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公開番号2025105538
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2024226591
出願日2024-12-23
発明の名称柱梁接合部
出願人日本製鉄株式会社,日鉄建材株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類E04B 1/58 20060101AFI20250703BHJP(建築物)
要約【課題】角形鋼管で柱が構成される柱梁接合部について、柱でシーム溶接部の形成される面と梁の取り付け方向との関係を限定することによって、母材に対しシーム溶接部が先行降伏しないためのアンダーマッチング溶接の条件を拡張する。
【解決手段】4つの辺部および4つの角部を含む角丸矩形状の断面を有する角形鋼管で柱が構成され、角形鋼管の対向する辺部によって構成される2つの面にのみ、第1および第2の梁が取り付けられる柱梁接合部であって、第1の梁が取り付けられる辺部、または第2の梁が取り付けられる辺部のいずれか一方または両方にのみ、角形鋼管の長さ方向に延びるシーム溶接部が形成され、角形鋼管の板厚t[mm]および外径D[mm]に対して、シーム溶接部の引張強さσu,WM[N/mm2]および辺部の母材の引張強さσu,BM[N/mm2]が条件を満たす柱梁接合部が提供される。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
4つの辺部および4つの角部を含む角丸矩形状の断面を有する角形鋼管で柱が構成され、前記角形鋼管の対向する前記辺部によって構成される2つの面にのみ、第1および第2の梁が取り付けられる柱梁接合部であって、
前記第1の梁が取り付けられる前記辺部、または前記第2の梁が取り付けられる前記辺部のいずれか一方または両方にのみ、前記角形鋼管の長さ方向に延びるシーム溶接部が形成され、
前記角形鋼管の板厚t[mm]および外径D[mm]に対して、前記シーム溶接部の引張強さσ
u,WM
[N/mm

]および前記辺部の母材の引張強さσ
u,BM
[N/mm

]が式(i)および式(ii)を満たす柱梁接合部。
TIFF
2025105538000006.tif
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続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
4つの辺部および4つの角部を含む角丸矩形状の断面を有する角形鋼管で柱が構成され、前記角形鋼管の前記辺部によって構成される1つの面にのみ梁が取り付けられる柱梁接合部であって、
前記梁が取り付けられる前記辺部、または前記梁とは反対側の前記辺部のいずれか一方または両方にのみ、前記角形鋼管の長さ方向に延びるシーム溶接部が形成され、
前記角形鋼管の板厚t[mm]および外径D[mm]に対して、前記シーム溶接部の引張強さσ
u,WM
[N/mm

]および前記辺部の母材の引張強さσ
u,BM
[N/mm

]が式(i)および式(ii)を満たす柱梁接合部。
TIFF
2025105538000007.tif
17
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【請求項3】
前記梁は、1対のフランジおよびウェブを含むH形鋼梁であり、
前記角形鋼管は、前記1対のフランジにあたる位置で分割されてそれぞれの位置に1対のダイアフラムが介挿され、前記1対のフランジは前記1対のダイアフラムの端面に接合され、
前記角形鋼管の前記1対のダイアフラムよりも上の部分、前記1対のダイアフラムの間の部分、および前記1対のダイアフラムよりも下の部分のいずれか1つまたは2つには前記シーム溶接部が形成されないか、または式(ii)を満たさないシーム溶接部が形成される、請求項1または請求項2に記載の柱梁接合部。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、柱梁接合部に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
鋼部材を溶接する際、母材に対し溶接部を先行破壊させないために、一般には溶接金属の引張強さを母材の引張強さより大きくするオーバーマッチングが行われる。例えば、引張強さ490N/mm

