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公開番号
2025002863
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023103238
出願日
2023-06-23
発明の名称
めっき鋼線
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C22C
18/04 20060101AFI20241226BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】耐食性に優れ、加工時にめっき層の割れの発生も抑制できる、めっき鋼線を提供
する。
【解決手段】本開示によるめっき鋼線1は、母材鋼線10と、めっき層20とを備える。めっき層20は、質量%で、Al:4.5~15.0%、及び、Mg:0.3~4.0%、を含有し、残部がZn及び不純物からなる。めっき層20のミクロ組織は、総面積率で10~60%のα相と、総面積率で10~70%の共晶組織と、総面積率で0~50%のZn相とを含有する。めっき鋼線の軸方向に垂直な横断面において、めっき層20の厚さ方向をT方向とし、T方向に垂直な方向をC方向と定義し、一対のC方向辺と、一対のT方向辺とで構成され、めっき層20内に含まれる矩形観察領域において、矩形観察領域を5μm×5μmの辺を有する微小正方形領域に区分したとき、微小正方形領域の辺と、α相、共晶組織及びZn相の界面との交点密度が3.0×10
-2
~9.0×10
-2
個/μm
2
である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
めっき鋼線であって、
母材鋼線と、
前記母材鋼線の表面上に形成されているめっき層とを備え、
前記めっき層の化学組成は、質量%で、
Al:4.5~15.0%、及び、
Mg:0.3~4.0%、を含有し、
残部がZn及び不純物からなり、
前記めっき鋼線の軸方向に垂直な断面である横断面において、前記めっき層のミクロ組織は、
Al及びZnからなり、総面積率で10~60%であるα相と、
Zn相と、Zn及びMgからなるZn-Mg相とを含み、総面積率で10~70%である共晶組織と、
Znからなり、総面積率で0~50%であるZn相とを含有し、
前記横断面において、前記めっき層の厚さ方向をT方向と定義し、前記T方向に垂直な方向をC方向と定義したとき、
前記横断面において、前記C方向に40μmの長さを有する一対のC方向辺と、前記T方向に5Nμm(Nは自然数)の長さを有する一対のT方向辺とで構成される矩形領域であって、一対の前記C方向辺及び一対の前記T方向辺の全体が前記めっき層に含まれる最大サイズの前記矩形領域を矩形観察領域と定義し、
前記矩形観察領域内を、前記T方向に5μmの辺を有し、前記C方向に5μmの辺を有する複数の微小正方形領域に区分けしたとき、
前記微小正方形領域の辺と、前記α相、前記共晶組織及び前記Zn相の界面との交点の密度が3.0×10
-2
~9.0×10
-2
個/μm
2
である、
めっき鋼線。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
めっき鋼線であって、
母材鋼線と、
前記母材鋼線の表面上に形成されているめっき層とを備え、
前記めっき層の化学組成は、質量%で、
Al:4.5~15.0%、
Mg:0.3~4.0%、及び、
第1群~第3群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部がZn及び不純物からなり、
前記めっき鋼線の軸方向に垂直な断面である横断面において、前記めっき層のミクロ組織は、
Al及びZnからなり、総面積率で10~60%であるα相と、
Zn相と、Zn及びMgからなるZn-Mg相とを含み、総面積率で10~70%である共晶組織と、
Znからなり、総面積率で0~50%であるZn相とを含有し、
前記横断面において、前記めっき層の厚さ方向をT方向と定義し、前記T方向に垂直な方向をC方向と定義したとき、
前記横断面において、前記C方向に40μmの長さを有する一対のC方向辺と、前記T方向に5Nμm(Nは自然数)の長さを有する一対のT方向辺とで構成される矩形領域であって、一対の前記C方向辺及び一対の前記T方向辺の全体が前記めっき層に含まれる最大サイズの前記矩形領域を矩形観察領域と定義し、
前記矩形観察領域内を、前記T方向に5μmの辺を有し、前記C方向に5μmの辺を有する複数の微小正方形領域に区分けしたとき、
前記微小正方形領域の辺と、前記α相、前記共晶組織及び前記Zn相の界面との交点の密度が3.0×10
-2
~9.0×10
-2
個/μm
2
である、
めっき鋼線。
[第1群]
Si:0.50%以下
[第2群]
Fe:2.00%以下
[第3群]
Bi:0.50%以下、
Pb:0.50%以下、
Sr:0.50%以下、
V:0.50%以下、
Cr:0.50%以下、
Mn:0.50%以下、
Sn:0.50%以下、
Ti:0.50%以下、
