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公開番号
2025095654
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2023211801
出願日
2023-12-15
発明の名称
溶銑の脱りん方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
C21C
1/02 20060101AFI20250619BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】脱りん処理と中間排滓を2回実施するMURC3blowにおいて、2回目の脱りん処理においてスラグの塩基度を高めることができ、かつスラグをフォーミングさせて良好な排滓を行うことのできる、溶銑の脱りん方法を提供する。
【解決手段】第1工程(1回目の脱りん処理)では脱りん処理後スラグ中のCaOおよびSiO
2
の質量濃度比である塩基度が1.0~1.4の範囲となるようにCaO源15の投入量を調整し、第3工程(2回目の脱りん処理)では上吹きランス2から酸素とともにCaOおよび酸化鉄を混合した粉体(CaO酸化鉄混合粉16)を、酸素上吹き期間内の任意の時期において、全酸素上吹き時間の60~100%の時間を確保しつつ継続的に供給し、かつ脱りん処理後スラグ12の塩基度が1.5~1.8の範囲となるように粉体供給量を調整することを特徴とする、溶銑の脱りん方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
上底吹き転炉を用いて溶銑の脱りん処理を行うに際し、転炉内に溶銑およびCaO源を装入し、酸素吹錬により脱りん処理を行う第1工程と、前記第1工程の後に転炉を傾動させ炉内に溶銑を残したままスラグを排滓する第2工程と、前記第2工程の後に酸素吹錬により脱りん処理を行う第3工程と、前記第3工程の後に転炉を傾動させ炉内に溶銑を残したままスラグを排滓する第4工程と、前記第4工程の後に酸素吹錬により脱炭処理を行う第5工程と、を有し、
前記第1工程では脱りん処理後スラグ中のCaOおよびSiO
2
の質量濃度比である塩基度が1.0~1.4の範囲となるようにCaO源投入量を調整し、
前記第3工程では上吹きランスから酸素とともにCaOおよび酸化鉄を混合した粉体(以下「CaO酸化鉄混合粉」という。)を、前記第3工程における酸素上吹き期間内の任意の時期において、前記第3工程における全酸素上吹き時間の60~100%の時間を確保しつつ継続的に供給し、かつ脱りん処理後スラグの塩基度が1.5~1.8の範囲となるように粉体供給量を調整することを特徴とする、溶銑の脱りん方法。
続きを表示(約 170 文字)
【請求項2】
前記第3工程で供給する前記CaO酸化鉄混合粉は、CaOおよび酸化鉄の合計配合比が90質量%以上、酸化鉄の配合比が40~80質量%であり、前記CaO酸化鉄混合粉を上吹き供給するに際し、前記CaO酸化鉄混合粉中の酸化鉄純分の供給速度が1.2~3.2kg/t/分であることを特徴とする、請求項1に記載の溶銑の脱りん方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、上底吹き転炉を用いた溶銑の脱りん方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
銑鋼一貫型の鉄鋼精錬プロセスにおいて、高炉から出銑された溶銑中に含まれる不純物は、製鋼工程での溶鋼精錬によって除去される。溶鋼精錬装置としては上底吹き転炉が用いられ、転炉上部の上吹きランスから酸素を吹き付けながら、転炉底部から底吹きガスを吹き込むことで、溶鉄が精錬される。上底吹き転炉吹錬では、装入した溶銑中のSiが酸化除去され、ついで転炉内に形成されたスラグとの間で溶鉄の脱りん反応が進行する。その後、りん濃度が高くなったスラグを溶銑と分離することで脱りん精錬効率を高めることができる。さらにその後、溶銑中に残ったりんの除去と脱炭・昇温を目的に、脱炭吹錬が行われる。
【0003】
