変態領域近傍の温度域において発生しやすい。したがって、通常は、機械的な応力が鋳片表面にかかる曲げや矯正帯での表面温度を延性が低下する温度域(脆化温度域)から回避し、割れの発生を抑制する連続鋳造方法が採用されている。
【0004】
一方で、近年では機械特性を向上させるために様々な元素が添加された鋼種が増えるにつれ、割れ感受性が高い鋼種が増加しており、脆化温度域を回避して曲げや矯正を行う方法のみでは必ずしも割れの発生を防止することができない。そこで、連続鋳造時における割れを防止する技術として、特許文献1には、N量に対しNb,Tiの量を規定して割れを抑制する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-166038号公報
【非特許文献】
【0006】
Haiwen LUO, L. Pentti KARJALAINEN, David A. PORTER, Heidi-Marja LIIMATAINEN and Yan ZHANG: "The Influence of Ti on the Hot Ductility of Nb-bearing Steels in Simulated Continuous Casting Process", ISIJ International, Vol.42(2002), No.3, pp.273-282
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したNb,Ti,Vといった元素を含む鋼においては脆化温度域が顕著に拡大することから、脆化温度域で曲げおよび矯正を行うことが操業上不可避となる。この脆化温度域の拡大は、Nb,Ti,Vがそれぞれ単独もしくは複合した炭窒化物を生成して粒界上に密に存在することが要因であることが知られている(非特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、依然としてNbなどの炭窒化物が粒界上に密に存在することから、相変態領域近傍の温度域において割れの発生を十分に抑制することができない場合がある。
【0008】
本発明は前述の問題点を鑑み、Nb,Ti,Vの少なくとも1つを含む鋼の鋳片であって、耐割れ感受性に優れた鋳片を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、Nb,Ti,Vといった元素を含む鋼の高温脆化がNb,Ti,Vといった元素を含む炭窒化物が要因であることに着目し、炭窒化物の析出制御を検討した。具体的には、これらの元素よりも窒化物、炭化物の生成能が高いZrに着目し、Zrを添加した場合の鋼の高温延性を調査した。その結果、まず凝固直後にZrNが結晶粒内に生成し、その後温度が下がるにつれて、ZrNからTi,Nb,Vを含む大型の複合炭窒化物へと変化することがわかった。つまり、結晶粒内においてZrを含む窒化物、炭窒化物、炭化物を多く生成させることによって、粒界上でTi,Nb,Vを含む炭窒化物の生成を抑制し、高温脆化を抜本的に改善できることが分かった。
【0010】
以上より、本発明は以下のとおりである。
[1]
質量%で、
C:0.02%~0.50%、
Si:0.05%~3.00%、
Mn:0.50%~4.00%、
Al:0.001%~0.200%、
N:0.0100%以下、
Zr:0.0003%~0.0500%、
Ti:0%~0.100%、
P:0%~0.100%、
S:0%~0.0100%、
Nb:0%~0.100%、
V:0%~0.100%、
B:0%~0.0050%、
Cr:0%~0.10%、
Mo:0%~0.10%、
Sn:0%~0.50%、
Ca:0%~0.0100%、
Mg:0%~0.0100%、
REM:0%~0.0100%、
Ni:0%~0.50%、及び
Cu:0%~0.50%、を含有し、
残部がFe及び不純物からなる鋳片であって、
Ti、Nb、VおよびNの含有量が以下の(1)式を満たし、
前記鋳片の表面から深さ方向に5mmの位置における円相当径が200nm~5000nmの窒化物、炭窒化物および炭化物のうちのZrを10質量%以上含む窒化物、炭窒化物および炭化物を合計した個数比率が50%以上であることを特徴とする鋳片。
0.00005≦([Ti]+0.5[Nb]+[V])×[N]≦0.00250
・・・(1)
ここで、[Ti]、[Nb]、[V]、[N]はそれぞれ前記鋳片での含有量(質量%)を表す。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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