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公開番号2025104031
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023221851
出願日2023-12-27
発明の名称鋼線及びロープ
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250702BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】疲労特性に優れる鋼線並びにそれを用いたロープを提供する。
【解決手段】C:0.30~1.50%、Si:0.01~2.00%、Mn:0.01~1.00%、Al:0.100%以下、P:0.050%以下、S:0.050%以下、N:0.015%以下、及びO:0.0100%以下、を含み、残部がFe及び不純物からなり、金属組織がフェライト相及びセメンタイト相からなり、鋼線の断面における最大硬度と最小硬度との差ΔHVと平均硬度HVaveとが式1を満たし、表層において第1の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ)|と第1の位置に対して周方向に180度の第2の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ+180°)|との差が式2を満たす鋼線並びに前記鋼線を含むロープ。
ΔHV≦0.1×HVave ・・・式1
|{|σ(θ)|―|σ(θ+180°)|}|≦200MPa ・・・式2
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鋼組成が、質量%で、
C :0.30~1.50%、
Si:0.01~2.00%、
Mn:0.01~1.00%、
Al:0.100%以下、
P :0.050%以下、
S :0.050%以下、
N :0.015%以下、及び
O :0.0100%以下、
を含み、残部がFe及び不純物からなり、
金属組織がフェライト相及びセメンタイト相からなり、
鋼線の軸方向に垂直な断面における最大硬度と最小硬度との差ΔHVと、平均硬度HVaveとが、下記式1を満たし
表層において、第1の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ)|と、前記第1の位置に対して周方向に180度の第2の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ+180°)|との差が、下記式2を満たす、鋼線。
ΔHV≦0.1×HVave ・・・式1
|{|σ(θ)|―|σ(θ+180°)|}|≦200MPa ・・・式2
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
鋼組成が、質量%で、
C :0.30~1.50%、
Si:0.01~2.00%、
Mn:0.01~1.00%、
Al:0.100%以下、
P :0.050%以下、
S :0.050%以下、
N :0.015%以下、及び
O :0.0100%以下、
を含み、さらに下記A群及びB群からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
[A群]
Cr:1.00%以下、
Mo:0.50%以下、
Ti:0.100%以下、
Nb:0.100%以下、
V :0.30%以下、
B :0.0100%以下、
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、及び
Sn:0.10%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
[B群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
Sb:0.050%以下、及び
As:0.050%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
金属組織がフェライト相及びセメンタイト相からなり、
鋼線の軸方向に垂直な断面における最大硬度と最小硬度との差ΔHVと、平均硬度HVaveとが、下記式1を満たし
表層において、第1の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ)|と、前記第1の位置に対して周方向に180度の第2の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ+180°)|との差が、下記式2を満たす、鋼線。
ΔHV≦0.1×HVave ・・・式1
|{|σ(θ)|―|σ(θ+180°)|}|≦200MPa ・・・式2
【請求項3】
質量%で、前記A群を含有する鋼組成を有する請求項2に記載の鋼線。
【請求項4】
質量%で、前記B群を含有する鋼組成を有する請求項2に記載の鋼線。
【請求項5】
線径が0.41mm~8.00mmであり、引張強度が1000MPa以上である請求項1又は請求項2に記載の鋼線。
【請求項6】
ロープ用である請求項1又は請求項2に記載の鋼線。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の鋼線を含むロープ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼線及びロープに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
エレベーター用ロープやクレーン用ロープなど、繰り返し曲げ応力が付加されるロープは、鋼線の曲げ疲労特性がロープの寿命に大きく影響する。近年、メンテナンス性向上のため、ロープの長寿命化のニーズが高まり、それを実現する曲げ疲労特性に優れた鋼線が求められている。また、曲げ疲労特性に優れた鋼線は、橋梁用ロープやPC鋼線としても有用である。
【0003】
例えば、特許文献1では、鋼中に介在物を微細析出させることにより疲労特性を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献2では、熱間圧延後にソルトパテンティング処理することで線材組織を制御して高強度線材を得る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011―225990号公報
特開2007―39800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1又は特許文献2で開示されている技術では、線材段階での制御が必要であり、二次加工単体での特性向上を図ることは難しい。
【0006】
本開示は、疲労特性に優れる鋼線及びそれを用いたロープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、疲労特性に優れる鋼線及びそれを用いたロープが提供される
<1> 鋼組成が、質量%で、
C :0.30~1.50%、
Si:0.01~2.00%、
Mn:0.01~1.00%、
Al:0.100%以下、
P :0.050%以下、
S :0.050%以下、
N :0.015%以下、及び
O :0.0100%以下、
を含み、残部がFe及び不純物からなり、
金属組織がフェライト相及びセメンタイト相からなり、
鋼線の軸方向に垂直な断面における最大硬度と最小硬度との差ΔHVと、平均硬度HVaveとが、下記式1を満たし
表層において、第1の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ)|と、前記第1の位置に対して周方向に180度の第2の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ+180°)|との差が、下記式2を満たす、鋼線。
ΔHV≦0.1×HVave ・・・式1
|{|σ(θ)|―|σ(θ+180°)|}|≦200MPa ・・・式2
<2> 鋼組成が、質量%で、
C :0.30~1.50%、
Si:0.01~2.00%、
Mn:0.01~1.00%、
Al:0.100%以下、
P :0.050%以下、
S :0.050%以下、
N :0.015%以下、及び
O :0.0100%以下、
を含み、さらに下記A群及びB群からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
[A群]
Cr:1.00%以下、
Mo:0.50%以下、
Ti:0.100%以下、
Nb:0.100%以下、
V :0.30%以下、
B :0.0100%以下、
Cu:0.50%以下、
Ni:0.50%以下、及び
Sn:0.10%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
[B群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
Sb:0.050%以下、及び
As:0.050%以下からなる群から選択される1種又は2種以上
金属組織がフェライト相及びセメンタイト相からなり、
鋼線の軸方向に垂直な断面における最大硬度と最小硬度との差ΔHVと、平均硬度HVaveとが、下記式1を満たし
表層において、第1の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ)|と、前記第1の位置に対して周方向に180度の第2の位置における軸方向の残留応力の絶対値|σ(θ+180°)|との差が、下記式2を満たす、鋼線。
ΔHV≦0.1×HVave ・・・式1
|{|σ(θ)|―|σ(θ+180°)|}|≦200MPa ・・・式2
<3> 質量%で、前記A群を含有する鋼組成を有する<2>に記載の鋼線。
<4> 質量%で、前記B群を含有する鋼組成を有する<2>又は<3>に記載の鋼線。
<5> 線径が0.41mm~8.00mmであり、引張強度が1000MPa以上である<1>~<4>のいずれか1つに記載の鋼線。
<6> ロープ用である<1>~<5>のいずれか1つに記載の鋼線。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、疲労特性に優れる鋼線及びそれを用いたロープが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ダイスの一例を示す概略断面図である。
各種ダイスのアプローチ形状及びベアリング形状を示す概略図である。
残留応力の測定方法を示す概略図である。
硬度の測定位置を示す概要図である。
ロープの一例を示す概略図である。
図5AにおけるA-A線断面及びロープの撚りピッチを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一例である実施形態について説明する。
なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、「~」の前後に記載される数値に「超」又は「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値又は上限値として含まない範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよく、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、鋼組成の元素の含有量は、元素量(例えば、C量、Si量等)と表記する場合がある。
また、鋼組成の元素の含有量について、特に断りの無い限り「%」は「質量%」を意味する。
また、「鋼線の表面」とは、鋼線の外周面を意味する。
また、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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