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公開番号
2025150542
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024051463
出願日
2024-03-27
発明の名称
モールドパウダー
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
主分類
B22D
11/108 20060101AFI20251002BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】モールドパウダーの溶融速度の向上と溶融モールドパウダー層の厚さの肥大化の防止とを十分に両立させたモールドパウダーを提供する。
【解決手段】質量%で、CaOおよびSiO
2
:合計で50.0%以上、Na
2
O:10.0%以上、SrO:7.0%以下、およびT.C:5.0%以下、を含有する組成であり、CaCO
3
、Na
2
CO
3
およびSrCO
3
からなる群から選ばれる1種以上の炭酸塩として存在する割合が5.00%以下であり、ガラス粉(ソーダ石灰ガラス)として存在する割合が3.0%以上であり、塩基度(CaO/SiO
2
)が0.70以上1.30以下であり、1300℃における粘度が0.15Pa・s以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
CaOおよびSiO
2
:合計で50.0%以上、
Na
2
O:10.0%以上、
SrO:7.0%以下、および
T.C:5.0%以下、
を含有する組成であり、
CaCO
3
、Na
2
CO
3
およびSrCO
3
からなる群から選ばれる1種以上の炭酸塩として存在する割合が5.00%以下であり、
ガラス粉(ソーダ石灰ガラス)として存在する割合が3.0%以上であり、
塩基度(CaO/SiO
2
)が0.70以上1.30以下であり、
1300℃における粘度が0.15Pa・s以下であることを特徴とするモールドパウダー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した溶融速度を実現するモールドパウダーに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
溶融金属の連続鋳造において、鋳型内の溶融金属表面を被覆するように連続鋳造用モールドパウダーが供給される。以下、このような連続鋳造用モールドパウダーを単に「モールドパウダー」と呼ぶ。鋳型内に供給されたモールドパウダーは、溶融金属からの加熱によって溶融金属表面に溶融層を形成し、溶融したモールドパウダーは溶鋼のメニスカス部から鋳型内壁に沿って鋳型と凝固シェルとの間隙へ流入し、フィルムを形成する。
【0003】
モールドパウダーは、溶融金属の連続鋳造において以下のような特性を具備することが要求される。
まず、第1に、溶鋼湯面上にてモールドパウダーが溶融して形成された溶融モールドパウダー層およびその上の未溶融のモールドパウダー層が溶鋼湯面を被覆することにより、空気との接触を遮断するため、溶鋼の再酸化を防止して保温する効果が得られる。
第2に、溶融したモールドパウダーは、鋳型と凝固シェルとの間に流入して潤滑剤として働く必要があるため、モールドパウダーが常に適当量供給され、モールドパウダーの消費速度に合わせて、適正量の溶融モールドパウダープール厚となる溶融速度を有していることが要求される。
第3に、溶融モールドパウダー層が溶鋼中を浮上してきた非金属介在物を吸収し、非金属介在物を吸収することによって溶融モールドパウダーの物性(粘度、溶融温度、凝固温度など)の変化が小さいことが要求される。
第4に、溶融したモールドパウダーが鋳型と凝固シェルとの間に流れ込み、均一なパウダーフィルムを形成して、パウダーフィルムが鋳型と凝固シェルとの間で潤滑作用を有するとともに、鋳造する鋼の特性によっては凝固シェルの緩冷却能が要求されることもある。
第5に、溶融したモールドパウダーが適度な粘度、界面張力を持ち、溶融したモールドパウダーが溶鋼中へ巻き込まれないことが必要である。
【0004】
以上のようにモールドパウダーには、多くの特性を具備することが求められ、これらの特性を向上させるために様々な技術が提案されている。特許文献1には、溶鋼と鋳型間の潤滑、熱伝達、放射熱損(保温)などの課題に対し、CO
2
を最大で30質量%含み、CO
2
を含む原料として石灰石(CaCO
3
)、炭酸ナトリウム(Na
2
CO
3
)を含むモールドパウダーが開示されている。また、特許文献2には、モールドパウダーの焼結やスラグリム(スラグベア)の発生を防止することを課題とし、第二族金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム)とソーダ石灰ガラス由来のSiO
2
の量を調整したモールドパウダーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭54-35129号公報
特開2016-135493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
連続鋳造中にモールドパウダーの消費速度が低下して潤滑性が損なわれる疑いがある場合には、溶融モールドパウダー層の厚さを増加させてモールドパウダーの溶融速度を増加させることが一般的に行われる。ところが、モールドパウダーの溶融速度を制御できなくなる場合があり、このような場合には溶融モールドパウダー層の厚さが肥大化し、さらには未溶融のモールドパウダー層までもが溶融し、空気との接触が遮断できなくなり保温が損なわれる等のトラブルが生じる場合がある。
【0007】
特許文献1に記載のモールドパウダーの場合は、モールドパウダーの溶融速度を向上させることはできるが、溶融モールドパウダー層の厚さの肥大化を十分に防止することはできない。また、特許文献2に記載のモールドパウダーの場合は、溶融モールドパウダー層の厚さの肥大化を防止できないか、もしくは溶融速度が低下して流入性(潤滑性)が不足するかのいずれかが起こり得るため、モールドパウダーの溶融速度の向上と溶融モールドパウダー層の厚さの肥大化の防止とを十分に両立させることができない。
【0008】
本発明は前述の問題点を鑑み、モールドパウダーの溶融速度の向上と溶融モールドパウダー層の厚さの肥大化の防止とを十分に両立させたモールドパウダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、同一設計のモールドパウダーで同一の鋳造条件であっても、溶融モールドパウダー層の厚さが肥大化する事例があり、その原因について調査を行った。その結果、モールドパウダーに含まれる一部の炭酸塩は800℃以上の高温で分解してCO
2
が発生し、鋳型内を撹拌する作用をもつ。このため、攪拌の状況によってはモールドパウダーの溶融を加速させ、溶融モールドパウダー層の厚さの肥大化してしまう場合があることを新たに知見した。そこで、本発明者らはモールドパウダーから一部の炭酸塩の含有量を低減させることに想到した。一方で、これらの炭酸塩の含有量を低減させることによって、モールドパウダーの溶融速度が低下しすぎないように、モールドパウダー中のNa
2
Oを800℃近傍で溶融させることによって溶融速度を確保するようにした。
【0010】
本発明は、以下のとおりである。
[1]
質量%で、
CaOおよびSiO
2
:合計で50.0%以上、
Na
2
O:10.0%以上、
SrO:7.0%以下、および
T.C:5.0%以下、
を含有する組成であり、
CaCO
3
、Na
2
CO
3
およびSrCO
3
からなる群から選ばれる1種以上の炭酸塩として存在する割合が5.00%以下であり、
ガラス粉(ソーダ石灰ガラス)として存在する割合が3.0%以上であり、
塩基度(CaO/SiO
2
)が0.70以上1.30以下であり、
1300℃における粘度が0.15Pa・s以下であることを特徴とするモールドパウダー。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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