Be:0.50%以下、
Na:0.50%以下、
K:0.50%以下、
Ca:0.50%以下、
Cu:0.50%以下、
La:0.50%以下、
Ce:0.50%以下、
Hf:0.50%以下、
Mo:0.50%以下、
W:0.50%以下、
Nb:0.50%以下、
Ta:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、
B:0.10%以下、及び、
Co:0.50%以下、からなる群から選択される1種以上
【請求項3】
請求項2に記載のめっき鋼線であって、
前記第1群を含有する、
めっき鋼線。
【請求項4】
請求項2に記載のめっき鋼線であって、
前記第2群を含有する、
めっき鋼線。
【請求項5】
請求項2に記載のめっき鋼線であって、
前記第3群を含有する、
めっき鋼線。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき鋼線に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
めっき鋼線は、金網、フェンス及び送電用ワイヤ等の素材として用いられる。めっき鋼線は、母材鋼線と、母材鋼線の表面上に形成されているめっき層とを備える。
【0003】
めっき鋼線のめっき層には、耐食性が求められる。めっき鋼線のめっき層として、例えば、亜鉛めっき、亜鉛合金めっき等が用いられている。亜鉛めっきは、Znからなるめっきである。亜鉛合金めっきは、Znと他の合金元素との合金からなるめっきである。亜鉛合金めっきは例えば、ZnとAlとを含有するZn-Al合金めっき、又は、ZnとAlとMgとを含有するZn-Al-Mg合金めっき等である。亜鉛合金めっき層を有するめっき鋼線は、亜鉛めっき層を有するめっき鋼線よりも耐食性が高い。
【0004】
しかしながら、上述の亜鉛合金めっき層は、亜鉛めっき層よりも硬くなりやすい。そのため、亜鉛合金めっき層を有するめっき鋼線では、曲げ加工に代表される加工時に、亜鉛合金めっき層に割れが生じやすい。亜鉛合金めっき層に割れが生じためっき鋼線では、割れた部分の耐食性が低下する。したがって、亜鉛合金めっき層を有するめっき鋼線では、加工時のめっき層の割れの発生を抑制することが求められる。
【0005】
加工時のめっき層の割れの発生を抑制する技術が、例えば、特表2020-503439号(特許文献1)に開示されている。
【0006】
特許文献1に開示された合金めっき鋼材は、亜鉛合金めっき層を含む。亜鉛合金めっき層は、Mg:0.5~2.5%、Al:0.5~3.0%、残部Zn及び不可避不純物を含有する。亜鉛合金めっき層は、Zn単相及びZnとMgとの混合相を含み、ZnとMgとの混合相は、Zn相とMg-Zn合金相とがラメラ構造を有する。ラメラ構造の平均幅は1.5μm以下である。この文献では、亜鉛合金めっき層中のラメラ構造の平均幅を1.5μm以下にする。これにより、加工時のめっき層の割れの発生が抑制される、と特許文献1では記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2020-503439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された手段以外の他の手段により、加工時のめっき層の割れの発生が抑制できてもよい。
【0009】
本発明の目的は、耐食性に優れ、加工時にめっき層の割れの発生も抑制できる、めっき鋼線を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるめっき鋼線は、
母材鋼線と、
前記母材鋼線の表面上に形成されているめっき層とを備え、
前記めっき層の化学組成は、質量%で、
Al:4.5~15.0%、及び、
Mg:0.3~4.0%、を含有し、
残部がZn及び不純物からなり、
前記めっき鋼線の軸方向に垂直な断面である横断面において、前記めっき層のミクロ組織は、
Al及びZnからなり、総面積率で10~60%であるα相と、
Zn相と、Zn及びMgからなるZn-Mg相とを含み、総面積率で10~70%である共晶組織と、
Znからなり、総面積率で0~50%であるZn相とを含有し、
前記横断面において、前記めっき層の厚さ方向をT方向と定義し、前記T方向に垂直な方向をC方向と定義したとき、
前記横断面において、前記C方向に40μmの長さを有する一対のC方向辺と、前記T方向に5Nμm(Nは自然数)の長さを有する一対のT方向辺とで構成される矩形領域であって、一対の前記C方向辺及び一対の前記T方向辺の全体が前記めっき層に含まれる最大サイズの前記矩形領域を矩形観察領域と定義し、
前記矩形観察領域内を、前記T方向に5μmの辺を有し、前記C方向に5μmの辺を有する複数の微小正方形領域に区分けしたとき、
前記微小正方形領域の辺と、前記α相、前記共晶組織及び前記Zn相の界面との交点の密度が3.0×10
-2
~9.0×10
-2
個/μm
2
である。
(【0011】以降は省略されています)
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