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公開番号2025093579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209320
出願日2023-12-12
発明の名称棒製品の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C21D 8/06 20060101AFI20250617BHJP(鉄冶金)
要約【課題】結晶粒が十分に微細化された棒製品を製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、中空又は中実形状を有する棒製品を、棒製品の形状に対応する中空又は中実形状を有する棒素材から製造する方法であり、準備工程(#5)と、加熱工程(#10)と、圧延工程(#15)と、冷却工程(#20)とを備える。準備工程(#5)は、Nb含有低合金鋼からなる棒素材を準備する。加熱工程(#10)は、棒素材を710℃以上、Ac1点以下の温度に加熱する。圧延工程(#15)は、パスライン周りに7°以上、10°以下の傾斜角で配置された複数の傾斜ロールを備える傾斜圧延機を用い、棒素材を傾斜圧延して棒製品を製造する。このとき、傾斜圧延中の加工発熱により棒製品の温度をAc3点以上、1050℃未満に上昇させる。冷却工程(#20)は、棒製品を水冷する。このとき、圧延工程の終了時点から30秒以内に水冷を開始する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
中空又は中実形状を有する棒製品を、前記棒製品の形状に対応する中空又は中実形状を有する棒素材から製造する方法であって、
当該棒製品の製造方法は、
Cr、Mo、及びNbを含有する低合金鋼からなる前記棒素材を準備する準備工程と、
前記棒素材を710℃以上、Ac1点以下の温度に加熱する加熱工程と、
パスライン周りに7°以上、10°以下の傾斜角で配置された複数の傾斜ロールを備える傾斜圧延機を用い、前記棒素材を傾斜圧延して前記棒製品を製造する圧延工程であって、傾斜圧延中の加工発熱により前記棒製品の温度をAc3点以上、1050℃未満に上昇させる、前記圧延工程と、
前記棒製品を水冷する冷却工程であって、前記圧延工程の終了時点から30秒以内に水冷を開始する、前記冷却工程と、を備える、棒製品の製造方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の棒製品の製造方法であって、
前記棒素材及び前記棒製品は、中空形状を有し、
前記傾斜圧延機は、さらに、前記傾斜ロール同士の間の前記パスライン上に配置されたプラグを備える、棒製品の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の棒製品の製造方法であって、
前記棒素材及び前記棒製品は、中実形状を有し、
前記傾斜ロールの数は3つである、棒製品の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の棒製品の製造方法であって、
前記低合金鋼の化学組成は、
質量%で、
C:0.21~0.35%、
Si:0.10~0.50%、
Mn:0.05~1.00%、
P:0.025%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.005~0.100%、
N:0.010%以下、
Cr:0.05~1.50%、
Mo:0.10~1.50%、
Nb:0.01~0.05%、
B:0.0003~0.0050%、
Ti:0~0.050%、
V:0~0.30%、
Ca:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0050%、及び、
残部がFe及び不純物、からなる、棒製品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、棒製品の製造方法に関し、より詳細には、中空又は中実形状を有する棒製品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
中空又は中実形状を有する棒製品として、鋼管及び棒鋼が挙げられる。この種の棒製品は、通常、熱間加工により製造される。棒製品には、強度、靭性、及び耐食性などが求められることが多い。これらの要求に対し、結晶粒の微細化が有効である。
【0003】
例えば、油井及びガス井(以下、「油井」と称する)では、棒製品として油井管が用いられ、油井管として継目無鋼管が用いられる。油井は、しばしば、硫化水素などの腐食性ガスを含む腐食環境に設置される。このため、継目無鋼管には、優れた耐SSC(硫化物応力割れ)性が要求される。当然のことながら、継目無鋼管には、高い強度も要求される。しかしながら、耐SSC性と強度とは一般に相反する特性である。結晶粒の微細化は、これらの相反する特性の両立に貢献する。
【0004】
また、例えば、機械、自動車、及び建造物などでは、棒製品として鋼管や棒鋼が用いられる。このような棒製品には、高い強度が要求され、さらに優れた耐水素脆化割れ性が要求される。しかしながら、耐水素脆化割れ性と強度とは一般に相反する特性である。結晶粒の微細化は、これらの相反する特性の両立に貢献する。
【0005】
従来、微細な結晶粒を有する棒製品を製造するために、様々な技術が提案されている。例えば、特許第2576254号公報(特許文献1)、特許第2591234号公報(特許文献2)、及び特許第2913115号公報(特許文献3)には、複数の傾斜ロールを備える傾斜圧延機を用いて棒素材を棒製品に傾斜圧延する工程を含む製造方法が開示されている。この製造方法では、傾斜圧延中、加工発熱を利用して棒素材の温度をAc3点以上の温度に上昇させ、これにより、フェライトから成る組織を一旦オーステナイトに逆変態させる。特許文献1~3には、このような傾斜圧延で得られた棒製品を冷却すれば、微細なフェライトを出現させることが可能である、と記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1~3の製造方法では、棒製品及び棒素材の材質が特に問われていないため、結晶粒の十分な微細化が困難となる場合があり得る。また、特許文献1~3の製造方法で用いられる傾斜圧延機では、各傾斜ロールの傾斜角が比較的大きい。この場合、傾斜圧延中に棒素材が各傾斜ロールに対してスリップするため、棒製品の製造そのものが困難となり得る。
【0007】
また、例えば、国際公開第2019/107409号(特許文献4)には、中空素管(棒素材)を加熱する加熱工程と、複数の傾斜ロールを備えるエロンゲータ(傾斜圧延機)を用いて中空素管を延伸圧延(傾斜圧延)する圧延工程と、延伸圧延された中空素管(棒製品)を圧延完了直後から水冷する冷却工程と、を含む製造方法が開示されている。この製造方法では、棒素材は、所定の化学組成を有する低合金鋼からなる。この低合金鋼は、Nbを含有する。加熱工程では、棒素材は800~1030℃に加熱される。圧延工程では、傾斜圧延機を用いた傾斜圧延により、棒素材が加工発熱し、棒素材の温度は上昇する。この場合、加熱時及び傾斜圧延時、棒素材においてNb炭化物及びNb炭窒化物が形成される。これらのNb炭化物等のピンニング効果により結晶粒の粗大化が抑制され、棒製品において結晶粒が微細化される。
【0008】
しかしながら、特許文献4の製造方法では、棒素材の加熱温度が800~1030℃であり、傾斜圧延中の加工発熱により、棒素材の温度が1050℃、つまりNb炭化物等の融点を超えることを想定している。この場合、Nb炭化物等が多かれ少なかれ鋼中に固溶し、ピンニング効果が低下するおそれがある。そのため、棒製品において結晶粒の微細化が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第2576254号公報
特許第2591234号公報
特許第2913115号公報
国際公開第2019/107409号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の通り、特許文献1~4のいずれの製造方法であっても、結晶粒が十分に微細化された棒製品を製造することは困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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