上底吹き転炉を用い、同一の転炉で脱りん処理、スラグ除去、脱炭吹錬を行う従来の転炉吹錬方法において低りん鋼を製造する方法として、脱りん処理後にスラグを転炉内に残して溶湯を炉外に出湯し、その後にスラグを排出した転炉に再度溶湯を装入する方法がある。具体的には、LD-ORP(例えば、非特許文献1)、SRP(非特許文献2)が知られている。脱りん処理後のスラグを完全に除去して脱炭吹錬を行う点で有利であるが、吹錬に長時間を要し、途中に出湯を行うために熱ロスが増すことになる。
【0004】
溶湯を炉外に出湯せず脱りん処理後のスラグを排出する方法として、MURC法(Multi-Refining Converter)が知られている(例えば、非特許文献3)。このMURC法は、脱りん処理中に、転炉炉口からの排滓に適した高さまでスラグをフォーミングさせ、そのりん濃度が高くなったスラグの一部を、転炉を傾けることで炉口から、炉外に排滓し(中間排滓)、りん濃度が低くなった溶銑を残した転炉に、新たな精錬材を添加して、更なる脱りんと脱炭を行う(脱炭吹錬)ことを特徴とする。この方法では、出湯による精錬時間延長や熱ロス増大を避けられる反面、転炉内に存在するすべてのスラグを除去することができず、脱炭吹錬で溶湯温度が上昇するとともにP
2
O
5
を多く含んだ残存スラグから溶湯への復りんが起こり、脱炭吹錬終了後の溶鋼中P濃度を押し上げる要因になる。
【0005】
MURC法を改良した方法として、脱りん処理を2回にわけ、1回目の脱りん処理後に1回目の中間排滓を行い、ついで2回目の脱りん処理を行ってその後2回目の中間排滓を行い、その後脱炭吹錬を行う方法が知られている(特許文献1、2)。これにより、極低りん鋼においても、生産性、経済性に優れるMURC法で安定的に製造できるとしている。以下、特許文献1、2のように、ひとつの転炉で2回の脱りん処理と2回の中間排滓、及びその後の脱炭吹錬を行う吹錬方法を、「MURC3blow」と呼ぶ。
【0006】
特許文献1では、1回目の脱りん処理終了時のスラグ塩基度(CaO/SiO
2
質量比)を実施例で1.6~1.9、2回目の脱りん処理終了時のスラグ塩基度を実施例で1.4~2.0とし、2回目の脱りん処理においてCaO系フラックスとSiO
2
系フラックスを添加している。
【0007】
特許文献2では、1回目の脱りん処理終了時のスラグ塩基度が0.8~1.3となるようにCaO源を添加し、2回目の脱りん処理ではスラグ塩基度が0.8~1.3の範囲となるように、CaO源を未投入あるいは5kg/ton以下としている。
【0008】
特許文献3には、上底吹き転炉を用いて行う溶銑の脱りん処理方法であって、脱りん処理時の装入塩基度を1.4~2.0とし、カルシウムフェライトを塊状で溶銑1tあたり4kg以上供給し、かつ、CaOを粉状で溶銑1tあたり2~4kgの範囲で、上吹きランスを通じて酸素とともに溶銑へ吹き付けて供給する溶銑の脱りん処理方法が開示されている。これにより、蛍石に代表されるハロゲン化物を用いることなく、鉄分歩留まりを向上させ、かつ、高脱りん効率の溶銑脱りん処理方法が提供される。
【0009】
特許文献4には、上底吹き転炉を用いて、生石灰、酸化鉄、およびカルシウムフェライトを90質量%以上含む精錬剤を炉内に添加して溶銑脱りんする方法において、カルシウムフェライトを含む精錬剤の添加は、粒径5~50mmのものを転炉の上方から炉内に投入する方法により行う溶銑の脱りん方法が開示されている。これにより、蛍石を用いずに、カルシウムフェライトの使用原単位を抑制しつつ、生石灰の原単位も少ない量で、低りん化を実現することができる。
【0010】
特許文献5には、上底吹き転炉において、上吹き酸素ランスよりCaO粉、Al
2
O
3
粉およびFe
2
O
3
粉を含有する混合粉を吹き付ける際に、混合粉中のAl
2
O
3
粉、Fe
2
O
3
粉の混合割合を規定し、キャリアーガス添加速度、添加速度を規定して吹き込む溶銑の脱りん方法が開示されている。
(【0011】以降は省略されています)
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