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公開番号2025155411
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2024059231
出願日2024-04-01
発明の名称線材
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251006BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】曲げ加工中の断線を抑制し、曲げ加工後も非磁性を維持することができる線材を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.50~1.10%、Si:0.10~1.00%、Mn:10.00~18.00%、P:0.050%以下、S:0.050%以下、及び、N:0.005~0.035%、であり、残部がFe及び不純物である化学組成を有し、線材の長さ方向に垂直な断面において、オーステナイト組織が、面積率で、98.00%以上100.00%未満であり、中心部における炭化物が、面積率で、0.05~2.00%であり、中心偏析部の炭素の偏析度が1.20以下である、線材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.50~1.10%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:10.0~18.0%、
P:0.050%以下、
S:0.050%以下、及び、
N:0.005~0.035%、であり、
残部がFe及び不純物である化学組成を有し、
線材の長さ方向に垂直な断面において、
オーステナイト組織が、面積率で、98.00%以上100.00%未満であり、
中心部における炭化物が、面積率で、0.05~2.00%であり、
中心偏析部の炭素の偏析度が1.20以下である、線材。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
質量%で、
C:0.50~1.10%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:10.0~18.0%、
P:0.050%以下、
S:0.050%以下、及び、
N:0.005~0.035%、であり、
さらに、下記第1群、第2群、及び第3群からなる群より選択される1種又は2種以上を含み、
残部がFe及び不純物である化学組成を有し、
(第1群)
Cu:0.40%以下、及び
Ni:0.40%以下からなる群より選択される1種又は2種
(第2群)
Cr:2.50%以下、
Mo:1.00%以下、
V:0.25%以下、
Ti:0.100%以下、
Al:0.100%以下、及び
Nb:0.050%以下からなる群より選択される1種又は2種以上
(第3群)
Sn:0.050%以下、
B:0.0050%以下、
Bi:0.20%以下、
Pb:0.09%以下、及び
Ca:0.0100%以下からなる群より選択される1種又は2種以上
線材の長さ方向に垂直な断面において、
オーステナイト組織が、面積率で、98.00%以上100.00%未満であり、
中心部における炭化物が、面積率で、0.05~2.00%であり、
中心偏析部の炭素の偏析度が1.20以下である、線材。
【請求項3】
前記炭化物の最大厚さが0.50μm以下である請求項1又は請求項2に記載の線材。
【請求項4】
前記オーステナイト組織におけるオーステナイト粒の粒径が8μm以上14μm以下である請求項1又は請求項2に記載の線材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、線材に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
リニアモーターカーの関連設備のような強磁場や、医療機器や地磁気測定機等の微弱磁場等の磁場環境で用いられる鋼材は、誘導電流の励起に起因したエネルギー損失やノイズの発生を抑制するため、非磁性特性(低い透磁率)が求められる。
【0003】
特許文献1には、高強度、高耐力および低透磁率を達成し、且つ常温での曲げ加工性に優れ、更に低温での曲げ加工性にも優れた非磁性鋼として、C:0.8~1.2%(質量%の意味。以下、化学成分について同じ。)、Si:0.1~0.6%、Mn:13%超、20%以下、Al:0.001%以上、0.02%未満、P:0.040%以下(0%を含まない)、S:0.045%以下(0%を含まない)およびN:0.025~0.05%を含有し、残部が鉄および不可避不純物であり、ミクロ組織の99.0面積%以上がオーステナイト組織で、オーステナイト結晶粒度番号が8.0~10.5であることを特徴とする低温曲げ加工性に優れた非磁性鋼が開示されている。
【0004】
特許文献2には、高強度かつ低透磁率を示し、更に脱炭層が存在していても、曲げ加工性、特には低温での曲げ加工性に優れた非磁性鋼として、成分組成が、質量%で、C:0.8~1.2%、Si:0.1~0.6%、Mn:13%超、20%未満、Al:0.001%以上、0.02%未満、P:0%超、0.040%以下、S:0%超、0.045%以下、およびN:0.025~0.05%を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、且つ鋼中の水素濃度が4.5質量ppm以下に抑えられていることを特徴とする低温での曲げ加工性に優れた非磁性鋼が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-177662号公報
特開2017-179395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、曲げ加工中の断線を抑制し、曲げ加工後も非磁性を維持することができる線材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 質量%で、
C:0.50~1.10%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:10.0~18.0%、
P:0.050%以下、
S:0.050%以下、及び、
N:0.005~0.035%、であり、
残部がFe及び不純物である化学組成を有し、
線材の長さ方向に垂直な断面において、
オーステナイト組織が、面積率で、98.00%以上100.00%未満であり、
中心部における炭化物が、面積率で、0.05~2.00%であり、
中心偏析部の炭素の偏析度が1.20以下である、線材。
<2> 質量%で、
C:0.50~1.10%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:10.0~18.0%、
P:0.050%以下、
S:0.050%以下、及び、
N:0.005~0.035%、であり、
さらに、下記第1群、第2群、及び第3群からなる群より選択される1種又は2種以上を含み、
残部がFe及び不純物である化学組成を有し、
(第1群)
Cu:0.40%以下、及び
Ni:0.40%以下からなる群より選択される1種又は2種
(第2群)
Cr:2.50%以下、
Mo:1.00%以下、
V:0.25%以下、
Ti:0.100%以下、
Al:0.100%以下、及び
Nb:0.050%以下からなる群より選択される1種又は2種以上
(第3群)
Sn:0.050%以下、
B:0.0050%以下、
Bi:0.20%以下、
Pb:0.09%以下、及び
Ca:0.0100%以下からなる群より選択される1種又は2種以上
線材の長さ方向に垂直な断面において、
オーステナイト組織が、面積率で、98.00%以上100.00%未満であり、
中心部における炭化物が、面積率で、0.05~2.00%であり、
中心偏析部の炭素の偏析度が1.20以下である、線材。
<3> 前記炭化物の最大厚さが0.50μm以下である<1>又は<2>に記載の線材。
<4> 前記オーステナイト組織におけるオーステナイト粒の粒径が8μm以上14μm以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の線材。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、曲げ加工中の断線を抑制し、曲げ加工後も非磁性を維持することができる線材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
線材の曲げ加工時に割れの起点となる炭化物の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一例である実施形態について説明する。
本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」または「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値または上限値として含まない範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
化学組成の元素の含有量は、単に「量」(例えば、C量、Si量等)と表記する場合がある。
化学組成の元素の含有量について、「%」は「質量%」を意味する。
また、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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