TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025158568
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-17
出願番号2024061233
出願日2024-04-05
発明の名称鉄鉱石の選別方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類C22B 1/16 20060101AFI20251009BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】鉄鉱石を脈石成分の多い鉄鉱石と脈石成分の少ない鉄鉱石とに効率良く分離、選別し、脈石成分の少ない鉄鉱石を焼結工程に振り分けることが可能な選別方法を提供する。
【解決手段】本発明は、しきい値決定用鉄鉱石を撮像したしきい値決定用画像を用いて、B成分の強度値に対するしきい値を決定するしきい値決定工程ST1と、選別対象鉄鉱石を撮像した選別対象画像と、しきい値とを用いて、選別対象鉄鉱石を、選別対象画像においてB成分の強度値がしきい値以上である画素領域に対応する第1区分の選別対象鉄鉱石と、選別対象画像においてB成分の強度値がしきい値未満である画素領域に対応する第2区分の選別対象鉄鉱石とに分類し、選別する選別工程ST2と、を有する。選別工程では、選別された第2区分の選別対象鉄鉱石を焼結工程に振り分ける。また、選別工程では、選別された第1区分の選別対象鉄鉱石を鉄鉱石粉砕工程ST3に振り分ける。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
選別対象である選別対象鉄鉱石と同種の鉄鉱石であるしきい値決定用鉄鉱石を撮像したカラー画像であるしきい値決定用画像を用いて、カラー画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値に対するしきい値を決定するしきい値決定工程と、
前記選別対象鉄鉱石を撮像したカラー画像である選別対象画像と、前記しきい値とを用いて、前記選別対象鉄鉱石を2つの区分に分類し、選別する選別工程と、を有し、
前記しきい値決定工程は、
前記しきい値決定用鉄鉱石を撮像して前記しきい値決定用画像を取得する画像取得ステップと、
前記しきい値決定用画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値を抽出する抽出ステップと、
前記しきい値決定用画像において、前記しきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記B成分の強度値の分布のピーク強度値に対して、予め決めた所定値だけ大きな強度値を、前記しきい値として決定する決定ステップと、を含み、
前記選別工程は、
前記選別対象鉄鉱石を撮像して前記選別対象画像を取得する画像取得ステップと、
前記選別対象画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値を抽出する抽出ステップと、
前記選別対象鉄鉱石を、前記選別対象画像において前記B成分の強度値が前記しきい値以上である画素領域に対応する第1区分の選別対象鉄鉱石と、前記選別対象画像において前記B成分の強度値が前記しきい値未満である画素領域に対応する第2区分の選別対象鉄鉱石と、の2つの区分の選別対象鉄鉱石に分類し、選別する選別ステップと、
前記選別ステップで選別された前記第2区分の選別対象鉄鉱石を焼結工程に振り分ける振り分けステップと、を含む、
鉄鉱石の選別方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
鉄鉱石粉砕工程を更に有し、
前記選別工程の前記振り分けステップでは、前記選別ステップで選別された前記第1区分の選別対象鉄鉱石を前記鉄鉱石粉砕工程に振り分け、
前記鉄鉱石粉砕工程では、前記第1区分の選別対象鉄鉱石を粉砕し、
粉砕した前記第1区分の選別対象鉄鉱石の全量が、前記焼結工程に供される、
請求項1に記載の鉄鉱石の選別方法。
【請求項3】
粉砕した前記第1区分の選別対象鉄鉱石の全量が、前記焼結工程におけるパンペレタイザを利用した造粒プロセスに供される、
請求項2に記載の鉄鉱石の選別方法。
【請求項4】
鉄鉱石粉砕工程と、選鉱処理工程と、を更に有し、
前記選別工程の前記振り分けステップでは、前記選別ステップで選別された前記第1区分の選別対象鉄鉱石を前記鉄鉱石粉砕工程に振り分け、
前記鉄鉱石粉砕工程では、前記第1区分の選別対象鉄鉱石を粉砕し、
前記選鉱処理工程では、粉砕した前記第1区分の選別対象鉄鉱石を、選鉱処理法を用いて、含鉄鉱物主体の粒子と、脈石主体の粒子と、に分離選別し、
分離選別された前記含鉄鉱物主体の粒子が、前記焼結工程に供され、分離選別された前記脈石主体の粒子が廃棄処分される、