級の母材に対しては、引張強さ490N/mm

を超える溶接金属材料および溶接条件を選定する。ところが、オーバーマッチングによって選定された高強度の溶接金属材料の溶接では、溶接割れの防止や溶接金属の強度および靭性の確保のために予熱が必要とされたり、入熱量やパス間温度の上限が厳しかったりするために、溶接施工に係る手間が増え、コスト増や生産効率の低下が生じやすい。
【0003】
建築鋼構造の柱に用いられる冷間成形角形鋼管のシーム溶接部でも、上記のような溶接金属のオーバーマッチングによる問題が生じうる。また、近年、角形鋼管の鋼種が多様化しており、同一の製造ラインで複数の鋼種の角形鋼管を製造するようになっている。このような場合に、各鋼種に対してオーバーマッチングになるように溶接金属材料や溶接条件を設定すると、製造される角形鋼管の鋼種が変わるごとにシーム溶接部の溶接金属材料の入れ替えや溶接条件の変更が必要となり、生産性の低下の要因となっている。
【0004】
これに対して、例えば特許文献1では、角形鋼管柱と通しダイアフラムとの溶接部について、アンダーマッチング溶接、すなわち溶接金属の引張強さが母材の引張強さよりも小さい溶接を可能とする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-159296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冷間成形角形鋼管のシーム溶接部は溶接線方向に沿う方向にせん断力を受けるため、アンダーマッチング溶接の場合、シーム溶接部の溶接金属材料が母材に先行してせん断降伏して塑性変形する可能性がある。このような塑性変形が生じると角形鋼管の断面の平面保持仮定が成立しなくなり、設計時に平面保持仮定に基づいて想定された曲げ耐力よりも小さい曲げモーメントで大きな変形が生じて層間変形が過大になる。特許文献1でアンダーマッチング溶接が適用されるのは溶接線方向と直交する方向に引張力を受ける溶接部であるため、上記のような角形鋼管のシーム溶接部に特許文献1に記載されたアンダーマッチング溶接の技術をそのまま適用することはできない。
【0007】
そこで本発明は、角形鋼管で柱が構成される柱梁接合部について、柱でシーム溶接部の形成される面と梁の取り付け方向との関係を限定することによって、母材に対しシーム溶接部が先行降伏しないためのアンダーマッチング溶接の条件を拡張し、シーム溶接部をアンダーマッチング溶接にした角形鋼管で柱を構成した、より実用的な柱梁接合部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]4つの辺部および4つの角部を含む角丸矩形状の断面を有する角形鋼管で柱が構成され、前記角形鋼管の対向する前記辺部によって構成される2つの面にのみ、第1および第2の梁が取り付けられる柱梁接合部であって、前記第1の梁が取り付けられる前記辺部、または前記第2の梁が取り付けられる前記辺部のいずれか一方または両方にのみ、前記角形鋼管の長さ方向に延びるシーム溶接部が形成され、前記角形鋼管の板厚t[mm]および外径D[mm]に対して、前記シーム溶接部の引張強さσ
u,WM
[N/mm

]および前記辺部の母材の引張強さσ
u,BM
[N/mm

]が式(i)および式(ii)を満たす柱梁接合部。
TIFF
2025105538000002.tif
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[2]4つの辺部および4つの角部を含む角丸矩形状の断面を有する角形鋼管で柱が構成され、前記角形鋼管の前記辺部によって構成される1つの面にのみ梁が取り付けられる柱梁接合部であって、前記梁が取り付けられる前記辺部、または前記梁とは反対側の前記辺部のいずれか一方または両方にのみ、前記角形鋼管の長さ方向に延びるシーム溶接部が形成され、前記角形鋼管の板厚t[mm]および外径D[mm]に対して、前記シーム溶接部の引張強さσ
u,WM
[N/mm

]および前記辺部の母材の引張強さσ
u,BM
[N/mm

]が式(i)および式(ii)を満たす柱梁接合部。
TIFF
2025105538000003.tif
17
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[3]前記梁は、1対のフランジおよびウェブを含むH形鋼梁であり、前記角形鋼管は、前記1対のフランジにあたる位置で分割されてそれぞれの位置に1対のダイアフラムが介挿され、前記1対のフランジは前記1対のダイアフラムの端面に接合され、前記角形鋼管の前記1対のダイアフラムよりも上の部分、前記1対のダイアフラムの間の部分、および前記1対のダイアフラムよりも下の部分のいずれか1つまたは2つには前記シーム溶接部が形成されないか、または式(ii)を満たさないシーム溶接部が形成される、[1]または[2]に記載の柱梁接合部。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、角形鋼管のシーム溶接部が柱のフランジ側に位置するため、シーム溶接部に作用するせん断力を抑制することができる。さらに、形状的にひずみ集中の起きる角形鋼管の母材角部のひずみ、アンダーマッチングにより強度的にひずみ集中の起きるシーム溶接のひずみの2つの大小関係が、従来のオーバーマッチング溶接におけるこれらの大小関係と逆転しない範囲でシーム溶接をアンダーマッチングにすることができる。これらの効果により、柱梁接合部において角形鋼管の母材に対しシーム溶接部が先行降伏しないアンダーマッチング溶接を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部に用いられる角形鋼管の例を示す図である。
本発明の実施形態に係る柱梁接合部に用いられる角形鋼管の例を示す図である。
参考例に係る柱梁接合部を示す図である。
解析における境界条件を示す図である。
解析において角形鋼管断面に作用する外力の方向を示す図である。
辺部の母材の引張強さに対する溶接金属またはシーム溶接部の引張強さの比(以下、マッチング率と呼ぶ)が0.80の場合のシーム溶接部のひずみ履歴を載荷方向ごとに示すグラフである。
解析によって算出された角形鋼管の材端における曲げモーメントと層間変形との関係を示すグラフである。
解析によって算出されたシーム溶接部の相当塑性ひずみを示すグラフである。
シーム溶接部の最大相当塑性ひずみの母材部の最大相当塑性ひずみに対する比(最大相当塑性ひずみ比)の最大値とマッチング率との関係を示すグラフである。
図9の一部を拡大してプロットを追加したグラフである。
解析によって算出された相当塑性ひずみのコンター図である。
解析によって算出された相当塑性ひずみのコンター図である。
解析によって算出された相当塑性ひずみのコンター図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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