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公開番号2025164877
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2025140387,2023560953
出願日2025-08-26,2023-06-12
発明の名称亜鉛の除去方法及び亜鉛の除去装置
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22B 1/00 20060101AFI20251023BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 鉛の酸化を考慮しながら亜鉛めっき鋼板の加熱温度を定めて亜鉛を除去できる亜鉛の除去方法を提供する。
【解決手段】 容器内に収容された亜鉛めっき鋼板から亜鉛を除去する亜鉛の除去方法であって、容器内の温度と酸素分圧とが下記(1)~(3)式の関係を満たす。
T≧17.6log(PO2)+1031・・・(1)
700≦T≦1200・・・(2)
PO2≦10.13・・・(3)
上記(1)~(3)式において、Tは容器内の温度(℃)であり、PO2は容器内の酸素分圧(kPa)である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
容器内に収容された亜鉛めっき鋼板から亜鉛を除去する亜鉛の除去方法であって、
前記容器内の温度と酸素分圧とが下記(1)~(3)式の関係を満たし、
前記容器内の酸素分圧は1.00×10
-30
kPa以上である、亜鉛の除去方法。
T≧17.6log(P
O2
)+1031・・・(1)
700≦T≦1200・・・(2)

O2
≦10.13・・・(3)
上記(1)~(3)式において、Tは前記容器内の温度(℃)であり、P
O2
は前記容器内の酸素分圧(kPa)である。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記亜鉛めっき鋼板を前記容器内に5分以上収容する、請求項1に記載の亜鉛の除去方法。
【請求項3】
亜鉛めっき鋼板から亜鉛を除去する亜鉛の除去装置であって、
亜鉛めっき鋼板を収容する容器と、
前記容器内の温度を計測する温度計と、
前記容器内のガス成分の濃度を測定する成分濃度計と、
前記容器内の温度及びガス成分の濃度を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、下記(1)~(3)式の関係を満たすように前記容器内の温度及び酸素濃度を制御するとともに前記容器内の酸素分圧を1.00×10
-30
kPa以上に制御する、亜鉛の除去装置。
T≧17.6log(P
O2
)+1031・・・(1)
700≦T≦1200・・・(2)

O2
≦10.13・・・(3)
上記(1)~(3)式において、Tは前記容器内の温度(℃)であり、P
O2
は前記容器内の酸素分圧(kPa)である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛めっき鋼板から亜鉛を除去する亜鉛の除去方法及び亜鉛の除去装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
亜鉛めっき鋼板は、極めて優れた耐食性を有しているため、自動車のボディーや建材等の様々な用途で使用されている。近年、鉄鋼材料の有効活用の観点から、亜鉛めっき鋼板をはじめ市中に出回っている多くの鉄鋼材料は、スクラップとして回収され、電気炉製鋼あるいは転炉製鋼プロセスの原料として再利用されている。また、鉄鉱石を原料とする高炉・転炉一貫製鉄法に比べて、スクラップを原料とする電気炉製鋼法の方が製鉄プロセスにおけるCO