請求項1に記載の鉄鉱石の選別方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鉱石の選別方法に関する。特に、本発明は、鉄鉱石を脈石成分の多い鉄鉱石と脈石成分の少ない鉄鉱石とに効率良く分離、選別し、脈石成分の少ない鉄鉱石を焼結工程に振り分けることが可能な選別方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、良質な鉄鉱石の枯渇によって、製鉄原料として使用される鉄鉱石の鉄分が低下し、脈石成分であるSiO

やAl



などが上昇傾向となっている。
鉄鉱石の脈石成分の上昇は、焼結工程において、溶融同化性を阻害し、成品歩留まり、ひいては焼結生産性を悪化させる原因となる。
また、脈石成分の多い鉄鉱石を原料として焼結鉱を製造し、高炉で使用すると、スラグ発生量の増加に繋がり、還元材比の悪化による高炉の製造コストの増加やCO

発生量の増加を引き起こす。
このため、鉄鉱石を、脈石成分の多い鉄鉱石と、酸化鉄が主体で脈石成分の少ない鉄鉱石とに効率良く分離、選別し、脈石成分の少ない鉄鉱石を焼結工程に振り分けることが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、有用鉱物(不透明鉱物)、不用鉱物(透明鉱物)及び脈石鉱物を含む鉱石を画像解析することにより、有用鉱物の存在比率を分析する方法が提案されている。
また、特許文献2には、粉塵を画像解析することにより、粉塵が鉄の製造に由来する粉塵及び珪砂のうちの何れであるかを判別する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1、2には、鉄鉱石を脈石成分の多い鉄鉱石と脈石成分の少ない鉄鉱石とに効率良く分離、選別する方法について、何ら提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-79253号公報
特開2011-203128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するべくなされたものであり、鉄鉱石を脈石成分の多い鉄鉱石と脈石成分の少ない鉄鉱石とに効率良く分離、選別し、脈石成分の少ない鉄鉱石を焼結工程に振り分けることが可能な選別方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、脈石成分の多い鉄鉱石は、白色系の外観色を示し、酸化鉄が主体で脈石成分の少ない鉄鉱石は、黒色、灰色、赤色、黄色等の白色系以外(本明細書では、適宜、これを「他色系」と称する)の外観色を示すことを見出した。そして、鉄鉱石を撮像したカラー画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値が、脈石成分の多い白色系の鉄鉱石では大きくなり、脈石成分の少ない他色系の鉄鉱石では小さくなり、両者の差が大きいことを見出した。このため、鉄鉱石を撮像したカラー画像のB成分の強度値を抽出すれば、その大小に応じて、脈石成分の多い鉄鉱石と脈石成分の少ない鉄鉱石とに自動的に効率良く分類、選別できることに想到した。
本発明は、上記の本発明者の知見によって完成したものである。
【0007】
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、選別対象である選別対象鉄鉱石と同種の鉄鉱石であるしきい値決定用鉄鉱石を撮像したカラー画像であるしきい値決定用画像を用いて、カラー画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値に対するしきい値を決定するしきい値決定工程と、前記選別対象鉄鉱石を撮像したカラー画像である選別対象画像と、前記しきい値とを用いて、前記選別対象鉄鉱石を2つの区分に分類し、選別する選別工程と、を有し、前記しきい値決定工程は、前記しきい値決定用鉄鉱石を撮像して前記しきい値決定用画像を取得する画像取得ステップと、前記しきい値決定用画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値を抽出する抽出ステップと、前記しきい値決定用画像において、前記しきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記B成分の強度値の分布のピーク強度値に対して、予め決めた所定値だけ大きな強度値を、前記しきい値として決定する決定ステップと、を含み、前記選別工程は、前記選別対象鉄鉱石を撮像して前記選別対象画像を取得する画像取得ステップと、前記選別対象画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値を抽出する抽出ステップと、前記選別対象鉄鉱石を、前記選別対象画像において前記B成分の強度値が前記しきい値以上である画素領域に対応する第1区分の選別対象鉄鉱石と、前記選別対象画像において前記B成分の強度値が前記しきい値未満である画素領域に対応する第2区分の選別対象鉄鉱石と、の2つの区分の選別対象鉄鉱石に分類し、選別する選別ステップと、前記選別ステップで選別された前記第2区分の選別対象鉄鉱石を焼結工程に振り分ける振り分けステップと、を含む、鉄鉱石の選別方法を提供する。
