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公開番号
2025165279
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-04
出願番号
2024069300
出願日
2024-04-22
発明の名称
オーステナイト系ステンレス鋼材
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251027BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】優れた耐水蒸気酸化特性、耐水素脆化特性及び高温クリープ強度を兼ね備えたメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材を提供する。
【解決手段】質量基準で、C:0.100%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.00%以下、P:0.100%以下、S:0.100%以下、Cr:16.00~30.00%、Ni:10.00~40.00%、N:0.500%以下、Mo:3.00%以下を含み、残部がFe及び不純物からなり、以下の式(1)で表されるNi当量が、23.0~60.0である、メタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。Ni当量=12.6C+0.35Si+1.05Mn+Ni+0.65Cr+0.98Mo・・・(1)(式中、各元素記号は各元素の含有量(%)を表す)。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量基準で、C:0.100%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.00%以下、P:0.100%以下、S:0.100%以下、Cr:16.00~30.00%、Ni:10.00~40.00%、N:0.500%以下、Mo:3.00%以下を含み、残部がFe及び不純物からなり、
以下の式(1)で表されるNi当量が、23.0~60.0である、メタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
Ni当量=12.6C+0.35Si+1.05Mn+Ni+0.65Cr+0.98Mo ・・・(1)
式中、各元素記号は各元素の含有量(%)を表す。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
質量基準で、Ti:1.000%以下、Al:1.000%以下、Nb:1.00%以下、V:1.000%以下、Co:1.00%以下、W:1.00%以下、Zr:1.00%以下、Cu:1.00%以下、Zn:1.000%以下、Ta:1.000%以下、REM:0.10%以下、Ca:0.100%以下、Sn:0.100%以下、Bi:0.010%以下、Pb:0.010%以下、B:0.0100%以下、Mg:0.0100%以下の中から選択される1種以上を更に含む、請求項1に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項3】
以下の式(2)で表されるYが-5.00以下である、請求項1又は2に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
Y=(-0.35Cr)+(-0.8Al)+7.8×固溶C量 ・・・(2)
式中、各元素記号は各元素の含有量(%)を表す。
【請求項4】
質量基準で、固溶C量が0.020%以下である請求項1又は2に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項5】
メタネーション環境下で酸化したときの800℃におけるクリープ破断強度が15MPa以上である請求項1又は2に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項6】
メタネーション環境下で酸化したときの-196℃におけるシャルピー衝撃値が200J/cm
2
以上である請求項1又は2に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項7】
メタネーション環境下で酸化したときの酸化増量が5.0mg/cm
2
以下である請求項1又は2に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項8】
メタネーション環境下で酸化したときの鋼板の表面に形成される酸化皮膜の厚みが2.00μm以下である請求項1又は2に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼材の表面に、質量基準で、Crを20%以上、Oを50%以下含有する酸化皮膜を有するメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
【請求項10】
前記酸化皮膜の厚みが2.00μm以下である請求項9に記載のメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼材に関し、特に、メタネーション環境下で使用可能なメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
水素からメタンを製造するメタネーション技術は、バイオメタネーション、固体酸化物形燃料電池(SOEC)、サバティエ反応を用いたメタネーションなどの種々の手法が知られている。特に、サバティエ反応を用いたメタネーションは、LaNi
5
などの触媒と、空気等から回収した二酸化炭素と、再生可能エネルギーなどを用いて得られた水素とを、温度600~850℃、圧力0.1~2MPa程度の中高温高圧条件下で反応させ、メタンを生成させる手法として知られている。
【0003】
メタネーション反応では、中高温高圧条件下で水素ガスを利用するため、メタネーション反応を行う環境に用いられる材料には、高い耐水蒸気酸化特性、耐水素脆化特性、及び高温クリープ強度が要求される。これまでも、耐食性、耐熱性が必要とされる太陽熱温水器、熱交換器、自動車排ガス部材エキゾーストマニホールドなどの用途として、JIS G4305に規定されるSUS444(19Cr-0.5Nb-2Mo)、Ni-Cr-Mo-Nb系合金(特許文献1~3)などが用いられてきた。また、耐水蒸気酸化特性を備える材料として、フェライト系ステンレス合金などが用いられてきた(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-161528号公報
特開2021-161534号公報
特開2023-12078号公報
特開2014-189826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、SUS444又は特許文献1~3などの従来の材料は、高温クリープ強度のレベルがメタネーション環境下での使用に適しているとはいえない。また、特許文献4に記載の材料は、耐水素脆化特性のレベルがメタネーション環境下での使用に対して十分であるとはいえない。このように、メタネーション環境に適した優れた耐水蒸気酸化特性、耐水素脆化特性及び高温クリープ強度を兼ね備えたステンレス鋼材については、まだ知られておらず検討の余地がある。
【0006】
上記課題を鑑み、本発明は、優れた耐水蒸気酸化特性、耐水素脆化特性及び高温クリープ強度を兼ね備えたメタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、以下の知見を得た。
オーステナイト系ステンレス鋼材の耐水蒸気酸化特性を向上させるためには、鋼材中のCr含有量を増大させることが有効である。しかしながら、Crの含有量が多すぎると、オーステナイト相(γ相)の安定度が低下する。オーステナイト相の安定度を高めるためには、Ni、C等の元素の添加が有効である。これらの元素は、オーステナイト相の安定度を高める効果に加えてメタネーション環境に必要な高温環境でのクリープ強度を向上させる効果もある。しかしながら、Ni、Cは含有量が多すぎると、製造コストの上昇や加工性の低下につながる。
【0008】
メタネーション環境下では、中高温高圧条件下で水素を使用するため、水素脆化の問題を考慮する必要がある。オーステナイト系ステンレス鋼材では、Ni当量が低く、オーステナイト相の安定度が低くなると水素感受性が高くなるため水素脆化する。一方、Ni当量が高すぎると粒界強度、転位すべりの局在度、局所空孔密度等が高くなる結果、逆に水素感受性が高くなり水素脆化する。
【0009】
このような事情を考慮し、本発明者が検討したところ、オーステナイト系ステンレス鋼材の組成と、Ni当量とを、メタネーション環境を考慮した適切な範囲に制御することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、質量基準で、C:0.100%以下、Si:1.00%以下、Mn:3.00%以下、P:0.100%以下、S:0.100%以下、Cr:16.00~30.00%、Ni:10.00~40.00%、N:0.500%以下、Mo:3.00%以下を含み、残部がFe及び不純物からなり、
以下の式(1)で表されるNi当量が、23.0~60.0である、メタネーション環境用オーステナイト系ステンレス鋼材。
Ni当量=12.6C+0.35Si+1.05Mn+Ni+0.65Cr+0.98Mo ・・・(1)
式中、各元素記号は各元素の含有量(%)を表す。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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