排出量削減の効果が高いことから、今後、亜鉛めっき鋼板を含むスクラップ原料の使用量がさらに増加することが予想される。
【0003】
しかしながら、これらの製鋼プロセスにおける溶鉄温度は1700℃程度にも達するため、亜鉛めっき鋼板に含有される亜鉛は揮発して製鉄ダスト中に混入したり、溶鉄中に移行したりする。溶鉄中に存在する亜鉛についても、溶鉄より飽和蒸気圧の高い亜鉛は揮発しやすいので、その多くは最終的に製鉄ダスト中に蓄積される。
【0004】
近年、製鉄ダスト等の副産物も鉄源として再利用する技術開発が進められている。例えば、製鉄ダストは鉄鉱石の焼結工程で再利用されているが、亜鉛を含有する製鉄ダストを焼結工程で再利用すると焼結鉱中に亜鉛が蓄積される。亜鉛を含有する焼結鉱を製鉄原料として高炉で使用すると高炉内で金属亜鉛の蒸気が発生し、その後冷却されて析出した金属亜鉛が炉内に付着し、成長することで高炉内の通気性が悪化したり、除去しきれなかった亜鉛が溶鉄中にピックアップされたりするので、亜鉛めっき鋼板のリサイクルへの適用が困難になっている。
【0005】
製鉄ダスト中の亜鉛濃度が50質量%以上の場合は、粗亜鉛製造の原料として亜鉛精錬業者へ販売するような利用手段も考えられる。しかしながら、一般的に、高炉ダスト及び転炉ダスト中の亜鉛濃度は高くても1質量%程度であり、電気炉ダストでもせいぜい10~40質量%程度であるので、粗亜鉛製造プロセスへの原料としての利用も困難である。したがって、これらの亜鉛含有ダストは産廃処理が必要となり、鉄鋼材料の製造コストを悪化させる要因の1つになっている。
【0006】
このような背景から亜鉛めっき鋼板に含有される亜鉛を予め除去する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、スクラップ原料を収容した処理室内に過熱水蒸気を供給してスクラップに含まれる亜鉛を除去する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-145499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
亜鉛を加熱すると大気中の酸素によって亜鉛が酸化され、亜鉛めっきの表層部分に亜鉛酸化物が形成され、亜鉛の揮発除去が阻害される。したがって、効率的に亜鉛を除去するには、亜鉛の酸化の影響を考慮して亜鉛の加熱温度を定める必要があるが、特許文献1には、亜鉛の酸化の影響については全く考慮されていない。このため、特許文献1に開示された方法では、亜鉛の酸化によって亜鉛を効率良く除去できない場合がある、という課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、亜鉛の酸化を考慮しながら亜鉛めっき鋼板の加熱温度を定めて亜鉛を除去できる亜鉛の除去方法及び亜鉛の除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]容器内に収容された亜鉛めっき鋼板から亜鉛を除去する亜鉛の除去方法であって、前記容器内の温度と酸素分圧とが下記(1)~(3)式の関係を満たす、亜鉛の除去方法。
T≧17.6log(P
O2
)+1031・・・(1)
700≦T≦1200・・・(2)

O2
≦10.13・・・(3)
上記(1)~(3)式において、Tは前記容器内の温度(℃)であり、P
O2
は前記容器内の酸素分圧(kPa)である。
[2]前記亜鉛めっき鋼板を前記容器内に5分以上収容する、[1]に記載の亜鉛の除去方法。
[3]溶解炉から発生する排ガスの顕熱で前記容器内を加熱する、[1]または[2]に記載の亜鉛の除去方法。
[4]前記溶解炉に収容された溶鉄の顕熱で前記容器内を加熱する、[3]に記載の亜鉛の除去方法。
[5]前記容器内に下記(4)~(6)式の関係を満たす排ガスを供給する、[3]に記載の亜鉛の除去方法。


≧17.6log(P
O2,g
)+1031・・・(4)
700≦T

≦1200・・・(5)

O2,g
≦10.13・・・(6)
上記(4)~(6)式において、T

は前記排ガスの温度(℃)であり、P
O2,g
は前記排ガスの酸素分圧(kPa)である。
[6]亜鉛めっき鋼板から亜鉛を除去する亜鉛の除去装置であって、亜鉛めっき鋼板を収容する容器と、前記容器内の温度を計測する温度計と、前記容器内のガス成分の濃度を測定する成分濃度計と、前記容器内の温度及びガス成分の濃度を制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、下記(1)~(3)式の関係を満たすように前記容器内の温度及び酸素濃度を制御する、亜鉛の除去装置。
T≧17.6log(P
O2
)+1031・・・(1)
700≦T≦1200・・・(2)

O2
≦10.13・・・(3)
上記(1)~(3)式において、Tは前記容器内の温度(℃)であり、P
O2
は前記容器内の酸素分圧(kPa)である。
[7]前記容器は、溶鉄を収容する溶解炉の排ガス流路に接続されており、前記制御装置は、前記容器に流入する排ガス流量を制御することで、前記容器内の温度及び酸素濃度を制御する、[6]に記載の亜鉛の除去装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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