【0008】
本発明において、「選別対象鉄鉱石と同種の鉄鉱石であるしきい値決定用鉄鉱石」は、選別対象鉄鉱石と同じ鉱山から採掘した、鉱物特性が同等の鉄鉱石を意味し、選別対象鉄鉱石と異なるタイミングで採掘又は入荷した鉄鉱石の他、選別対象鉄鉱石から抜き取ったサンプルをしきい値決定用鉄鉱石として用いる場合も含まれる。
また、本発明において、「カラー画像」とは、鉄鉱石に、昼白色、昼光色又は白色の光源から出射した光が照射される環境下、或いは、太陽光が照射される環境下で、鉄鉱石が撮像された、色相としてR(赤)、G(緑)、B(青)の各成分を有する画像を意味する。
【0009】
本発明によれば、しきい値決定工程によって、カラー画像のRGB各成分のうち、B成分の強度値に対するしきい値が決定され、選別工程によって、選別対象鉄鉱石を撮像したカラー画像である選別対象画像と、しきい値とを用いて、選別対象鉄鉱石が2つの区分(第1区分、第2区分)に分類、選別され、第2区分の選別対象鉄鉱石が焼結工程に振り分けられる。
具体的には、しきい値決定工程では、しきい値決定用鉄鉱石を撮像したカラー画像であるしきい値決定用画像において、しきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域のB成分の強度値の分布のピーク強度値に対して、予め決めた所定値だけ大きな強度値が、しきい値として決定される。
そして、選別工程では、選別対象画像においてB成分の強度値がしきい値以上である画素領域に対応する選別対象鉄鉱石が、第1区分の選別対象鉄鉱石として分類、選別される。この第1区分の選別対象鉄鉱石は、前述の本発明者の知見によれば、脈石成分の多い白色系の選別対象鉄鉱石であることが期待できる。また、選別工程では、選別対象画像においてB成分の強度値がしきい値未満である画素領域に対応する選別対象鉄鉱石が、第2区分の選別対象鉄鉱石として分類、選別される。この第2区分の選別対象鉄鉱石は、前述の本発明者の知見によれば、脈石成分の少ない他色系の選別対象鉄鉱石であることが期待できる。このため、選別された第2区分の選別対象鉄鉱石を焼結工程に振り分けることで、脈石成分の少ない鉄鉱石を焼結工程に振り分けることが可能である。
【0010】
以上のように、本発明によれば、しきい値決定用鉄鉱石を撮像したしきい値決定用画像及び選別対象鉄鉱石を撮像した選別対象画像のB成分の強度値のみを用いて、選別対象鉄鉱石を、脈石成分の多い白色系の選別対象鉄鉱石であることが期待できる第1区分の選別対象鉄鉱石と、脈石成分の少ない他色系の選別対象鉄鉱石であることが期待できる第2区分の選別対象鉄鉱石とに自動的に効率良く分類、選別できる。このため、選別された第2区分の選別対象鉄鉱石を焼結工程に振り分けることで、焼結工程における焼結生産性の悪化や、高炉における製造コストの増加やCO

発生量の増加を低減可能である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
線材
6日前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼部品
12日前
日本製鉄株式会社
剪断機
21日前
日本製鉄株式会社
ボルト
21日前
日本製鉄株式会社
床構造
21日前
日本製鉄株式会社
鋼部品
12日前
日本製鉄株式会社
床構造
21日前
日本製鉄株式会社
橋脚構造
10日前
日本製鉄株式会社
管理装置
1か月前
日本製鉄株式会社
構造部材
1か月前
日本製鉄株式会社
溶接継手
4日前
日本製鉄株式会社
鍛鋼ロール
11日前
日本製鉄株式会社
腐食センサ
10日前
日本製鉄株式会社
耐火構造物
1か月前
日本製鉄株式会社
耐火構造物
1か月前
日本製鉄株式会社
リクレーマ
1か月前
日本製鉄株式会社
耐火構造物
1か月前
日本製鉄株式会社
鍛鋼ロール
11日前
日本製鉄株式会社
鋼の製造方法
2か月前
日本製鉄株式会社
高Ni合金鋼
10日前
日本製鉄株式会社
高炉操業方法
2か月前
日本製鉄株式会社
転炉精錬方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高Ni合金板
1か月前
日本製鉄株式会社
管理システム
10日前
日本製鉄株式会社
高Ni合金鋼
10日前
日本製鉄株式会社
学習システム
13日前
日本製鉄株式会社
溶鉄の製造方法
12日前
日本製鉄株式会社
高炉の冷却構造
1か月前
日本製鉄株式会社
ステンレス鋼板
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
12日前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
1か月前
続きを見る