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公開番号2025062921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172289
出願日2023-10-03
発明の名称鋼材
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250408BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】ボルトの水素脆化感受性を低くすることができる、鋼材を提供する。
【解決手段】本開示による鋼材は、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.10~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.80超~1.50%、Mo:0.01~0.50%未満、V:0.01~0.50%、Al:0.005~0.100%、及び、N:0.0010~0.0300%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、硬質組織の面積率が90%以上であり、ビッカース硬さが220~400HVであり、硬質組織中のセメンタイトの個数密度が4.0個/μm2以上であり、硬質組織中の複数のセメンタイトのうち、0.0005~0.0100μm2の面積を有するセメンタイトの個数割合が50.0%以上であり、硬質組織中の複数のセメンタイトの面積の標本標準偏差が0.070μm2以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.80超~1.50%、
Mo:0.01~0.50%未満、
V:0.01~0.50%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0300%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
硬質組織の面積率が90%以上であり、ビッカース硬さが220~400HVであり、
前記硬質組織中の0.0005μm

以上の面積を有するセメンタイトの個数密度が4.0個/μm

以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトのうち、0.0005~0.0100μm

の面積を有する前記セメンタイトの個数割合が50.0%以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトの面積の標本標準偏差が0.070μm

以下である、
鋼材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.80超~1.50%、
Mo:0.01~0.50%未満、
V:0.01~0.50%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0300%、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
硬質組織の面積率が90%以上であり、ビッカース硬さが220~400HVであり、
前記硬質組織中の0.0005μm

以上の面積を有するセメンタイトの個数密度が4.0個/μm

以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトのうち、0.0005~0.0100μm

の面積を有する前記セメンタイトの個数割合が50.0%以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトの面積の標本標準偏差が0.070μm

以下である、
鋼材。
[第1群]
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、
B:0.0100%以下、
Zr:0.300%以下、
Hf:0.100%以下、
Ta:0.100%以下、及び、
W:0.200%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ti:0.100%以下、及び、
Nb:0.100%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Ca:0.0050%以下、及び
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第4群]
Bi:0.020%以下、及び、
Te:0.010%以下、からなる群から選択される1種以上
【請求項3】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第1群を含有する、
鋼材。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第2群を含有する、
鋼材。
【請求項5】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第3群を含有する、
鋼材。
【請求項6】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第4群を含有する、
鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼材に関し、さらに詳しくは、ボルトの素材として利用可能な鋼材に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ボルトは、産業機械、自動車、橋梁に代表される建築物等に利用される。近年、産業機械及び自動車の高性能化、及び、建築物等の大型化に伴い、ボルトの高強度化が求められている。
【0003】
高強度を有するボルトでは、水素脆化感受性が高まる可能性がある。水素脆化は、ボルトの遅れ破壊の要因となる。したがって、高強度を有するボルトでは、水素脆化感受性が低いことが求められる。
【0004】
国際公開第2020/162616号(特許文献1)は、高い強度と低い水素脆化感受性とを有するボルトの素材となる鋼材を提案する。
【0005】
特許文献1に開示される鋼材は、質量%で、C:0.35~0.45%、Si:0.02~0.10%、Mn:0.20~0.84%、Cr:0.60~1.15%、V:0.30~0.50%、Mo:0.25~0.99%、Al:0.010~0.100%、N:0.0010~0.0150%、P:0.015%以下、S:0.015%以下、及び、残部:Fe及び不純物からなり、下記式(1)及び下記式(2)を満たす。
0.48≦Mo/1.4+V<1.10 (1)
0.80<Mo/V<3.00 (2)
この鋼材では、化学組成中のMo含有量及びV含有量を、式(1)及び式(2)を満たすように調整する。これにより、この鋼材を素材として製造されたボルトにおいて、MC型炭化物が分散しやすくなる。その結果、ボルトの水素脆化感受性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/162616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された鋼材を素材として製造されるボルトでは、水素脆化感受性が低い。しかしながら、特許文献1と異なる手段により、鋼材を素材として製造されたボルトの水素脆化感受性を低下させてもよい。
【0008】
本開示の目的は、ボルトの素材として用いられた場合に、ボルトの水素脆化感受性を低くすることができる、鋼材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示による鋼材は、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.80超~1.50%、
Mo:0.01~0.50%未満、
V:0.01~0.50%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0300%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
硬質組織の面積率が90%以上であり、ビッカース硬さが220~400HVであり、
前記硬質組織中の0.0005μm

以上の面積を有するセメンタイトの個数密度が4.0個/μm

以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトのうち、0.0005~0.0100μm

の面積を有する前記セメンタイトの個数割合が50.0%以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトの面積の標本標準偏差が0.070μm

以下である。
【0010】
本開示による鋼材は、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.80超~1.50%、
Mo:0.01~0.50%未満、
V:0.01~0.50%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0300%、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
硬質組織の面積率が90%以上であり、ビッカース硬さが220~400HVであり、
前記硬質組織中の0.0005μm

以上の面積を有するセメンタイトの個数密度が4.0個/μm

以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトのうち、0.0005~0.0100μm

の面積を有する前記セメンタイトの個数割合が50.0%以上であり、前記硬質組織中の複数の前記セメンタイトの面積の標本標準偏差が0.070μm

以下である。
[第1群]
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、
B:0.0100%以下、
Zr:0.300%以下、
Hf:0.100%以下、
Ta:0.100%以下、及び、
W:0.200%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ti:0.100%以下、及び、
Nb:0.100%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Ca:0.0050%以下、及び
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第4群]
Bi:0.020%以下、及び、
Te:0.010%以下、からなる群から選択される1種以上
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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